『違和感』(扶桑社)
ここまで強気な姿勢を見せる裏には、いったい何があったのか。
爆笑問題の太田光が、「週刊新潮」(新潮社)に、日大芸術学部に裏口入学したとの虚偽記事を掲載され、名誉を毀損されたとして、発行元の新潮社に約3,300万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めた訴訟の第1回口頭弁論が10月9日、東京地裁(沖中康人裁判長)で開かれ、新潮社は請求棄却を求めた。
「訴状では『記事の内容は全くの事実無根で、タレント活動に支障をきたす』と主張。慰謝料1,000万円と、中吊り広告に爆笑問題の写真を掲載したことがパブリシティー権の侵害に当たり、2,000万円の損害が生じたと主張しています。太田側の弁護士は『太田さんからは徹底的に闘ってほしいと言われた』と話しており、和解に向かう空気はありません」(芸能記者)
こうした太田サイドの態度には理由があるようだ。出版関係者が明かす。
「太田の所属事務所『タイタン』には、作家の辻仁成氏も名を連ねています。当然、辻氏は出版関係者とのパイプを持っており、そのルートから『新潮』のネタ元が信頼できないかなり“怪しい人物”であることを突き止めたといいます。その話が太田サイドに伝わり、絶対に勝てると踏んだのでしょう。実際、新潮サイドは完全に白旗を上げているといい、裁判が進めばいい加減なネタ元を信じて記事にしたことがバレ、かなりマズいことになるかもしれません」
新潮社といえば、LGBTを論じた寄稿文に批判が集まり、月刊誌「新潮45」が休刊になったばかり。寄稿する作家や学者、翻訳者たちが次々と「絶縁宣言」を突きつけ、同社の本を扱わない書店が続出する事態となっているだけに、加えて太田裁判に敗訴すれば、さらなる信用失墜となりそうだ。