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【premium限定連載】芸能評論家・二田一比古の芸能ゴシップ今昔物語

植毛費用は経費ですか!? 坂東英二に見る芸能人と税金

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――数々の芸能スクープをモノにしてきた芸能評論家・二田一比古が、芸能ゴシップの“今昔物語”を語り尽くす!

「植毛費用は経費と思った」

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『天然 板東英二のゆでたまご伝説』(ワニブックス)

 さすがに坂東英二はタレントである。新聞の活字になりそうなコメントを用意していた。昨年12月、名古屋国税局から架空外注費5000万を含む約7500万の所得隠しを指摘され、全番組を降板。隠遁生活を余儀なくされていた坂東が10カ月ぶりに会見を開いた。「幼少期の極貧生活が理由」と涙を流したが、これだけの時間が経過した会見で涙はウソっぽく見えた。毅然とした態度で臨むほうが良かったと思う。もっとも、最近よく見る謝罪会見というより、復帰の為の会見と見る向きが強い。在阪の放送関係者によれば、「すでにラジオのレギュラー番組への復帰が決まっており、復帰の前に会見をするほうが無難と考えてのもの。ラジオで肩慣らしした後、大阪や名古屋などローカルのテレビで復帰を目論んでいる」という。さすが、したたかである。冒頭の植毛話を明かしたのもその表れだろう。

「実はタレント生活の約20年、植毛をしていた。カツラは経費で落ちると聞いていたので、ヅラがいいのだから植毛もいいだろうと思っていた。かなりの金額だった。」

 仮に事実としても植毛の経費だけで5000万を超える所得隠しになるだろうか。

 芸能人にとって髪の毛は死活問題。密かに植毛していると噂される人は少なくない。週替わりでカツラを変えていると噂される司会者から、「還暦過ぎても変わらない髪型は変」と指摘される歌手。「番組の収録中、カツラが取れてしまった二枚目俳優」など、巷の噂は尽きず、カツラと整形話、そして下ネタは居酒屋トークの定番として盛り上がる。綾小路きみまろのように「カツラです」とカミングアウトする人もいれば、薄い髪をそのまま生かしてトレードマークにした笑福亭鶴瓶もいる。いずれにしても、”髪は芸能人の命”。最近、多いのは確かに植毛らしい。特に、若くて薄毛で悩む人は早い段階で植毛していると聞く。確かに、本人が言わなければわからないほど最近の植毛技術は精巧にできている。植毛した旧知の歌手から話を聞いたことがある。「ドイツのメーカーで自分の髪の毛とほとんど同じ色、同じ艶の本物の髪を植えてくれるから、よく見てもわかりにくい。一回の植毛で費用は200~300万程度。あとは月に一度、専用美容室でカットするだけ。その費用も1万円ちょっと」というから、20年植毛を続けてもとても1000万もかかるとはとても思えない。事実、坂東は7500万のうち植毛費はいくらかと問われ、「いくらとは……」と口を濁していた。

 節税と脱税は違うが、少しでも節税したいのは誰もが思うこと。それは芸能人も然りだ。稼げば稼ぐほど節税対策は進む。もっとも多いのは芸能プロに所属しながら個人会社も作る方法。会社にして身内を役員にし、本人は給料という形でもらい、車などの経費を会社の負担にするやり方である。現在、休業中の矢口真理も個人会社を設立し、税金対策していた。「モー娘。時代、年収は3000万を超えるほど稼いでいた」(音楽関係者)というから驚きではあるが、10代で1000万円を超える金を稼ぐのだから、芸能界は金の魅力に満ちている。

 芸能人個人だと経費は限られている。衣装や化粧品などが主なものになるが、「服も化粧品もどこまでが経費なのかわかりにくい。結局、稼いだ金を税務署に持っていかれるなら、有効に使おうと、お店経営や不動産投資に使うことを考えてしまう。うまくいけば、さらに儲けることができる」(芸能関係者)

 欲を出した結果、経営や投資に失敗して逆に借金を抱えてしまう。そんな芸能人を何人も見てきた。その点、昔の芸能人はしっかりしていた。稼いだ時期に余計な金を使わず家や土地を買い、有効に使っていたのだ。世田谷地区に多くの芸能人が住んでいるのは、「沿線に砧など撮影所があったので通うのに便利」という理由からだった。今では土地は値上がり、芸能人の聖地になっている。

 今さら言うことでもないが、なにをやっても芸能界は戻ってこれる。例え麻薬など犯罪をした者でも、「暗黙のうちに長くて一年で戻れるのがシステム化している」(芸能関係者)

 まったくもって、いい世界である。一般社会では考えられない。それほど芸能界は魅力があるともいえる。

その魅力の一端が金。坂東のようにおしゃべりだけで金を稼げる。味をしめたら辞められないとも聞く。坂東はこまめに働いていた。決してトップを狙わず、仕事は質より量と、自ら仕事を取るためにマメに営業をしていた。結果、脱税したくなるほど稼いでいたのだろう。それにしても、中身のないお粗末な会見だった。

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