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原作の魅力を音楽で増幅させる!

【Ken Arai】――音楽制作に”規制”はない! アニメ『寄生獣』の音楽を手がける鬼才

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――数多のアーティストの楽曲を手がけ、人気ドラマの劇中音楽まで幅広くこなす音楽プロデューサーが本領を発揮した、青春マンガへの敬意

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(写真/オノツトム)

 音楽誌『GROOVE』(リットーミュージック)にて連載されていたアマチュアからのデモテープ募集枠「Demo de GROOVE」というコーナー。およそ15年前、そのコーナーにて編集部一同が絶賛し、同誌付録のCDにまで楽曲が収録されたのが、本稿の主役であるKen Araiがアマチュア時代に結成したユニット、transluvの「Crazy Enough」という楽曲だった。インターネットがまだ主流ではなかったその時代において、「CDに収録されるということは、まるでメジャーデビューをしたような感覚だった」と振り返るKen Arai。

 その収録をきっかけにtransluvは03年にデビューを飾り、以後彼はソロ活動も並行し、〈eighteen degrees.〉や〈a la i.〉名義でアーティストのプロデュース、自身名義の作品を世に送り出してきた。そんな彼が注目を集めたのは、12年に放送されたドラマ『鍵のかかった部屋』、そして昨年の『失恋ショコラティエ』(共にフジテレビ)のサントラを担当したこと。もちろん、劇中でもその楽曲は流れるわけで、ドラマの劇中音楽は得てしてシーンを盛り立てる一種のスパイスとして機能するものだが、ダンスミュージックを得意とする彼の手がけた楽曲は、ドラマのストーリー以上に視聴者の耳を刺激した。

 知る人ぞ知る存在から、名うての音楽プロデューサーへ──快調に駒を進める彼が次に挑んだ音楽は、アニメ。劇場版の公開も話題となっている『寄生獣』のアニメ版『寄生獣 セイの格率』こそが、次なる飛躍に用意された舞台だ。「原作が同じでも、映画とアニメは別物。戦いではないけれども、どうせなら僕の音楽が見る者の印象に残ってほしい」、そう語る野心家に話を聞いた。

──どのような経緯で音楽を担当することに?

Ken Arai(以下、Arai) 「日本でEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)に強く、安心して仕事をできる人を探している」という話をもらい、僕に白羽の矢が立った形です。これまでにアーティストのプロデュースやドラマ音楽はやってきたので、ノウハウはあり、かつサウンドの要望がEDMという自分の得意分野でもあったので、アニメ音楽に挑戦しようと思いました。

──原作の『寄生獣』がある種、神格化されているせいか、「声優のイメージが一致していない」「実写にするな」「駄作のにおい」など、映画・アニメ共に酷評が先行していましたが、制作に影響は?

Arai 僕も原作が大好きなので、原作が好きな人たちは各々脳内イメージが出来上がっていると思うんです。実写だったら主役の泉新一役は誰々、アニメのミギーの声は誰々……ネットの声は耳にしていましたが、制作に影響はなかったです。世の中、愛着があるものに対しては、得てしてそういった声が集まると思いますし。原作の根底そのものは変わっていないし、原作へのリスペクトは、随所から感じ取れると思いますよ。

──実際に劇中音楽を聴いてわかったことですが、非常に『寄生獣』の世界観に合致するサウンドだと感じました。EDMというエッジの効いた現代のサウンドと融合は、時代すら超越してしまったなと。

Arai 大人になってから原作を読み返してみると、もっと深いテーマがあったことに気づかされたんですよね。なので、ただ純粋にかっこいい音楽を作るのではなく、人間の心がヒリヒリするような音楽を制作することに重きを置きました。「音楽が原作を台なしにしている」とは言われたくないですからね。ありがたいことに曲を制作する上で規制はなかったんですが、原作を知っている人にだけわかる音楽を作ってもダメだと思ったんです。初めて『寄生獣』を知る人にも、原作の良さ、そして音楽の良さを伝えるのが僕の仕事ですから。アニメそのものはもちろんですが、劇中の音楽も楽しんでほしいですね。

(文/編集部)

Ken Arai(けん・あらい)
2003年にボーカルのKaori Okanoとtransluvとしてデビュー。以降、KAT-TUNやMAX、西野カナ、野宮真貴などの楽曲をプロデュース。『鍵のかかった部屋』や『失恋ショコラティエ』などのドラマ音楽も手がけ、自身の作品としては6枚のオリジナルアルバムも発表している。

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『寄生獣 セイの格率』
10月8日より日本テレビ系にてスタートした、岩明均原作のマンガ『寄生獣』のアニメ(毎週水曜日25時29分~)。Ken Araiはアニメの劇中音楽を担当している。オフィシャルサイト〈http://www.ntv.co.jp/kiseiju/

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