サイゾーpremium  > 特集  > タブー  > ハイテク強国のタブーなき裏側【1】/【中国政府】が目指す究極のデストピア

――共産党の独裁体制でありながら市場経済を導入し、いつのまにかに世界トップクラスの経済大国となった中国。なかでも国を挙げたテック戦略は圧倒的な勢いで進歩しており、BATと呼ばれる中国大資本が欧米企業を凌駕しつつある。倫理無視、タブー上等で推し進められる中国テックの最新事情とは!?

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深セン市内にあるソフトウェアパーク。多くの中国有名IT企業やAI、ロボティクスのスタートアップが集結している。テンセントの新しい本社ビルなどもこのあたりに。

 日本で「深セン上げ」が始まったのは2016年の後半あたりだ。

 中国都市部でキャッシュレスのスマホ決済やシェアサイクル、無人コンビニなど日本には存在すらしないハイテク技術が急速に実用化されていった時期。中国政府は「大衆創業、万衆創新(一般大衆による起業とイノベーション)」というスローガンの下、広東省深セン市をその拠点とした。その後、日本の“意識高い系”の人々やIT・経済メディアはこぞって“紅いシリコンバレー”と持てはやし、官民含め日本から多数の見学者が同地に訪れるようになった。

 現在も、多くの日本人ビジネスマンや技術者が、拠点となっている深セン市内にある広大なソフトウェアパークに足を運んでいる。

 先に紹介したスローガンは、習近平政権が打ち出した産業政策「中国製造2025」に由来している。人工知能(AI)やロボティクス、次世代情報・通信技術を活用し、新たな製造業・産業を育成しようという計画だ。中国政府は30年までにAI関連産業を170兆円規模にすると宣言しており、投資環境や人材育成の整備に力を入れている。こうした政府主導のイノベーションが、すでに軌道に乗りつつあるのは周知の通り。最新データによると、AI関連の論文数は中国が1位(38・1万本)で、米(32・7万本)、英(9・7万本)と続く。また、17年時点で中国のAI関連の特許数は、世界の22%を占めているという(中国工業情報化部・下段グラフも参照)。

 資金調達面でもすでにアメリカを抜き去っている。17年の中国AI関連企業の資金調達額は世界総額152億ドルのうち、中国が48%を占めて首位に立ち、米国(38%)を大きく引き離した(米調査会社CBインサイツ調べ)。世界のユニコーン企業(評価額10億ドル以上の未上場ベンチャー)のトップ10(17年度)のうち、中国企業が4社ランクインしているが、世界2位のライドシェア「滴滴出行」の企業価値は560億ドル(約6・2兆円)で、ソニーの時価総額とほぼ同じとなる。ユニコーン企業は現在、17年時点で中国に164社もあるが、フィンテックやAIを活用したサービスを取り扱う企業が目立つ(中国科学技術部)。

 中国ITトップ3のBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)もAIやロボティクス分野への投資を加速させ、中国だけでなくアメリカ企業への買収を加速させている。BAT3社の合計時価総額は120兆円に達して、アメリカのGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)の350兆円には及ばないものの、10年後にはこの勢力図が塗り替えられている可能性も十分にある。

 日本を代表するAI分野のある研究者はこう証言する。

「国際的なAIに関する学会は、今や中国が最大勢力です。参加する研究者や企業、採択論文の数でも中国がトップになっている。抜き去られたアメリカはトランプ政権の誕生後、AI関連の研究費や予算が減少傾向にある。一方の中国のAI開発・研究は政府主導型で、大学や企業よりも政府系の研究機関が動いている印象があります」

 7月に“開戦”した米中貿易戦争で短期的には両者間の先行きが不安視されているが、米中はハイテク分野の覇権争いで互角の勝負を繰り広げており、長期的に見れば中国の優位性が勝ると予想する向きも多い。

交通違反をすると深セン警察とお友達に

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