>   >   > 常識を覆した【ディズニー】
第1特集
元“中の人”が語るディズニー映画

大人の娯楽となったアニメーション――常識を覆した『白雪姫』、タブー破りのディズニー映画

+お気に入りに追加

映画本編では謳われていない社会的メッセージが潜んでいることで広く知られるディズニー映画。本稿では、アメリカを拠点に活躍し、過去にディズニー・スタジオにて勤務していたキャリアを持つ、アーロン・ウルフォーク監督に、ディズニー映画のタブーと、昨今の映画業界への苦言、そして可能性を聞く。

1712_02_disney_300.jpg
ウルフォーク監督が「ディズニーがもっともタブーに挑んだ映画」として挙げた『白雪姫』。これまでの映画の固定観念を取り払うことによって、新たな試みを生み出す大きなきっかけとなった。

「ディズニーに対して不満は、ほとんどない。しかし、ハリウッドにはたくさんある」――ディズニーとハリウッド映画についてそう語るのは、日本を舞台にした映画『The Harimaya Bridge はりまや橋』(09年)を手がけたアーロン・ウルフォーク監督である。彼は監督デビュー以前に、ディズニー・ライティング・フェロー(研究職)として1年間、ウォルト・ディズニー・スタジオ/ABCエンターテインメントで勤務した経歴を持つ。そんなウルフォーク監督に、タブーに挑んだディズニー映画、そしてハリウッド映画の現在について話を聞いた。

「公開当初、人々はアニメを長編の映画にするなんて、ウォルト・ディズニーは馬鹿げている、そして失敗するとも思っていた」

 ディズニー初の長編アニメ映画となる『白雪姫』(37年)を、歴代作品の中で、もっともタブーに挑んだとウルフォーク監督は評す。それまでディズニーが制作していたのは、短編のアニメーションばかりであったが、『白雪姫』の歴史的な成功で、ディズニーは映画界を代表する大企業にまで発展した。「ディズニーは映画ビジネスとアニメの表現方法の両方を変え、現代の映画作りにも大きな影響を及ぼした。そんな当時の慣習を打ち破ったことで、アニメ映画が子どもだけのものじゃないことを証明した」と監督は続ける。

「古典やアニメ、ファミリー向けの活劇映画を作るウォルト・ディズニー・ピクチャーズ、成人向け映画を制作するタッチストーン・ピクチャーズやミラマックス……これらはディズニー傘下だから、それも踏まえてタブー破りの映画を探そうとすると、頭が痛くなってしまうね(笑)。とはいえ、完全ディズニー制作ではないが、彼らが配給し、後に会社を買収した、ピクサーの『トイ・ストーリー』三部作も、『白雪姫』同様、大人が楽しめる映画だ」

 幅広い年齢層に支持された『トイ・ストーリー』だが、こうしたディズニー映画の脚本執筆には、一定の縛りやルールは存在するのだろうか?

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...
この記事を購入※この記事だけを読みたい場合、noteから購入できます。

Recommended by logly
サイゾープレミア

2018年5月号

ウェブ(禁)新論

ウェブ(禁)新論
    • 【ウェブ編集vs雑誌編集】討論会
    • 【ジャニーズ】動画ビジネスの是非
    • 【元NMB・高野祐衣】が美ボディ披露
    • 動画配信サービスと【JKの本音】
    • 【72歳】のユーチューバーが登場
    • 【Creepy Nuts】がヒップホップ動画を斬る
    • アジア人ラッパーがバズる【88rising】
    • 【88rising】の気鋭アーティスト6選
    • 大手企業が群がる【eスポーツ】
    • 【学者vs業界団体】がガチバトル
    • 検閲とエロの【中国ウェブ文化】
    • 【ライブチャット】が流行る中国
    • スラムと【マフィアとグロ動画】
    • 【Amazon】がテレビ局になる日
    • 【インド市場】で動画配信戦争が勃発
    • 【民泊利権】に群がる宿泊&住宅サイト
    • ネット配信が【AV】に与えた影響
    • 【配信専属AV女優】は何を思う?

マンガで学ぶ「(裏)社会学」

マンガで学ぶ「(裏)社会学」
    • 【実際のヤクザ】に聞いた下半身事情
    • 【ヲタめし】ハロプロヲタのライブ後

華村あすか、19歳のプライベートセクシー

華村あすか、19歳のプライベートセクシー
    • 【華村あすか】クダモノとカラミます。

NEWS SOURCE

インタビュー

    • 【橋本乃依】芸能界1年生が描く青写真
    • 【想田和弘】「観察映画」に託した未来
    • 【桜井莉菜】35歳現役ギャルモデルの提言
    • 【DJ CHARI&DJ TATSUKI】最先端ヒップホップの形

連載

    • 【アンジェラ芽衣】けっこう根暗なんです。
    • 【宮下かな子】森田童子にゾクゾク
    • 【冨手麻妙】映画界に愛された女優の身体
    • 密かに好成績を残した剣の貴公子
    • 【由美子】の夢は夜ひらく
    • 行政法研究者が語る日本の行方
    • 高須基仁の「全摘」
    • 【品川ヒロシ】が夜通し語る映画愛
    • 継続危機と対峙する【秋田の伝統祭】
    • 哲学者・萱野稔人の「"超"哲学入門」
    • 【XXX Tentacion】SNS厄介者たちの続く伝説
    • 【元スパイ襲撃被害】スパイによる本当の諜報活動
    • ナチスの【優生学】が投げかけるもの
    • 町山智浩の「映画でわかるアメリカがわかる」/『サバービコン』
    • 実話を元に描かれた【映画でわかる】社会の病巣
    • 小原真史の「写真時評」
    • 「念力事報」/森友ふたたび
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ研究所」
    • 女はなぜ皆【星野源】を欲するのか?
    • 俺と伝説のラッパーたちとの交遊録
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 幽霊、文化系連合赤軍な雑誌の終焉。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』