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連載
辛酸なめ子のサバイバル女道 第1回

世界一の美女から、リッチな男をゲットするテクを学ぶ

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――世界同時不況の波が押し寄せ、将来に並々ならぬ不安を感じている、辛酸なめ子、30代独身。神様、仏様、守護霊様……いえ、もはや誰でも結構です、どなたかこの厳しい時代を生き抜く術を教え導いてくださいませんか?という彼女の願いを叶えるべく立ち上がったこの企画。各分野の匠たちから、究極のサバイバル術を伝授してもらい、世渡り上手な女に生まれ変わるべく精進していきます。記念すべき第1回は、世界80カ国の美女たちと競い合い、見事その頂点に立った、ミス ユニバース2007の森理世が登場! 世界中のセレブと肩を並べる彼女から、何よりも知りたい「世界レベルでリッチな男性をゲットするテク」を、聞き出すことができるのでしょうか!?

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森理世(右)と辛酸なめ子(左)

 不況で、仕事をしている媒体が次々となくなっていく……不安にかられ、古着屋に服を売りに行ったり、神社で祈念したりしています。100年に一度の不景気といわれる今、どのように生きていったらいいのでしょう……。この連載の場を借りて、女としての人生のサバイバル術を探っていきたい所存です。

 第1回は、2007年、ミス ユニバース世界大会で世界一の栄冠に輝いた森理世さんに、ユニバーサルな処世術を伺います。世界中のVIPと交流してきた彼女に、セレブ男性に気に入られる社交術を伝授してもらいたいです。日本人としては48年ぶりのミス ユニバースに満場一致で選ばれた森さんは、ダンス仕込みの柔軟性&健康美、そして日本女性らしい奥ゆかしさと帰国子女の明るさを併せ持った、たぐいまれな逸材です。現在は、静岡のスタジオ【註1】でダンスを教えており、ミス ユニバース在任中は病気で入院中の子どもたちを元気づけたり、HIV・エイズに関する知識普及活動やマラリヤ予防活動、アルツハイマー病支援活動に参加されたり、青春を謳歌したいお年頃なのに多数の慈善事業に従事されておりました。外面だけでなく内面も、腸や血管やすべての細胞、分子や原子に至るまで美しいに違いない森さん。ついにホテルの一室(世界の美女はソファーがあるラグジュアリーな空間をご所望)で彼女のご尊体を拝める機会に恵まれ、期待と緊張感で胸が高鳴ります。

 ドアが開き、まぶしい光を感じたと思ったら、黄色いドレスを着た森さんが立っていました。15センチヒールの長身、サングラス、なめらかな肌、艶やかで美しい髪……どの角度から見ても、手の届かない上玉オーラを放っています。あまりの輝きで頭が真っ白になり何を聞いたらいいかわからなくなったので、「サングラス、かっこいいですね」と、とりあえず表面的な話から切り出すと 「サングラスが大好きで2年前からコレクションしています。自分を演出するファッションの小道具のひとつです。レンズの下にはどんな顔があるんだろうと、ミステリアスな想像をかき立てますよね」と優雅な笑みを浮かべる森さん。セレブとしての変装用はもちろん、キャバ嬢のようにノーメイクを隠すためにかけることはないそうです。

「隠すというのはもったいないです。プラス思考でいきたいですね」と、森さん。世界一の美女が発する言葉にはいちいち説得力があります。

 ほかにもコレクションしている物はあるか伺うと、「香水も大好きです。自分の香りはあったらいいなと思っています。女性には2種類いると思うんですね。長年大好きな香水をつけていて、この香りはあの人だ、と思われるくらい使いこなしている人と、いろいろな香水をシーン別に使い分けて毎日違う香りを漂わせている人。私は後者なんですけど、香水は瓶もかわいいし、空港に行くたびについ買ってしまいます。この服にはこの香りとか、雨だから優しい香りにしようとか、使い分けています」

世界一の美女直伝!の美容テク

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◉食事 「日本食中心にすることをおすすめします。米は日本人の体質に合っているので、食べても太らないと思っています。私は、ご飯とお味噌汁が一番好きです」
◉美容 「洗顔をきちんとすることが大切です。石鹸をよく泡立てて、肌の上で泡を転がし、30秒放っておくと、毛穴の汚れも落ちます」
◉メイク 「メイクのポイントは、日本人はのっぺりしているので、ブロンザーを使って鼻の横やまぶたにシャドウを入れると、めりはりが出ます」
◉エクササイズ 「腹筋と背筋を毎日30回しています。腹筋する時に、足の間にクッションを挟むとやりやすいですよ。腕立ての体勢をしばらく保つのも、全身シェイプになります」

