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連載
『林賢一の「ライク・ア・トーキングストーン」』【29】

話し言葉と書き言葉、どちらも【菊地成孔】流。ミュージシャンと文筆家、2つの顔が交差するトークショー

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――元放送作家で、現在は脚本家として心機一転活動する林賢一が、生のトーク現場に裸一貫突入! 事務所の大看板・古舘伊知郎を始めとした先達たちが繰り広げるトークライブをレポートする。

菊地成孔 名越康文 対談&ミニ・ライブ
『音楽と変身』
ココロノコトワリvol.7

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人物:菊地成孔 日時場所:2017年8月21日 @晴れたら空に豆まいて
ジャズ・ミュージシャンでありながら、映画・服飾など幅広い著書を持つ文筆家でもある菊地成孔氏。彼の超口語体に惹かれる筆者が、その生身のトークを体験してきた。


 ジャズ・ミュージシャンでありながら、饒舌文体を紡ぎ出す菊地成孔。もしかしたら映画批評家として、彼を知った人も多いのではないだろうか。最近ではウェブサイト「リアルサウンド映画部」の連載にて、昨年の話題作『ラ・ラ・ランド』を【世界中を敵に回す覚悟で平然と言うが、こんなもん全然大したことないね】といったタイトルで評し(最近、垣内出版から出た映画批評書『菊地成孔の欧米休憩タイム』で読めます)、その誠実なディスっぷりに筆者は大いに同意した。

 菊地さんの映画評が注目を集めるのは、もちろんその鋭い指摘もあるが、もうひとつには彼の文体が魅力的であることだ。超口語体ともいうべき流れるような文体は、ドラッグ体験のようにループ読みしたくなる中毒性を持っている。具体的には、読点が連発されてひとつの文章が適度に持続するのが気持ち良い。そんな菊地さんの文章に対し、トークではどんな文体を持っているのだろうか? 生身の菊地さんは流れるような文体のまま喋るのだろうか? 彼のトークイベントに参加して、話し言葉(パロール)/書く(エクリチュール)について考えてみたい。

今回、菊地さんの対談相手は精神科医・名越康文さん。トークテーマは「音楽と変身」で、2人ともリラックスした感じでトークが始まり、特に菊地さんは「今日、適当にふざけすぎ」と自身のトークにツッコミながら「音楽と変身」について思いつくままに喋ってゆく。

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