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第1特集
金融危機で隠されたメガバンクのタブーがマル見えに!!【2】

銀行ビジネスの"怪獣"っぷりがわかる! 3大メガバンク徹底比較!!

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──自分の失敗は棚に上げて日本の金融業界をほしいままにする3行のさまは、まさに怪獣のごとし!!その恐ろし〜い実態を、トップ人事から社員像にいたるまで、解説付きでちょっとだけご開陳。ガオ~ッ!!

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"ゴジラ"のごとく図体だけでかくフラつく足元は大丈夫!?
三菱UFJフィナンシャル・グループ
05年10月に、三菱東京フィナンシャル・グループとUFJホールディングスが合併して発足。総資産192兆円、従業員数7万8282人。ぶっちぎりの国内メガバンクトップ。

[本業の状況]
サブプライムローン問題に端を発する金融危機が深刻化し始めた昨秋、米証券大手のモルガン・スタンレーに90億ドル(約9000億円)を出資して傘下に収めたことで、国内外の金融機関の度肝を抜いた。「危機をチャンスに変えて海外市場へと打って出る」(幹部)と息巻いたが、その後、国内株式市況の急激な悪化で損失が大幅に膨らみ、09年3月期決算で発足以来初の赤字に陥る可能性すら出ている。さらに、肝心の海外事業についても「モルスタを傘下に収めたのはいいが、うちの経営陣がしっかりと使いこなせるか疑問」(同)という声が社内からも出る始末で、事業規模の積極拡大策が経営基盤を揺るがすという皮肉な状況を生んでいる。

[トップ人事]
システム部門出身の畔柳信雄社長は、理系出身者ならではの生真面目な性格で「融通が利かない」という評も。次期トップには三菱東京UFJ銀行の永易克典頭取が昇格する見込みで、すでに畔柳社長の求心力が低下しているという見方が強い。

[社内融和度]
"公家"と称された三菱東京と、"野武士"と称されたUFJという正反対の社風の両社が合併したため、3年以上たった今でも社内融和が進んでいない。旧三菱東京サイドが経営の主導権を握り、UFJ出身者は不遇をかこっているとの声も。

[社員像]
旧三菱東京のカラーが強く、伝統的に「官僚的で保守的」という評判。「日本経済を動かしているのはうちだ!」と言ってはばからない社員が少なくなく、東大出身者以外の出世は不可能というほどのエリート体質。


合併が奏功した"双頭の鷲" 天高く舞い次々と獲物を食いまくる!!
三井住友フィナンシャルグループ
01年に住友銀行とさくら銀行が合併して発足。
総資産111兆円、従業員数4万6429人。メガバンク3位。

[社内融和度]
関西を地盤に攻撃的なイケイケの社風を誇った旧住友銀行と、関東を地盤に手堅いオットリとした社風で三井グループの盟主だったさくら銀行とが合併して発足した。両行はほぼ同規模だったため、発足時には「主導権争いが過熱して社内分裂を起こす!」という内外の指摘が強かったが、合併後は「同規模という緊張感が良い意味での競争関係を生み、それがうまくシナジー効果につながった」(幹部)と、メガバンクの中で最も合併が成功した例とされている。イケイケとオットリが融合した絶妙な経営バランスを発揮し、08年4〜12月期決算では、メガバンクで唯一の黒字を確保している。三井住友グループ全体を見ても、損保会社が合併によって国内首位の座を獲得するなど、合併の成功度では右に出る者がいない状態!?

[本業の状況]
国内外ともに積極的な事業戦略を取っている。ただ、昨年の金融危機下での海外出資においては、英銀大手のバークレイズへの1000億円の出資にとどめるなど、三菱UFJよりもうまくブレーキが利いたと評価が高い。

[トップ人事]
発足時は旧住友銀行頭取の西川善文・現日本郵政社長の独裁体制で、社内の一部で反発もあった。現在は旧住友銀行の奥正之・三井住友銀行頭取と、旧さくら銀行の北山禎介・三井住友FG社長の2頭体制で、バランスが保たれている。

[社員像]
目標に向かって一丸となって突っ走るという強固な組織力を誇っており、それが時に「軍隊的」とすらいわれる。バイタリティがあって熱い社員が多く、メガバンクの中では合コンなどの"社外活動"に最も熱心という評判も。


3つどもえで社内政治に奔走 地獄の番犬"ケルベロス"は自滅気味!?
みずほフィナンシャルグループ
2000年に、富士銀行、日本興業銀行、第一勧業銀行が合併・再編して発足。
総資産は154兆円、従業員数は4万5758人。メガバンク2位。

[トップ人事]
みずほのトップ人事は、旧3行のバランスを取った"たすき掛け"が徹底している。みずほFGには旧富士銀行出身の前田晃伸社長、みずほ銀には旧第一勧銀の杉山清次頭取、みずほコーポレート銀行(CB)には旧興銀出身で女性記者との"路チュウ事件"で有名な齋藤宏頭取が鎮座。今年4月に、みずほ発足以来初めてとなる3トップの交代が行われるが、次期3トップも見事にたすき掛けを維持。交代会見で前田社長が「旧行の意識はすでにない。思い出させないでほしい」と逆ギレした際には、記者から失笑が漏れたという。さらに、みずほCBが海外でサブプライム投資を積極化させたのも、「旧興銀の齋藤頭取がグループ内での存在感を誇示するための勇み足だった」(関係者)といい、旧3行の主導権争いが本業にすら悪影響を与えている始末。

[本業の状況]
08年3月期決算のサブプライム関連損失が国内金融機関最大の6450億円と、メガバンクでは唯一サブプライムショックの"直撃波"を受けた。欧米事業からの一部撤退など、守りの姿勢に入ることを余儀なくされている。

[社内融和度]
人事の季節になると「あいつって何銀行出身だったっけ」という声をよく聞くほど、出身行意識が残る。ただ、富士銀と第一勧銀はみずほ銀行、興銀はみずほコーポレート銀行に配属されることが多く、幸いにも目立った対立は起きていない。

[社員像]
旧3行のカラーがいまだ根強く残っている。旧富士銀は官僚的、第一勧銀は庶民的、興銀は体育会系に大別される。合併後に入行した若手社員は、「お前は庶民的だから第一勧銀系だ」と、先輩に"旧行閥"を勝手に押し付けられることも少なくないとか。

(文/隅田哲太)
(絵/都築潤)


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2019年12月号