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あんなに蜜月だったのに…

甘利大臣と茂木大臣に冷戦勃発!? 新聞記者が見た官邸の”ウラ側”

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[座談会参加者]
A…全国紙政治部デスク
B…全国紙経済部若手記者
C…経済専門誌中堅記者
D…全国紙社会部若手記者

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『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎)

A 7月の参院選挙での自民党大勝から2カ月がたったけど、永田町と霞が関の雰囲気はどうだ?

B 官邸が「景気回復の実感を全国津々浦々まで行き渡らせて政権基盤を盤石にする」なんて言って張り切っちゃったから、役所も記者も夏休み返上で仕事をしてましたよ。特に財務省なんて、例年は11月下旬から始まる税制改正の議論を安倍晋三首相が前倒しして8月から始めたことに加えて、消費税増税の有識者ヒアリングなんかもあって、夏休みどころか週末も満足に休めない状態。特に参院選後に安倍首相が「財務省と心中するつもりはない」と消費税増税見送りに傾いているという話が駆けめぐったため、財務官僚が官邸や永田町を飛び回る姿が目立った。

C ある財務省幹部は「安倍首相は、日銀総裁人事でも“うち”が推した武藤敏郎・元事務次官を起用しなかったなど距離感がある。自分にメリットがあれば、平気で財務省を“抵抗勢力”に仕立てて消費税増税見送りで支持率を上げる考えだ」と警戒していました。安倍首相は、民主党とベッタリとなって消費税増税を決めた財務省の“裏切り”を忘れてはいないという見方も根強いです。

D そんな霞が関の緊迫した空気を無視して堂々と夏休み宣言をしてひんしゅくを買ったのは、原子力規制庁ですよ。7月31日の定例会見で田中俊一委員長が「来週はみんなで休みを取って、リフレッシュということに」と発言して、本当に休みを取った。平時ならいざ知らず、福島第一原発の汚染水の海洋流出問題が日増しに深刻化している時期だったので、規制庁の職員も「時期が悪すぎるよなあ」と微妙な表情を浮かべていました。

MEMO甘利大臣と茂木大臣
甘利明・経済再生担当大臣と、茂木敏充・経済産業大臣のこと。甘利大臣はいわゆるアベノミクス「3本の矢」の要とされる成長戦略やTPP参加交渉の責任者を務める「安倍政権の経済政策の司令塔」(政府関係者)。一方の茂木大臣は少々影が薄く……。

A さすが、「政治に影響を受けない独立性」を標榜する規制庁だけあるよなあ(笑)。

B それにしても汚染水の海洋流出問題に対する政府の反応は鈍かった。海外から「海洋汚染は大丈夫なのか」と反発の声が聞かれるようになったことで、8月7日になってようやく菅義偉官房長官が「国として一歩前に出る」と国費投入などを本格化させる構えを見せたけど、あまりにも遅きに失した感が強い。

D 同じ日に規制庁の池田克彦長官と資源エネルギー庁の上田隆之長官が会談して連携強化をアピールしたんですが、記者からは「一体何をやるんだ」としらけた声が多かったです。それというのも、今年4月にも規制庁の池田長官とエネ庁の高原一郎長官(当時)が会談して、福島第一原発のトラブルに対して「連携を取って政府一体で対策を取る」とぶち上げたものの、その後、目立った成果が一切なかったからです。その時は、規制庁サイドで「エネ庁に取り込まれないように気をつけろ」という意識が強すぎたようで、エネ庁の職員は「政府一体どころか、ろくにコミュニケーションも取れない」と嘆いていました。

首相の座を狙って互いに牽制し合い!?

