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町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第11回

瀕死のハリウッドからバカ映画が消える日

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【今月の映画】

『WALL・E/ウォーリー』
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人類がゴミだらけの地球を捨て、巨大移民船で外宇宙に旅立ってから700年後の29世紀。ひとりぼっちのゴミ処理ロボット・ウォーリー(♂)は、ある日、ピカピカの最新型ロボット・イヴ(♀)と出会う。ここで彼女を逃したら、一生恋はできないと、ウォーリーはロケットにしがみついて宇宙を飛び、そこで変わり果てた人類と直面する......。
監督・脚本/アンドリュー・スタントン 声の出演/ベン・バート、シガニー・ウィーバー、ジェフ・ガーリンほか 配給/ウォルト ディズニー スタジオ モーション ピクチャーズ ジャパン
アメリカでは6月公開、日本では12月より日比谷スカラ座他全国ロードショー

 ピクサーの新作アニメ『WALL・E/ウォーリー』が、今年のアカデミー作品賞候補と言われている。最優秀アニメではなくて「作品賞」だ。巨大産業による環境破壊、消費文明による人間の退化などリアルな問題を告発した傑作とはいえ、アニメが作品賞候補と噂されるのは異常な事態だ(アカデミー会員の6割は俳優だ)。しかし、しょうがない。賞に値する映画がほかにないのだから。

 アメリカ映画はここ数年、アメコミやアニメ、テレビ番組、過去のヒット作や外国映画のリメイクばかりになり、オリジナリティとクオリティは史上最低レベルに落ち込んでいる。今年も半分以上過ぎているのに、価値のあるテーマを持つ品質の高い映画は『ウォーリー』だけだ。

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