>   >   > アップル卒業生が語る、インターネットへの期待
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『クロサカタツヤのネオ・ビジネス・マイニング』第22回

「アップル卒業生が語る、インターネットへの期待とその中にあるビジネスの芽」

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通信・放送、そしてIT業界で活躍する気鋭のコンサルタントが失われたマス・マーケットを探索し、新しいビジネスプランをご提案!

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属性別インターネット利用率および利用頻度(出典:総務省「平成25年通信利用動向調査」)↑画像をクリックすると拡大します。

――日本にも起業文化が徐々に定着し、起業を目指す人やベンチャー企業が増加。日々のニュースでベンチャー企業や起業家の話題に触れることも多くなった。その中でも最近、注目を集めているのが「ハードウェア」を商品とする、いわゆるメーカーのベンチャー起業だ。3Dプリンタが低価格になったり、日本から中国の工場へ発注しやすい環境が整ったりといった背景があり、設立したてのベンチャーがいきなりオリジナル製品を発売することも珍しくなくなってきた。今回、登場する梶原健司さんもそんなハード系起業家のひとり。ジョブズに憧れてアップルに入社し、ジョブズの言葉によってアップルを辞めたという梶原さん。ブロガーとしての活動と起業経験から見た、今の日本でビジネスを起こすことの意義と意味についてうかがった。

クロサカ まずは「まごチャンネル」【1】のローンチおめでとうございます。Makuake【2】で販売の先行予約を募って、公開から1時間で目標達成。すごいですね。

梶原 ありがとうございます。予想以上の反響でうれしいと同時に、2年間ずっと温めていたサービスなので、ひとまずほっとしています。

クロサカ ローンチにクラウドファンディングを使った理由って、何かあるんですか?

梶原 サービスの一部としてハードウェアを製造するので、その資金が必要だというのもありますが、やはり出荷までに時間がまだかかるので、サービスをさらに磨いていくためフィードバックが欲しかったのが大きいです。

クロサカ アップル・ジャパンを辞めた後の「まごチャンネル」がMakuakeからリリースというのは、筋が通っていそうにも思えるし、山あり谷ありというような気もします。改めてアップルを辞めた理由から教えてください。

梶原 新卒から12年間勤めてきて、ある時、このままアップルで頑張るか、別の道を行くのか、きちんと考えたくなったんですね。もちろんアップルは会社としても、一緒に働く仲間も、製品も、どれも大好きでしたが、そうした思いが積み重なり、11年の震災もひとつのきっかけで辞めました。

クロサカ 僕も会社を辞めて独立したのが32歳でした。

梶原 僕は辞める時に、特に自分がやりたいことがあったわけではないんです。だから、辞めてからは、自分が何をしたいのか、しばらく模索する期間に充てました。

 アップルにいた頃は、忙しくてそんな時間はなかったので、いろんな時間を持ちたかった。ブログを始めたのも、「毎日更新する」と決めて始めましたが、すぐに書くことがなくなって。だから、自分の内面を深く細かく観察するようになるんです。そうすると「自分は、こんなことを考えていたのか」ということが出てきて、いくらでも書けたんです。

クロサカ それはちょっとした修行ですね。

梶原 友達が拡散してくれたこともあり、最初に書いた記事がバズって著名人とも接点ができました。例えばLINEの田端信太郎さんや、佐々木俊尚さんと面識を持てました。まさにバズった最初の記事のテーマが「この先、貨幣の価値が下がって、人とのつながりがもっと大事になるんじゃないか」というものでした。

クロサカ “関係性の価値”というのは社会学などで、以前から言われていることですが、意味合いが変わりつつありますよね。前々回の連載で佐々木さんと対談したんですが、その時に「お金はこの先も必要だけど、お金の価値や稼ぐことに対して、どういうオポチュニティを持てるのかが大事」というお話をしました。

梶原 はい、「お金では交換できないもの」ということで、つながりや関係性が、もっと面白いものになると思う。

クロサカ インターネットは、もっとそのつながりや関係性の価値を広げてくれる可能性があった。だけど、今のネットは、ちょっと違った方向に行ってしまった気がする。かといって、既存のアプローチを続ける限り、メディアや企業は弱くなる一方です。だから、今のネットには、スゴい欠乏感がある。人とのつながりって、もっと大事なのに、そのつながりを大切にしてくれるプロダクトやサービスが全然ない……。

梶原 ハイプ・サイクル【3】のようにネットへの期待値はグッと上がってから、一気に落ちてしまい、今は幻滅期と捉えることもできます。でも、ネットにはまだまだポテンシャルがあるし、同じように期待している人はたくさんいる。そこから何かが出てくるはず。例えば、ブログを書いていて実感したのが、日本全国だけでなく世界中から読みにきてくれていること。今さらですが、こうした「つながりの可能性」に、スゴい時代にいることを再確認しました。

 あと、15年以上前に『ウルティマオンライン』【4】というゲームにハマっていた頃、オフ会に行くと年齢は10代から60代まで、住所も職業もバラバラな人たちが集まっていました。その頃、SNSなんかなくて、ネットを使っての交流はまだマイナーだった。でも、人々のマインドセットが変わってきて、普通の人もSNSやソシャゲを当たり前に利用するようになりました。

クロサカ そういう「場を温めるチカラ」って、ネットは本当にスゴいんですよね。いろんなサービスとかが積み重なってきた結果、多くの人が「場」に乗っかれるようになった。

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