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第1特集
自殺の仕方や爆弾の作り方も掲載

裏情報本の定番シリーズが有害指定でも出版のワケ

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9月に発売された最新刊。

 現在でも、インターネット上には「大麻の栽培方法」や「リスクなしに稼ぐ方法」などあらゆる裏のテクニックが転がっているが、そんな雑多な裏情報を収集し、各分野に精通したスタッフが精査、会員に有料で配信している「激裏情報」というサイトがある。そしてこのサイトに載る情報の中から、さらに厳選したものをまとめたのが、『GEKIDAS激裏情報@大事典』(三才ブックス)だ。これまでに4冊が刊行され、合計30万部を売り上げる裏情報本の定番シリーズとなっている。内容は、「有料アダルトサイトの動画を無料で観る方法」などの、日常でライトに使用できる情報から「架空の戸籍を作る方法」「2~3日で体内から薬物を抜く方法」といった、法律的にかなりきわどいものまでが掲載されている。確かに見た目におもしろいものも多く収録されているが、違法行為を助長させる懸念のあるものも多く、批判も少なくない。そんな状況にあっても出版をやめない理由はなんなのか? 編集人の関口勇氏に話を聞いた。

──まずは、どのような経緯でこの本を出版されたのでしょうか?

関口 勇氏(以下、) 最初に、裏情報サイトの「激裏情報」から、売り込みがあったんです。ただ、危険な情報が結構あったので、お話しを頂いた時には、ウチとしてもどうかなと悩みましたけど……。やっぱりくさいものにふたをするんじゃなくて、情報は出していかないと、と思ったんですよね。そしたらこれが非常に売れまして。

──シリーズ累計30万部は、裏情報を扱った本としては、珍しいですよね。

 ちょうどネットの普及に伴って、裏情報が広がってきてはいたんですが、情報が氾濫しすぎていて、どこを見れば信用のおける裏情報があるのかわからない状況だったんです。そんな中で、そういう裏情報が本にまとめてあるということで、なんとなく「基本情報はここにあるんだ」っていう道標となった、という実感はありますね。

──ところが2007年に出したVOL・3が、有害図書の指定を受けてしまった。

MEMO「裏情報読本」
「爆発物・危険物」「法律の抜け方」「金の儲け方」などネットに転がる裏話、アングラ話、怪しいテクニックをまとめた書籍のこと。『GEKIDAS激裏情報@大事典』の編集人・関口氏は、《異空間》探険マガジン「ワンダー JAPAN」編集長も兼務。

 そうなんですよ。まあ、有害図書になったといっても、18禁になったというだけなんですけどね。都庁に呼ばれてですね……職員の方に、渋~い顔で応対されて。「自殺の方法は削れないか」とか、「ここは、未成年がやったら危険だから削除して」などと言われて。結局「未成年の教育上よくないので、有害指定を出します」ということになりました。でも職員の方も「こういう情報を読みたい人がいるのはしょうがない」って言ってました。結局「表現の自由」があるので、きつくはいえないみたいですね。

──なるほど。職員の方にそう言われたら、ますます不本意というか、反論もあるんじゃないでしょうか?

 そうですね。これが本当に有害なのかを、東京都が判断することか、というのは疑問ですね。条例ありきのような気がします。例えば「爆弾を作る方法」なんかも、もしも本当に作るとしたらすごく大変なんですよ。本格的な研究室で、実験道具がそろってないと絶対にできないんです。ウチとしても「悪用厳禁」と、表紙から中身の細部にまでかなりしつこく書いています。それなのに「爆弾の作り方」という項目が載ってるだけで、有害と判断されるのはいかがなものかと思いますね。

──そこまでしてこのシリーズの出版を続ける意義ってなんでしょう?

 例えば保険金の不払い事件とかもありますし、家賃の交渉術なんかも、情報を持ってるか否かで、損得に差がでますよね。そこでやっぱり弱者は、情報で武装していないと不利益を被ることが多いと思うんです。この本は、本当に使い方次第というか、危ない話は悪用厳禁の知的好奇心をくすぐるものとして、法律の抜け穴などの話は理論武装のツールとして使えますので、買ってくださる方がいる限りは、有益な情報を出していきたいですね。

(矢崎一郎)


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