>   >   > ニッポンを救うCDOに求められる条件
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クロサカタツヤのネオ・ビジネス・マイニング』第55回

【クロサカタツヤ×柿崎充】国も企業も困難な現代ニッポン、それを救うCDOに求められる条件とは?

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通信・放送、そしてIT業界で活躍する気鋭のコンサルタントが失われたマス・マーケットを探索し、新しいビジネスプランをご提案!

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●IT投資を行わない理由
出典:平成29年3月 中小企業庁「中小企業・小規模事業者のIT利用の状況及び課題について」より

――GAFAのような、世界的IT企業だけでなく、UberやAirbnbといった新興ITサービスが世界中を席巻し、既存のアナログ業界は大慌て。じゃあ、一体全体どうやってIT企業と戦うのかというと、実のところノープラン。せめて、ITをちゃんと導入して、ITを社員がちゃんと使って、生産性とか顧客満足度とか高めてくれればいいのに、それもさっぱり。なにゆえ日本は、かくも「IT」が苦手なのか? どうしたらそれを克服できるのか?

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「Sansan」は、松重豊がハの字眉毛で「早く言ってよ~」と嘆くCMでもおなじみだ。

クロサカ しばしばテーマにしているデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)ですが、主に「どうして日本では一向に進まないのか?」という、ネガティブな面が論点になります。そこで、クラウドサービスの普及はもとより、一般社団法人CDO Club Japan【1】の事務局マネージャーとしてもご活躍の、Sansan株式会社【2】の柿崎充さんをお招きしました。そもそも、DXってなんでしょうか。

柿崎 私はよく、2つの視点からお話しします。ひとつは、いま何が起きているのかという点です。GAFA【3】BAT【4】と呼ばれる巨大デジタル企業が、既存のアナログビジネスに押し寄せて来ています。そこで、アメリカのゼネラル・エレクトロニック(GE)や日本のトヨタやセブン&アイといった企業が、デジタル企業に「破壊」されないための反撃する手段という視点。

 もうひとつは、DXの先に、最終的なビジネスの形がどうなるかという点から見た場合です。将来、すべてのビジネスは「お客さんが価値を感じたものにお金を支払う」という形になると考えています。例えば、GEは旅客機のエンジンを製造していますが、あれは売り切りやレンタルではなく、稼動(飛行距離)に応じて料金を支払うというモデルです。そのためには、センサーによってありとあらゆるデータを取り、集計する必要があります。そうしたビジネスの実現に向けて変革するのがDXなんです。

クロサカ これまで非デジタル領域でビジネスをしてきた企業が、GAFAのようなデジタル企業に対抗して自分たちの価値を再定義して、最終利用者や影響を受ける人に提示し、理解してもらうための手段を考える。一方でデジタルは、新しい価値を届けるための手段である、というより「手段でしかない」ということですね。

柿崎 アメリカや中国のほうがだいぶ早く進んでいて、わかりやすいのがフィンテックです。実は、フィンテックを始めたのは、リーマンショックによって金融機関でリストラされた人たちでした。また、既存の金融機関はDXで対抗しないと、すなわちフィンテックを導入しないと潰れかねないという状況でもありました。それに比べると日本の金融機関は傷が浅かったので、対抗する危機感や必要性がそもそもなくて、ここ数年でやっとメガバンクがデジタル化の専門機関を設けて取り組み始めたという状況です。

クロサカ リーマンショックは、ちょうど10年前でした。金融サービスを徹底的にデジタルの力によって、利用者視点で新たに作り替えたのが、フィンテック。それだけでなく、リストラされた人たちの「敗者復活」というモチベーションもあり、今花開いた。10年前から推進してきたアメリカとの差はかなり大きなものです。

柿崎 確かに、日本はなんでも10年遅れなんですよね。LinuxなどのOSSの導入も、クラウドの導入も。例えばMUFGがAWS【5】の全面移行という、日本におけるクラウド発展の契機となった出来事がありましたが、これもやっと2017年になってから。でも10年前にクラウドがなかったわけではない。

クロサカ いち早く海外のトレンドを日本に持ってくるタイムマシン経営が、ひと頃はもてはやされました。ただ、海外との時間差がどんどん短くなってきて、最近はあまり取り上げられなくなりました。それなのに、大企業はなんで今だに10年も遅れるんでしょうか。

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