>   > 【福永未来】万引き依存症、地獄の苦しみと救済
インタビュー
虐待、逮捕、離婚…それでも万引きをやめられなかった

【福永未来】14年で万引き6000回――。「私は損をしている」から見える“現代の肖像”

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――刑務所での拘禁生活中に出版社へ50通の手紙を送り、書籍化が実現したクレプトマニア(窃盗癖)の女の手記が語りかけるものとは?

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(写真/河西 遼)

 初めて逮捕されたのは、22歳のとき。奇しくもその日は結婚記念日で、妊娠6カ月目に入ったところだった。体調不良で会社を早退し、近くのショッピングモールでブーツ2足を万引きした。翌日から結婚1周年記念の旅行だったから、どうしてもブーツが欲しかった。

「当時の夫に頼めば、2万円くらいのブーツなら買ってくれたと思うんです。でも、それじゃマイナスになるって思って……。2万円分万引きするとプラスになって、何の価値もない自分の中で計算が合うような感覚があったんです」

『万引き女子〈未来〉の生活と意見』の著者、福永未来が初めて盗みの味を覚えたのは、小学校2年生のときだった。その後、中学時代に友達と始めた万引きは生活の一部となり、そのまま26歳まで「万引きの虫」に取り憑かれた生活は続く。

 14年で万引き6000回、前科3犯――。目の前に座る、真っ赤なスカートが似合う色白の彼女からは想像しがたいプロフィール。

「万引きって、就職したり、結婚したりするとフツーの人は卒業しますよね。私の周りもそうでした。でも自分だけ20歳過ぎても“万引き期”が終わらなかった。ほぼ毎日万引きをしていた時期もあります。なぜ? って考えたんですけど、自分はすべてにおいて『損をしている』って思ってたんです。あの子よりも損してる、あんな親だから損してる、あれもこれも買ってもらえなかった、損してるから取り戻したい……わかりませんよね、こんな感覚(笑)」

 闇を抱えた理由は、母親からの虐待。小学生の頃から、機嫌が悪いと血が出るほど殴られた。姉は慰めてくれず、父親からも性的な悪戯をされ続けた。学校でも居場所を見つけられず、万引きだけが自分を満たしてくれた。自分の部屋に戻って、戦利品の化粧品やアクセサリーを並べて眺める瞬間が救いだった。

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