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今だから語れる"夢の舞台"マル秘話【3】

長距離・松野明美──「五輪は"恋愛"でした!」選ばれし者の恍惚、ここにあり!

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■松野明美(長距離)
【五輪出場記録】88年ソウル大会/予選9位(女子陸上1万m)

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いわく、「カール・ルイス選手を見に、選手村
のディスコに行ったけど、どの人かわからなかっ
た」なんてエピソードも。

 147㎝の小柄な体格で懸命に走る姿や、その独特のキャラクターで人気を博している松野明美さん。88年、日本女子として24年ぶりの1万mでソウル五輪に出場、結果は9位なるも、当時の日本記録を更新した。五輪の魅力を方々で熱く語る彼女。陸上を始めた当初から五輪への憧れは強く、 夢の舞台 だったというが、実際に立ったその舞台は、想像をはるかに超えていたそうだ。

「想像していた以上でしたね。高校のときからさまざまな大会に出ていたんですが、自分の中では、大会というものは、倒れるまで頑張って走る、それで自分が満足するためのものだった。でも五輪は、そんなものではなく、まったく予想と違いました。もうね、なんていうかね、特別なものだったんです、別格。あの独特の緊張感と高揚感は、他の大会では味わったことがない。トラックでは選手たちが地面を見つめて淡々とウォーミングアップをしているんですが、空気がピーンと張りつめててね、硬いんですよ。硬くて重くて、空気が吸えない。選手一人ひとりから立ち上る思いの強さや熱気が、あの 特別 としか言えない雰囲気を作り上げていたんでしょうね。今でも思い出すと鳥肌が立ちます」

 いざ競技が始まると、その思いはますます強くなる。1万mを走る間に、えも言われぬ恍惚とした幸福感が、松野さんを包んだそうだ。


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