 自分が2種類のどちらでもないことに女としてショックを受けましたが、気を取り直して次の話題へ……。

「キレイだと、鏡を見るのが楽しくないですか?」

「そんな、ナルシストじゃないので(微笑)。鏡は持ち歩かないですね。日に何度も鏡をチェックする習慣はありません。いい意味で、自分に興味がないんです。アイラインとかファンデの状態には、あまり気を取られません。外に出たら大きくてステキなものがたくさん周りにあるのに、小さな鏡の世界に閉じこもりたくないんです。人間なので汗もかくし、化粧崩れもありますよ。撮影の前にはチェックしますが、日常生活ではあまり使わないですね」

 森さんは、単に美しいモデルや女優と違う……生き方に哲学があるのが感じられ、今後、何か教祖的な存在にもなっていきそうな大物感がインタビュー序盤から漂ってきました。世界一の女に選ばれる、という至高体験は、宇宙飛行士が地球を見て宇宙意識に目覚めるような、アセンション(次元上昇)をもたらすのかもしれません。

「『なんで優勝できたと思いますか?』とインタビューで聞かれますが、なんで私だったんですか?と審査員ひとりひとりに聞きたいくらいで、自分ではわかりません。結局は、運だと思うんです。その年になるべくして選ばれるというか……。候補者は皆170cm以上あるし、髪も長くてきれいで、語学も堪能。同じくらいのレベルの中で選ばれるのは本当に運【註2】だと思うんです。世界でひとりという責任や使命を感じますね」

 森さんが運命を感じたのは、世界大会の時だそうです。

「日本でCDショップにふらっと入って目に留まったメキシコのボーカルグループのCDを買ったら、その曲が偶然メキシコでの世界大会の水着審査のときに使われたのには驚きました。リズムが体に染みついていたのでよかったです」

「どうすれば森さんのように運気が上がるのでしょうか? お墓参りで先祖供養とか?」

「お墓参りなどはしますが、見返りを求めてお願いするのは、あまり正しいことではないと思うので、好きじゃないです」

「慈善活動をたくさんされていますが、それで運気が上がったりしますか?」

「良いことが起こってほしいから、何か良いことをするというのは間違っています。明確に達成したい目標に向けて、運は自分でつかむものです。チャリティに関しても見返りを求めてはダメ。その時その時、どれだけ心が通じ合ったかが大切。チャリティ活動でどれだけ貢献できたかは、チャリティを受けた方々の笑顔がバロメーターになります。世界や社会を知るきっかけになるので、一度は参加してみることをおすすめします」

 どうしてそんなに若くして、人間的に完成しているのでしょう……。

「ミス ユニバース 世界大会で、ライバルを蹴落とそうとしてドレスを破ったり、靴に画鋲を入れる人はいませんでしたか?」と下世話な質問をした時も、「そんな品のない行動をする人はいません!皆精神的に大人で、楽しくて頭が良い人たちです。ミス ユニバースは世界の女性のお手本であって、美貌を見せつけているわけではないので……。人と比べて、あの人より自分のほうが顔がキレイとかスタイルがいいと思っている自信は、結局崩れてしまう。大会までの1カ月の間、自分とは何か、どうしてここにいるのかという意味を考え、納得して理解するのが大切です。私は自分を客観視して、冷静な精神状態を保っていました」と、達観した答えが返ってきました。

世界一の美女が貫いているリッチマンへの態度とは?

 ところで森さんがミス ユニバースに選ばれた後、ミスUSAやミス・ティーンUSAとNYで共同生活した『pagent place』【註3】というリアリティ番組がFOXで放映されました。そこでは日本食や荷物圧縮パックを広めたり、仲違いを仲裁したりで、「理世と話すと落ち着くの」と言われ、癒やし系いい人キャラになっていた森さん。女同士の泥沼バトルからは距離を置いていたのが印象的でした。

「日本人のいいところは、冷静に物事を観察してトラブルを回避し、なごやかに物事を解決する点だと思うんです。アメリカ人は意見を主張し、ぶつかり合って仲を深めていくのですが、その様子を観察し、丸くまとめていくのが日本人の役割。でも、共同生活はすごく楽しかったです」

 「ミス・ティーンUSAのケイティーが付き合っていたジョシュというキモい男が、嫉妬深くて偉そうなダメ男でしたね」と、また私が世俗的な話を振ってしまったのですが、森さんは全然のってこなくて、さすが……と感じ入りました。世界一の美女は人の悪口を言わない、と心にメモです。

「ミスUSAの方々は、主催者であるドナルド・トランプ氏の気を引こうとして争っているようでしたが……」

 そんな度重なる私の俗な質問にも、「番組では、そういうところが強調されていたかもしれません。ドナルド・トランプさんは私たちにとって大ボスで、とてもリッチな不動産王ですごい方。会えるだけで誇りだったので、気に入られたいとか、それ以上のことは求めなかったです」と涼しげな笑顔で答える森さん。

