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雨宮純の「現代怪事廻説」【1】

〈怪事No-01〉神真都Q 台頭の背景

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インターネットに蔓延り、人々を惑わす幾多の陰謀論の正体を、怪事解明ライターが紐解く――。

神真都Q年表

2021年10月……陰謀論インフルエンサーのフォロワーをまとめる「大和Q」という呼称が発生。

11月……大和15万人覚醒プロジェクト発足。神真都Q教義のベースとなる。

12月……「神真都覚醒・神真都共和国建国宣言」が行われ、1月9日のデモの呼びかけが始まる。

2022年1月……第1回神真都Qデモが全国で実施される。東京では1000人を超える人が集まる。またコミューン計画も発表される。

3月……会員制度(入会金900円、年会費3600円)と共にワクチン会場襲撃が始まる。

4月……ワクチン会場襲撃により逮捕・起訴者が発生。リーダーであるイチベイも含まれる。

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(絵/沖真秀)

2022年4月7日、都内のワクチン接種会場に抗議のため侵入したとして、反ワクチン団体「神真都Q」のメンバー4人が逮捕された。これをきっかけに各メディアでこの団体に関する報道が盛んに行われ、そもそも初見では読めないネーミング、全都道府県にLINEオープンチャットを開設してデモを行えるほど巨大化していたこと、そして「エデン村興し」と称したコミューン移住計画を進めていたことなど、「反ワクチン団体」という響きから想像される姿とは大きく異なる活動内容は人々の度肝を抜いた。筆者は今年1月9日に行われた第1回デモの企画時点から注目しており、本連載の初回ではこの神真都Qについて解説したい。

神真都Qを一言で表すと、「陰謀論インフルエンサーの下で『光の戦士』を自称し、デモやビラの大量送付といった反ワクチン活動を行っている中高年の集団」である。東京で千人規模、地方でも百人規模のデモを成功させている神真都Qは、全国に展開しているオープンチャットへの参加人数を合計すると1万人を超え、反ワクチン団体の中でも圧倒的な規模を誇っている。

その母体となっているのは、甲、甲兄、イチベイ、JOSTARといった陰謀論インフルエンサーのフォロワーたちである。新型コロナ禍と共にSNSやYouTubeでは陰謀論が流行するようになり、多数のフォロワーを抱えるインフルエンサーが現れた。特に「ワクチンは毒で、人口削減計画の一環である」「ワクチンにはマイクロチップが入っている」といった反ワクチン陰謀論が出回り、反ワクチン運動と陰謀論が密接な関係を持つこととなった。

神真都Qの特徴は反ワクチン団体の中でも圧倒的に陰謀論色が強いことで、陰謀論で集めたフォロワーを母体に、地方にも活動拠点を広げることで急速に勢力を拡大した。

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