(写真/広瀬正道)
THIRTEEN DESIGNS
デザイナー
TAKA
今年5月、ガンズ・アンド・ローゼズ一夜限りの来日公演で、スラッシュが身につけていたのは日本発のシルバーブランド「サーティーンデザインズ」。
彼のほか、世界のロックスターに愛されてきた理由とは――。その軌跡と舞台裏を先代からブランドを継いだデザイナーTAKA氏が語る。
――まずは、TAKAさんとサーティーンデザインズ(以下、サーティーン)の出会いを教えてください。
左:2025年5月にKアリーナ横浜で行われたガンズ・アンド・ローゼズの日本公演時にスラッシュに渡したコンチョ付きハットをリサイズしたもの。スラッシュのサインとスカルロゴが。右上:Kアリーナのステージ上のスラッシュ(写真提供/Marslash)。右下:来日公演のスラッシュの胸元で光っていたRAZOR BLADE PENDANT。
TAKA 僕はもともとバンドマンだったんです。基本的にシルバーアクセはバイカーかロックンロールのブランドに分かれるのですが、このブランドがバイカーブランドではなくロックだと知って、ブランドがスタートした頃から衣装として全身そろえていました。販売された作品全てがカッコよかったので。
――ネックレスからピアス、ブレスレットにリングまで、全身サーティーンだったんですね! 所属していたロックバンドは細分化すると、ジャンルは何にあたるのでしょう。
TAKA もろ、LAメタル。もろ、ハードロックです!
――なるほど! バンドマンだった当時は、サーティーンのアクセサリーはどこで購入されていたのですか。
TAKA 渋谷に大きな代理店があって、恵比寿には直営店もあり、そこで買っていました。当時は他の海外ブランドと比べてもかなり安い方だったと思います。僕が最初に買った指輪は3万円くらいだったかな。今、同じものを買おうとすると8~9万円くらいです。当時はシルバーの原価が1グラム20円を切ってて、今現在(2025年7月)は210円ですから価格差は仕方ありませんね。でも、その頃は自分がスカルの指輪を買うとは思ってもいなかったのですが、実際につけて、自分の目線から手を見るとすごく綺麗で……。
――やはり、デザインがダントツだったのですね。そのデザインに名だたる海外ミュージシャンたちが魅了され、大きなステージで着用していますが、彼らとはどのように接点を持ったのでしょうか。
TAKA うちのブランドは95年に先代が創業して、僕が知っている限りでは日本で初めてスカルモチーフの作品を作ったブランドです。先代のデザイナーはキッスからエアロスミスまで、ハードロックが大好きでした。エアロスミスが来日公演した時、サイン会の抽選に応募したら運良く当たって、全員分の指輪を持って行って「サインはいらないから、この指輪をつけてくれ」と頼んだそうです。すると取り押さえられて奥に連れていかれ、スタッフから「本人たちが見たいと言っている」ということで楽屋に通され、メンバーに見せたところ「お前すごいな」「これが欲しい、これも欲しい」となったそうで。それがきっかけでエアロスミスと関係ができました。その後もご縁がつながり、ほかの海外アーティストとも接点を持てるようになりました。