A 原子力でいうと、東京電力による柏崎刈羽原発の再稼働に向けた安全審査の申請も問題になっているな。

B 新潟県の泉田裕彦知事が申請に難色を示していて、東電はにっちもさっちもいかなくなっている。これは、新潟県サイドへ事前の根回しを一切せずに東電の廣瀬直己社長が申請の意向を表明してしまったために、泉田知事が怒ったというのが真相。東電OBは「うちはそういう根回しが得意なはずなのにどうしたんだ。こんなところで事故前の体質が変わってどうする」って嘆いてた(苦笑)。

C 困り切った東電サイドは甘利明・経済再生担当大臣に泣きついたみたいで、7月30日に甘利大臣が泉田知事と会談して、説得に当たりました。エネルギー行政を所管する茂木敏充・経済産業大臣が東電を含む電力業界を突き放し続けているものだから、以前経産大臣をやっていたためパイプがあった甘利大臣を頼ったようです。甘利大臣も、周囲に「本当はオレの仕事じゃねえんだよな」とぼやいていたと聞きます。

A この頃永田町では、「甘利-茂木不仲説」が話題になったな。もともとはこの2人の親密ぶりは有名で、昨年12月の安倍政権発足後、茂木大臣が、当選回数も年齢もポストも上の甘利大臣に対して服従を誓ったとかって噂になったほどなんだけどな。

C 年末年始にかけて、経産省がネタ元と見られる成長戦略のニュースが相次いでスクープされたけど、その時茂木大臣が経産省の幹部を大臣室に呼びつけて、『甘利大臣に伝える前に情報が漏れたら、全部ゼロベースで見直しだからな!』と雷を落として、リーク好きの経産官僚をゾッとさせたとか(笑)。

B なのに7月30日朝の甘利-泉田会談後、茂木大臣は会見で「泉田知事との会談について、今朝の閣議前に甘利大臣から口頭で説明を受けた」などと、そっけない発言にとどめた。その後8月2日に行われた会見でも、「当事者間でしっかりと議論を進めていくことが必要だと認識している」といった態度で、「東電の話を聞くべし」という甘利大臣の指示を無視し続けた。

A 仲たがいの原因は「次期首相の椅子」だという指摘もある。もともと2人とも首相の座を狙っていることは知られているけど、麻生副総理が「安倍の次はオレ」という姿勢を打ち出していたから「自分たちの出番はまだ先」と、党内基盤が弱い者同士で同盟関係を築いていた。ところが7月末、麻生大臣の「ナチス発言」が大問題となって次の首相の座が危うくなってきたことで、甘利-茂木ラインの関係が微妙になってきたっていう見立てだ。ただ、政治の世界は一寸先は闇、まだまだこの先どうなるかわからないけどな。

C 一寸先は闇というと、TPP参加交渉も先行きが不透明ですよね。農協とか関係団体は「政府が交渉状況を明らかにしない!」って怒っていますけど。

B 他国から強く求められた「守秘義務」の件ね。あれには日本の交渉担当者も困っているようで、アメリカなど先行交渉参加国から、「今まで何年も交渉を続けてきたが、交渉状況をマスコミにスッパ抜かれることはこれまで一切なかった。日本参加後にスクープ報道が出るようなことがあれば、犯人はおのずとわかる。注意してもらいたい」ってかなり念を押されたようだよ(苦笑)。

C なので日本側は対策として、交渉全体の状況はTPP担当の甘利大臣や鶴岡公二首席交渉官などごく一部の幹部にしか知らされていないということです。末端の交渉担当者でさえ、自分がカバーする分野の交渉文書しか閲覧できないなど、厳しく管理されているみたいですね。

A 官僚得意のリークという必殺技が封じられたということか(笑)。

(文/四街道次郎)

甘利明・経済再生担当大臣(今年64歳)と、茂木敏充・経済産業大臣(今年58歳)との年齢差

6歳
■もともとは蜜月のはずなのに……
 茂木敏充・経済産業大臣は、甘利明・経済再生担当大臣に比べればスポットライトを浴びる場面も少なく、政府内部で「3A」と称される安倍首相、麻生太郎副総理兼財務大臣、そして甘利大臣の後方支援役を務める姿が目立っていた。TPP交渉でも華々しい本会合への参加は甘利大臣に任せ、茂木大臣は米国との2国間協議などを担当。グルメとして知られる茂木大臣が行きつけのレストランに甘利大臣を招いて意見交換を重ねる姿が目撃されているほか、携帯電話でも頻繁に連絡を取り合っていることで有名だったのだが……。

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