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萱野稔人の"超"現代哲学講座 第13回

本当に、人を殺してはいけないのか? 死刑が揺るがす道徳の普遍性

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──国家とは、権力とは、そして暴力とはなんなのか……気鋭の哲学者・萱野稔人が、知的実践の手法を用いて、世の中の出来事を解説する──。

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第13回テーマ「殺人の正当化と定言命法の普遍」

[今月の副読本]
『実践理性批判』
カント著/岩波文庫(79年)/903円
絶対的な道徳というものは存在しうるのか? また、人は自らの意思により、それに従うことはできるのか? 『純粋理性批判』『判断力批判』と併せた三批判書により、批判哲学の祖を築いた哲人による倫理学の名著。


 道徳の中で最も普遍的で根本的なものとはなんでしょうか。多くの人はおそらく、人を殺してはいけないという道徳だ、と答えるでしょう。

 実際、「人を殺してはいけない」という道徳はあらゆる社会に見いだされるものであり、また、「嘘をついてはいけない」とか「盗みをしてはいけない」といった道徳よりも、はるかに多くの人によって守られています。もちろん殺人事件は常に世界のいたるところで起こっている以上、「人を殺してはいけない」という道徳は完全に守られているわけではありません。しかしそれでも、殺人事件が起こればほとんどの人は条件反射的に「よくないこと」と考えるほど、「人を殺してはいけない」という道徳は確固たるものとして人々の間に根付いています。

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