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連載
"鬼畜系ライター"Kei-Teeの「ビジュアルさんいらっしゃい!」 第9回

"野郎コーラス"で男性ファンも多い、異色のパンク系バンド「メリー」

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ガラ 俺、「ブブカ」とか「実話ナックルズ」が大好きなんですよ。Kei-Teeさんの「ブブカ」のほうの連載読んでたから、サイゾーの連載はすっげー真面目でびっくりしました。

──ありがとうございます! 最近ビクターからインディーズに戻りましたけど、メジャーを辞めた理由って何かあったんですか?

ガラ 何年もやってると、"サイクル"ができてきちゃうんですよね。シングル出してツアー回って、そしたらまた次の制作をして、とか。曲にしろアルバムにしろ、もっと育てたいし、もっとライブしてたいなってのがあって。

結生 だから、もう一度自分たちでメリーと向き合おうかなと。

ガラ まぁ、もう少ししたらいろいろと発表できると思うんで、そこは楽しみに待っていてほしいですね。

──以前は「しゃべらない」っていう謎のキャラでしたよね。なんでしゃべるようになったんですか?

ガラ 大人の事情ですかね(笑)。ビクターはやっぱりメジャーだから、ラジオに出なきゃいけないとかインタビューがあったりとか。で、「コンセプトは?」って聞かれても誰も答えられなかったりすると困っちゃうじゃないですか。

──ボーカルがしゃべらないと、どうにもならないですよね。ビクター以前のインディーズ時代は、清春さんのレーベルから出してますよね。

ガラ 清春さんにはすごい影響を受けていて、最初はまったく面識なかったんですけど、あるスタジオにいるっていう情報を入手して、勝手に行って「清春さんのとこから出したいんです」って言ったんですよ。

──アポなし!?

ガラ ヘンな勢いがあるんですよね。いまだに、根拠のない自信に溢れているんですよ(笑)。俺、何度もジャケットを描いていただいている丸尾末広さん(カルト系の有名マンガ家)の家にも、最初勝手に行きましたからね。

──いきなり行っても入れてくれないでしょ?

ガラ ある方から電話番号を入手して、電話してから行ったんですけど、入れてくれて麦茶出してくれました(笑)。いまでも俺の自慢ですね。

──それがきっかけで?

ガラ はい。でも、最初入れてくれたのに、絵を描いてもらうようになってからは、ドアの隙間からの絵のやり取りだけになっちゃったんです。「あ、すみません」って(笑)。

──メリーは、異色ながらも「ビジュアル系」にくくられてると思うんですけど、イヤではないんですか?

ガラ なんでもいいと思ってるんですよ。こだわってないよね。

結生 出てる雑誌とかイベントがそっちの方向だから、そう見られるのもしょうがないし。だったら逆に、V系っていう肩書を利用したっていいと思うし。

ガラ よく怒る人とかいるじゃないですか。「V系ていうな!」とかね。でも、V系っていわれることって、要は顔がいいってことじゃないですか?(笑)

──やっぱりモテまくりですよね?

ガラ そんなことないですよ。

──ファンからの貢ぎ物がすごかったりしませんか?

ガラ ほかのバンドの人から、車もらったとかマンションもらったとかは聞いたことあるけどなあ。メリーのファンって変わってて、俺、タケノコもらったことありますよ。

──えー!

ガラ 茶色い袋に入ってて、「お、なんだろう?コレ重いな」と思って開けたら、泥のついた新鮮なタケノコだった(笑)。

結生 バンドの癖が強いと、お客さんの癖も強くなるのかね(笑)。

──将来的にはメイクを取りたいとか、そういう願望は?

ガラ 昔から、したければすればいいし、別にしなくてもいいしって感じですね。その時のバンドの状態とか出したいものによってかな。

結生 メイクなしでも十分戦える何かができたら、いらなくなるのかもしれないね。

ガラ いい顔してるしね、俺ら(笑)。


メリー
(写真右より)Ba.テツ/Vo.ガラ/Gt.健一/Dr.ネロ/Gt.結生 01年結成。03年、ビジュアル界で神的存在である清春のレーベルFULL FACEよりリリース。05年、ビクターエンタテインメントよりメジャーデビュー。同社の担当は、BUCK-TICKなどを手掛けた名ディレクター・田中氏。思うところあり、今年に入ってインディーズに活動の場を戻す。音楽性やファッションなどの独自性により、
V界では数少ない、同性から支持されるバンドのひとつ。


NEWシングル
「BURST EP」

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(発売/劇薬レコード)
パンクなんです。だから同性ウケするんです。この新曲に関してだけいえば、清春が一時プロデュースしていた「Jelly→」に似てるけど、大きな違いは、大人の余裕でゴキゲンナンバーをやっているという部分ね。野郎コーラスが前面に出てくる曲って力が入りすぎててイタいのが多いんだけど、メリーはそれをカッコ良さに持っていけてるからすごい。んで、野郎コーラス中心のナンバーが増えると男性客の動員も増える傾向があるから、ライブが楽しみだわ!!


Kei-Tee的インタビュー後記

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 以前メリーはライブでまったくの無言だったので、キャラがキツすぎて怖い人たちかと思ってました。でも、いきなり「ブブカ読んでます」の一言で、一気に打ち解けてしまいましたよ。「サイゾーは真面目でびっくりしました」とか言われてさー、なんだかナチュラルに多幸感を味わってしまいました(ハート)
 最近は、ロックやってるくせに、妙にビジネスライクな盤麺にしか会ってなかったのよ。V界の過渡期を乗り越えてきたバンドだからかもしれないけど、大人の余裕と自然体がカッコ良かったわ。超個人的な感想だけど、私は、前に取材した「plastic tree」やメリーのような、ひたすら暗くて哀愁メロディー全開のバンドが好き! 勝手に好感度3割増原稿決定でーす(笑)。


<筆者プロフィール>
けい・てぃー
1973年、東京都生まれ。"神に最も近い男"角川春樹の娘にして、角川春樹事務所顧問、出版プロデューサー。根っからのビジュアル系好きで、元バンギャルにして元アイドル。1歳の愛娘の子育てに奮闘中。自著に、自薦他薦セレブのインタビュー集『セレブの血』(ワニマガジン)がある。<http://keitee.com>


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