 不動産王の話題が出たところで、大富豪に気に入られステップアップする処世術を、ぜひ教えてもらいたいです。

「ミス ユニバースになると、すごいセレブな男性にもたくさん会えると思いますが、彼らに好感を持たれるには、どんな態度で接するのがよいですか?」

「世界的な富豪とか、石油王、大統領、ロイヤルファミリーにも会いましたね。会って緊張したセレブは特にいないです。いつどんな方に会っても、自分に自信を持ってひるまずに振る舞おうと心がけていました。敬意は示しますけれど、同じ人間で皆平等だと思っているので、相手の地位によって態度を変えることはありません」

 女を武器にしない森さんは、有力者にセクハラされることもなさそうです。どうすればそんなに毅然としていられるのでしょう……。

「日々のトレーニングによって、自信は作られると思います。外見だけ着飾っても、いつかそれははげてしまう。自分を内側から磨いてって、中身をしっかりさせなければならないと思います」

 森さんはダンスで魂を磨いていったそうですが、運動音痴で体が固い私には難易度が高いです。とりあえず話術で気に入られるには……。

「世界的な有力者とは、どんな会話をしたらいいのでしょう?」

「私は、その国の文化や歴史について会話しましたね。民族舞踊を一緒に踊ったり」

……地理の勉強とダンスは必須みたいです。

 それにしても、世界の女性のお手本として、何を聞いても完璧でスキのない答えが返ってきます。森さんはこのまま、世界一、宇宙一、霊界一……と、さらなる高みにステップアップしていきそうです。それなのに、現世的な質問ばかりしてすみません……。

「セレブなパーティには、よく行かれるんですか?」

「チャリティ関係のパーティが多いですね。ブランドとか、遊びのパーティはあまりないです。クラブで夜遊びも一切ないです。それよりは星のきれいなところに行った方がイメージも膨らむし、夜は早く寝たほうが美容にもいいです」

 世界一の処世術を知りたくてお話を伺ったのですが、森さんの聖人レベルの心の美しさに圧倒されました。セレブな男性よりも神に愛されることで、守護を受け、人生が順調になるのかもしれません。

最後に、日本人へのメッセージを賜りました
◉日本の女性へ 「日本女性は、外国人男性に人気が高いです。奥ゆかしさ、繊細さがあって、人前ですべてをさらけ出さず、彼にしか見せないミステリアスな一面を持っているのが良いみたいです」

◉日本の男性へ 「本当にワークハードで勤勉でこんなに働く国民は他にいないので、体を壊さないように体調管理をしっかりして、家族や恋人を大切にしてください」

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(↑画像をクリックすると拡大します)

[註1]静岡のスタジオ
森理世さん、母の育子さんが講師を務めるダンススクール「I.R.M.アカデミー」のこと。子どもの育成、女性のバランスケア、年輩者のヘルスコントロールなど、ダンスを通じたボディ&メンタルトレーニングを幅広く提案している。「4歳から60代の方まで、意識の高いまじめな生徒さんが集まっています。ダンスをベースに、美しく見える立ち振るまいなどを教えています」(森さん)。
静岡県静岡市葵区千代田6-20-15 
tel:054-294-8880 公式サイト

[註2]運
まるで将来を予感していたかのように、日本の高校に通っていた時から地理が大好きだった森さん。「いつか世界を旅して外国の文化や食事に触れたいと思っていたのでミス ユニバースになってそれが叶いました」

[註3]『pagent place』
邦題は『ミス ユニバース 森理世 in NY』。2008年5月にFOXで放映されたリアリティ番組。アメリカに本部を置くミス ユニバース ぺージェントで勝ち抜いた女性3人が、大会主催者ドナルド・トランプ氏所有のマンハッタンのゴージャスマンションで共同生活する様子が映し出され、女同士のケンカやすっぴんなどのプライバシーがあらわに......。森さんがダンスを披露するシーンもありました。

もり・りよ
1986年、静岡県生まれ。4歳からジャズダンスを始める。カナダの高校に留学して語学を学び、クラシックバレエも習得。卒業後はニューヨークにてブロードウェイを目指したダンスプログラムを受ける。帰国後、2007ミス ユニバース日本代表選考会優勝。07年5月にメキシコで開催された世界大会で、世界80カ国の代表の中で優勝し、ミス ユニバース2007に輝く。任期中から現在に至るまで、エイズ・HIVの知識を同世代に広める活動をはじめとしたチャリティ活動を積極的に行う。09年4月、静岡にダンススクール「I.R.M.アカデミー」を設立、アーティスティック・ディレクターを務めながら、多方面で活躍している。http://riyo-mori.com/

しんさん・なめこ
1974年生まれ。東京生まれ埼玉育ち。漫画家・エッセイスト。セレブ、スピリチュアル、女磨きなどをテーマに、数々の作品を発表。「週刊文春」など多数の雑誌で連載記事を持つ。主な著書に、『女修行』(インフォバーン)、『女の人生すごろく』(マガジンハウス)、『開運修行』(講談社)など。


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