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高須基仁の暴言・放言・妄言録 私は貝になりたい 第45回

15年ごとに何度も甦り生涯現役を貫く77歳、野村沙知代に全面勝訴!

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――「しゃべるな!」と言われたことを、あちこちでしゃべりまくり、命まで狙われたこともあるというタカス。周囲から怒られる度に「貝になる」と誓うのだが、その放言癖はいまだ健在だ。

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KRUNCHはストリートファイターたちのバトル。中央大学に進学後、正義と暴力の学生運動に身を投じ、逮捕された私。あれから40年。私は故郷に錦ではなく、汚点を残すつもりだ。

 野村沙知代に勝訴した。サッチーから1100万円の慰謝料等を求める裁判を起こされていたのだ。いきさつはこうだ。昨年、私はこのコラムをまとめた書籍『私は貝になりたい』を、私の会社、モッツ出版から刊行した。その中には、サッチーの写真も掲載されていた。それが無断使用であり肖像権の侵害にあたるというのだ。

 しかし、その写真は本誌連載時にも掲載していたもの。サッチーはその頃、本誌のインタビューにも応じたことがあり、当然、私が本誌で連載していることも、サッチーの写真を使用したことも知っているはず。

 だが、私との関係がこじれると、手のひらを返したように訴えてきたのだ。これに対して東京地裁は、「サッチーはパーティーなどで高須が撮影することを承諾していたうえ、写真の内容もサッチーに不利益を与えるものではない」とし、サッチーの請求を棄却、私の全面勝訴となった。

 サッチーを見て「ドッグイヤーの生き方をしているな」と常々思う。ふつう、人は「人生50年」と言われる。それは大人になった瞬間(男は15歳くらい。女はそれよりも早熟で10歳くらいだろうか)から50年だと私は考える。とすると、だいたい60~65歳で一生を終えることになる。肉体的にはさておき、社会的な寿命は実際そのくらいではないだろうか。

 一方、犬の寿命はだいたい15年。

 スポーツ選手のように太く短く生きる人生を例えてドッグイヤーというなら、そこで引退となるが、サッチーの場合、15年でひとつのサイクル、ひとつの節目を迎え、また生まれ変わり、新しい15年を生きる。

 サッチーと飯を食うと、いつも驚く。本当によく食べる。私のように胃の4分の3がなく食えない人間から見ると、その体力にはとてもついていけない。健康な肉体があってこそ、また次の15年もあるのだろう。

 そして、健康な肉体を保つには金が必要なのだと、サッチーは確信しているに違いない。いったい何回人生を生きるつもりだ!?

 サッチーは77歳になった今でもなお「生涯現役」と色紙に書いている。今回、訴えてきたやり口を見て、「生涯現役」というのは「生涯一定」ではないとしみじみ思った。約15年前、私はサッチーを助け、サッチーは私の人脈を利用し、テレビ出演で莫大なギャラを手にした。だが、サッチーは15年ごとに次々変節していく。「こんなことしたら昔と違うからかっこ悪い」なんて気持ちは微塵もない。脱税のみそぎを済ませ、楽天の監督夫人として「また出られる」と思っていたのだろう。そこを私がいさめる形となった。

 だが、たまたま今回は私が勝ったが、サッチーは痛くもかゆくもないはず。きっと控訴するだろうし、最高裁まで争って、そこで負けたとしても「また次がある」と思うだろう。生涯現役とはそういう生き方だ。

 私はもう長くない。孫たちの名前には「基」の字をつけた。これで、少なくともあと60年くらいは、「モッツ」という社名は残るだろう。別に出版業でなくてもいい。モッツITでもバー・モッツでもいい。つながるものは名前だけ。寂しいな。

 もしかしたら、私はサッチーよりも先に死ぬかもしれない。サッチーが90歳になったとき、「昔、高須っていうのがいてさー」なんて言われたらたまらないな。最後はいい人になっちゃったりしてな。

 ところで、太く短く生きるといえば格闘技選手。3月20日の夜、「KRUNCH第3戦」がディファ有明で開かれた。入れ墨、やくざ、前科者ありの不良たちによる、格闘技イベントである。私もリング上で挨拶した。観客は1000人ほど。公安やマル暴担当刑事の姿もあった。

 翌21日の朝、テレビをつけたら高校野球の開会式が行われていた。出場校のひとつで、私の母校・掛川西高校の同級生で、大会を主催する毎日新聞社社長の朝比奈豊が5万人の観客の前で挨拶をしていた。同級生たちも十数名、大会に駆けつけたそうだ。その中には私の昔の恋人がいた。さっそく電話がかかってきて、「やっぱり高須くんはウラ、朝比奈くんはオモテね」と言われショックを受けた。共に同じような青春を過ごしたのに、45年ほどたった今、この違い。私は何をやってるんだろう。ま、それぞれ名をなしたということでよしとするか。

 さて、先日、アルマーニ銀座タワー10階にあるイタリアンレストランでビートたけしと会った。私はひとつだけお願いした。「私の息子が編集長を務める雑誌に出てくれませんか」と。たけしは「いいよ」と間髪入れずOKしてくれた。たけしは、格闘技専門誌「リアルバトルトーク」(モッツ出版)に登場予定である。


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