>   >   > オトメゴコロ乱読修行【25】/【ラ・ラ・ランド】は童貞中年男のポルノだ!?
連載
オトメゴコロ乱読修行【25】

【『ラ・ラ・ランド』】は、童貞中年男がよだれを垂らすポルノ・ムービーだった!?

+お気に入りに追加

――サブカルを中心に社会問題までを幅広く分析するライター・稲田豊史が、映画、小説、マンガ、アニメなどフィクションをテキストに、超絶難解な乙女心を分析。

1705_inada.jpg

 今年のアカデミー賞で14ノミネート、6部門を受賞し、ミュージカル映画としては異例の大ヒットを飛ばしている『ラ・ラ・ランド』。国内外のマスコミ・文化人による絶賛の嵐を経て、日本公開から間もなく2カ月。各所での感想戦が一巡し、いい大人のオッサンがフェイスブックで「3回目の鑑賞!」などとドヤ顔でチケット半券写真を投稿するラッシュも一段落した今、気になることがある。同作への評価が、男性は「絶賛」が大半なのに対し、一定数の女性が「それほどでもない」と白けていることだ。というわけで、今回は結末ネタバレ上等にて、その理由を探りたい。

 ストーリーは、現代のLAを舞台にした典型的なボーイ・ミーツ・ガールものだ。主人公は売れないジャズピアニストのセブ(ライアン・ゴズリング)と、なかなか芽が出ない女優志望のミア(エマ・ストーン)。2人の出逢いと恋愛模様、それぞれが叶えたい夢の前に立ちはだかる現実が描かれる。

 結論から言えば、本作は男が最高に気持ち良くなれるよう巧妙に設計された「超・男の子映画」だ。

 セブははやりの現代ジャズを頑なに否定し、オールドスタイルのジャズに固執する。自分の追求する音楽こそが“本物”であり、それ以外の価値観を認めようとしない。いつか自分の認めるジャズだけを演奏する店を持ちたいと考えているが、なんの実績も資金的なアテもないまま、長らくくすぶっている。つまりいい年こいて厨二病全開野郎であり、口で理想を語るだけのオジサン文化系男子と大差ない。……のだが、むしろそれゆえに、我々はセブに一瞬で感情移入できてしまう。

 我らが文化系男子たちが常に夢見ているのは、好いた女が自分の「才能」に惚れること(異論は認めない)。本作もその点は抜かりない。ミアがセブに惚れたきっかけは、店から屋外に漏れ聞こえてきた彼のピアノ演奏、つまり「才能」そのものだからだ。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミア

2017年11月号

ファッション(禁)コレクション2017

ファッション(禁)コレクション2017
    • 【タレントブランド】の内情と成否
    • 【Supreme×ヴィトン】コラボの裏側
    • 【ダニエル・ウェリントン】バカ売れの謎
    • 【裏原系】人脈のその後
    • 【遠山茜子】B-GIRLになる!
    • 【インスタグラマー】の熾烈な戦い
    • 【IT】が進むファッション業界の未来
    • インスタの太鼓持ち【女性ファッション誌】
    • 【デーブ・スペクター】が語るトランプのスーツ
    • 【メラニア夫人】への衣装提供拒否の裏側
    • 【ZOZO】の好きな所、嫌いな所
    • 【ファッション史】から見るゾゾ
    • 【送料自由化】を物流の専門家が分析
    • 【メルカリ】が勝った本当の理由
    • 【メルカリ出品者】が語る闇市の姿
    • 【ホットペッパービューティー】の罠
    • 【スポーツアパレル】がパリコレ占領中
    • 【ナイキ】の最先端戦略を覗き見!
    • 【高級機械式腕時計】はなぜ高い?
    • 【スマートウォッチ】台頭は吉か?凶か?

本誌特選!8人の(サ)な女たち

本誌特選!8人の(サ)な女たち
    • 歴代カバーガールグラビア傑作選

山地まり、大人Kawaiiレトロモダン水着

山地まり、大人Kawaiiレトロモダン水着
    • 【山地まり】Fカップとレトロ

NEWS SOURCE

    • 【安室奈美恵】引退宣言で揺れる音楽業界
    • 【市川海老蔵】と松竹の懐事情
    • 【ジュリーさん】がアベマ企画に大激怒

インタビュー

    • 【吉田まどか】福岡女のシンデレラストーリー
    • 【CASCADE】元祖おしゃれ系バンドの今
    • 【CHAI】女たちが追い求めるかわいい

連載

    • 【今野杏南】これで最後なんです。
    • 【佐藤江梨子】政治性が響くモンパチの歌
    • 【長澤茉里奈】合法ロリ生春巻き
    • 【斉藤由貴】スローな由貴でいてくれ
    • 【インターネット】への誤解がもたらす日本の危機
    • 【特別編】九州に格闘技界旋風起こす男
    • 【元・モー娘。】歌よりも正直なトーク
    • 【三波春夫】が2017年に蘇る
    • 哲学者・萱野稔人の「"超"哲学入門」
    • 【フレンチ・モンタナ】モロッコ系最強ラッパー
    • 【電通過労死事件】から考える労災
    • 【治療共同体】で精神病院を開放せよ!?
    • 町山智浩の「映画でわかる アメリカがわかる」/『バリー・シール』
    • 世界一災害に弱い【東京】備えなき首都大災害
    • 小原真史の「写真時評」
    • 赤い屍と緑のタヌキ
    • ジャングルポケット/フェラペチーノで自分好みのプレイを!
    • 【最高の離婚】夫婦の溝を埋める最良のテキストドラマ
    • ボディペインティングが導く愉楽
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 幽霊、政治と信仰と破綻の円環構造。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』