サイゾーpremium  > 連載  > 高須基仁の「わたしは貝になりたい」  > ビートたけしが過去の暴力団との交際を告白...
連載
高須基仁の暴言・放言・妄言録 私は貝になりたい 第72回

ビートたけしが過去の暴力団との交際を告白 これぞ傾奇者の究極だ

+お気に入りに追加

「しゃべるな!」と言われたことを、あちこちでしゃべりまくり、命まで狙われたこともあるというタカス。周囲から怒られる度に「貝になる」と誓うのだが、その放言癖はいまだ健在だ。

1111_takasu.jpg
写真は、09年に会食したときのツーショット。ところで「AERA」(朝日新聞出版)10月3日号に元経産官僚・古賀茂明氏の「日本はやくざ国家ですよ」という記事が載っていた。古賀氏の著書の売り上げは合わせて約80万部。税金で仕入れた情報を売って印税はすべて自分の懐に入れるなんて、あんたこそやくざだ!

 島田紳助の引退騒動後、ビートたけしは「週刊文春」(文藝春秋)や東京スポーツで自ら「暴力団との交際」を語るという方法に打って出た。

 10月1日、暴力団との交際を禁じる暴力団排除条例が東京都でも施行された。当局の芸能界への対処の方法には2つある。ひとつは、タレント個人を引退に追いやる紳助式の方法。もうひとつは、プロダクションごと取り締まる方法である。しかし、芸能界の歴史から見て、直接・間接含め、暴力団と付き合いのないプロダクションは基本的にない。100人芸能関係者がいたら、100人アウト。交通違反と同じ、当局に目を付けられた者が餌食だ。

 考えてみてほしい。普通に生きてきたら、人を商品として切り売りするプロダクション経営をしようとは思わないだろう。常識、道徳、倫理を逸脱し、世間から差別区別された者が集まって構成している世界、それが芸能界である。

 そこに入ってくる人間たちも、昔であれば不良少年、非行少女。時代を経て暴走族、チーマーと呼称を変えたが、何かしら問題を抱えている者ばかり。例えば片親、家庭内暴力、いじめ……。すねに傷を持つ人間だ。通常の家庭で育ったら芸能界に入ろうと思わないし、仮に入ったところで続かないだろう。

 すねに傷を持つ人間の集まりだからこそ、そこに付け入る暴力団とギブ・アンド・テイクが成り立つ。たけしは、「文春」で「やくざは、『何かあったら、言ってくれよ。俺が恥をかくから』って持ちかけてくるんだ。でも、オイラは絶対、頼まない」と言っていたが、そんなわけはない。フライデー襲撃事件のあと右翼に街宣活動をかけられ、ひとりで住吉連合会会長のところへ行って土下座をして謝ったと語っているが、土下座で解決するほど甘くはない。

 警察はジャーナリストが怖い。ジャーナリストはやくざが怖い。やくざは警察が怖い。このブヨブヨの連鎖の上に載っているのが芸能界。「ぼうふらが人を刺すよな蚊になるまでは、泥を噛み噛み浮き沈み」というように、タレントは泥水をすすって蚊になり、ひと刺しして死ぬ。世間は「来年は誰が生き残るかな」と刹那の命の生殺与奪を楽しむのだ。

 紳助55歳、たけし64歳。サラリーマンならもう窓際か定年だ。ここまでやれたのは稀有なこと。漫才時代の相方を見ろ。片方の相方は本当に死に、片方は業界的に死んでいる。普通なら、元パートナーとしてそうなる前に助けるが、他人を蹴落としても自分が上がらなければならない芸能人として、2人は手を差し伸べず生き延びた。もう延命する必要はないだろう。現に芸人としてはどちらも終わっている。だからこそ、カムアウトできた。

 紳助は、そもそも愚連隊だった。愚連隊がタレントになり、年を取って愚連隊に戻れないから、やくざに同化していく。これになんら不自然な点はない。

 一方、たけしには3つのプロテクトがあった。「世界のキタノ」というブランド、政治討論番組をやっているというブランド、BSでアート番組をやっているというブランドである。このブランドに守られているゆえのカムアウト。複数のブランドを抱える彼を、人は「天才」と呼ぶ。彼の変遷を見ると、天才とは「作られるもの」だとわかる。

 たけしは40代でバイク事故を起こし、生死をさまよった。私も40代でがんのため胃を取った。だから、その気持ちはよくわかる。済んでしまったことは仕方がない、先のことはわからない、だから今を全力で生きるしかない。あとは余生のようなものだから、常に刹那的。「傾奇者(かぶきもの)」としての究極である。

「文春」の告白は、過去の話ばかりで穴だらけ。だが、その矛盾こそが傾奇者ならではのカムアウトと言える。紳助が引退し、たけしが告白し、困るのは残ったやつらだ。

 国家はなぜ憲法違反スレスレの法でもって、芸能界すべてをひっくり返すようなことをするのだろうか。おそらく、不祥事を暴きおさめるという大義名分のもと、体よく警察OBが芸能関係の団体に天下るためではないか。八百長だ、賭博だと騒いだ大相撲も同じ。相撲協会には、野球賭博問題を受けて設置された調査委員会に元警視総監が入っている。紳助と、あともうひとりくらいはスケープゴートになるだろう。そして、来年の今ごろには騒動は収まり、従来と同じように暴力団との付き合いが続くだろう。

 私自身は、条例施行前も後も、何も変わらない。出版社社長として、人間への興味から今後もアウトローをウォッチしていくつもりだ!

高須基仁ブログ「"百花繚乱"独り言」 http://plaza.rakuten.co.jp/takasumotoji/

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2022年6・7月号

目指すはK-POP? ジャニーズ進化論

目指すはK-POP? ジャニーズ進化論
    • 音楽業界からの【賛辞と批判】
    • 【芸能プロ】的戦略が抱える2つの“矛盾”
    • 令和の【ジャニーズ・シングル】20選
    • 20年代のジャニーズ【ミュージックビデオ】

移ろいゆくウクライナ避難者

移ろいゆくウクライナ避難者
    • 移ろいゆく【ウクライナ】避難者

NEWS SOURCE

インタビュー

サイゾーパブリシティ