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ドローン戦争における思考実験を描く問題作をプロデュース

【ジェド・ ドハティ】戦争は現場でも、遠く離れた地でも起きている――ドローン戦争の実態を描く問題作、日本上陸

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――複数の人間の命を救うために、一人の人間を犠牲にする選択は正しいか? 一頃流行ったそんな思考実験を地で行く映画『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』のプロデューサーに、その狙いを尋ねた。

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(写真/永峰拓也)

 攻撃予定の変更を即断できず、政治家たちが他所に根拠を求めて右往左往し、軍人はそれに振り回される──。『シン・ゴジラ』の話ではない。英国発の新しき戦争映画『アイ・イン・ザ・スカイ』の話だ。

 イスラム過激派組織に属するイギリス国籍のテロリストを、追い続けてきた英国軍諜報機関。ターゲットと米国籍のテロリストがナイロビに入り、自爆テロを起こそうとする動きを把握したイギリス軍は、米軍と連携してドローン兵器による攻撃を決定する。パウエル大佐(ヘレン・ミレン)は、このタイミングを逃すわけにはいかないと考えている。だが攻撃の直前、ターゲットが潜伏する民家の脇で、少女がパンを売っているのを操縦士が発見。攻撃の中止と再検討を要請する。テロ被害を防ぐために、少女を見殺しにすることは“正義”なのか──? ギャヴィン・フッド監督(『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』ほか)最新作となる本作のプロデュースに名を連ねるのは、俳優コリン・ファースと、元ソニー・ミュージックUK CEOジェド・ドハティ氏だ。

「電話やコンピューターでこれだけ世界中がつながっている今、戦争はこうやって行われ、こうして大切な決断が下されているという現実を描きたかった。今は、ターゲットを何カ月も何年も追い、その上で攻撃し、死体を確認するところまでやらなければなりません。長年同じ人物を追っていると、人物像や家族なども知ることになり、単なる“敵”よりも心理的な距離感が近づいてしまう。その分、兵士たちの負担は高まっています。

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