サイゾーpremium  > 連載  > 神保哲生×宮台真司「マル激 TALK ON DEMAND」  > 【連載】「マル激 TALK ON DEMAND」第71回
連載
神保哲生×宮台真司「マル激 TALK ON DEMAND」 第71回

原発報道を歪める広告代理店”電通”の手口

+お気に入りに追加

ビデオジャーナリストと社会学者が紡ぐ、ネットの新境地

1212_az_dentu.jpg
本間 龍氏の著書『電通と原発報道』

[今月のゲスト]
本間 龍(ほんま・りゅう)[著述家]

「マスメディアの報道は、スポンサーや広告代理店の圧力を受けている」。こうした言説によって指摘される「広告圧力」の問題は、ネットを中心に批判されてきた。ややもすると陰謀論に回収されてしまう同問題の実態とは? 自身も大手広告代理店の元社員であり、同問題に切り込んだ『電通と原発報道』の著者である本間龍氏に、話を聞いた。

神保 原発事故以降、マスメディアの信頼性が大きく揺らぐなかで、直近ではiPS細胞にまつわる読売新聞の誤報や、橋下徹大阪市長の批判記事をめぐる週刊朝日の謝罪騒動などがありました。この機会にメディアの問題――今回はとりわけ「広告圧力」をテーマに議論をしていきたいと思います。

 国民にとって重要な問題でも、そこにスポンサーが絡むと報じられなくなってしまうのはなぜなのか。まさに広告圧力の問題に切り込んだ『電通と原発報道』(亜紀書房)の著者で、元博報堂営業部に勤務されていた著述家の本間龍さんが、今回のゲストです。この本は、当然のようにマスメディアではまったく紹介されていませんが、それでも1万5000部以上、売れているとのことですね。

宮台 こうした本の内容を伝えないことで、かえってマスメディアの権威が失墜します。原発推進勢力が情報を隠蔽することで、原発行政への信頼を失墜させ、かえって原発推進を困難にすることに似ています。

本間 売れても取り上げられないのは、やはり電通と博報堂の名前が出てくるのが原因でしょう。「デンパク」という名前を出すことに対するメディアの自主規制は、強烈なものがあります。

神保 あらためて、この本を書こうと考えた経緯とは?

本間 3・11の原発事故以降、テレビを見ていて、まともな報道がないことを目の当たりにしました。インターネット上では「マスゴミ論」が展開されましたが、マスメディアが重要な問題を報じられない背後には広告代理店があり、その後ろにクライアントがあるという仕組みは、実はわかっているようでほとんど知られていません。「報道したくてもできない」という縛りの存在に触れ、そのカラクリを解説している本がほとんどなかったので、その体験者である自分が書かなければと考えました。

神保 原発事故をきっかけに私たち一般市民は、事故後の報道だけでなく、事故前の報道においても、原発について正しい情報が伝えられていなかったことを知りました。

宮台 マスメディアを通じて日本国民は、日本にしかないデタラメな神話を信じ込まされました。「絶対安全」神話であり、「全量再処理」神話ないし「いつかは回る核燃料サイクル」神話、「原発は安い」神話などです。これらはパーフェクトなデタラメであることがバレました。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2019年11月号

Netflix(禁)ガイド

Netflix(禁)ガイド
    • SNS時代の【アメリカ】動画
    • ケガしても【拡散希望】の狂気
    • 海外ポルノ界の【全裸監督】たち
    • 本家【全裸監督】の海外での評判は?
    • 【小林直己】ネトフリで世界進出
    • 世相を反映【ディストピアSF】傑作選
    • 【A-THUG】が推すドラッグ番組
    • 下品なだけじゃない【恋愛リアリティ番組】
    • 【恋愛リアリティ番組】一挙レビュー
    • 【みうらうみ】ネトフリドラマグラビア
    • ネトフリ人気作の【エロ依存度】
    • 【人気作6作】のエロシーン検証
    • 【奈良岡にこ】再生数アップのサムネ術
    • 【スタンダップコメディ】作品のトリセツ
    • 【スタンダップコメディアン】が語るAマッソ問題
    • 【クィア・アイ】と女言葉翻訳の問題
    • 【差別語】翻訳の難しさ
    • 配信で見返す【90年代ドラマ】
    • タブーな【民法ドラマ】6選

収監直前ラッパーD.Oの告白

収監直前ラッパーD.Oの告白
    • 【ラッパーD.O】悪党の美学

NEWS SOURCE

    • 【関電スキャンダル】3つのタブー
    • 【あいちトリエンナーレ】騒動の余波
    • 【浜崎あゆみ】ドラマ化と引退疑惑の真相

インタビュー

    • 【松本妃代】──実は踊れる演技派女優
    • 【FUJI TRILL】──モッシュを起こすヒップホップDJ
    • 【Neon Nonthana & Eco Skinny】──カップルの日常ラップ

連載

    • 表紙/福井セリナ「ポッと入ったんです。」
    • 【石田桃香】紫に包まれる肢体
    • 【真帆】がいるだけで
    • 【日本】で新しいことができないワケ
    • 【萱野稔人】宇宙生物学と脳の機能から見る人間(後)
    • 追悼【高須基仁】という男
    • 不要な【アレンジ】おもてなし魂
    • 【Lizzo】女性MCたちの一斉開花
    • 町山智浩/【ハスラーズ】ストリッパーの逆襲
    • 【アメリカに依存する】日本のサイバー戦争対策
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子「ドラッグ・フェミニズム」
    • 笹 公人「念力事報」/TOKIOの晩年
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ博物館」
    • 稲田豊史/【愛がなんだ】がヒットする日本のヤバさ
    • アッシュ・ハドソンの「アングラ見聞録」
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 元エンジニアが作る【古代クジラ】を冠したビール
    • 更科修一郎/幽霊、TVの国でキラキラの延長戦。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』