>   >   >  小原真史の「写真時評」/阿波根昌鴻と伊江島の闘い(上)
連載
写真時評~モンタージュ 現在×過去~

阿波根昌鴻と伊江島の闘い(上)

+お気に入りに追加
1712_P128-131_01_520.jpg
琉球政府の敷地内から立ち退かされ、立法院南側の空地に移動する陳情団。

 10月11日、沖縄県東村高江の牧草地で米軍の大型ヘリコプターCH53が大破・炎上した。昨年の名護市安部におけるオスプレイの墜落をはじめ、2004年の宜野湾市の沖縄国際大へのヘリコプターの墜落など、沖縄ではこれまで幾度となく類似の事故が起きてきたが、原因究明に向けた調査は、日米地位協定の壁に阻まれ、いつの間にか同型の機体が上空を飛び始めるということが繰り返されてきた。沖縄の住民の戦場と地続きの生活は、半世紀以上も続いており、本土では半ば不可視化されている占領が、この地では臆面もなく露出している。

 かくも大規模な他国の軍隊の沖縄への駐留は、米軍が戦争のどさくさで島々を軍事基地化したことに端を発する。米軍は太平洋戦争終了後も沖縄の住民から土地を強制接収して基地を建設・拡張した。沖縄本島北部、本部半島の北西に位置する伊江島でも「銃剣とブルドーザー」による苛烈な土地接収が行われ、これに対し住民たちは知恵を絞って米軍に抵抗した。伊江島の抵抗運動の中心となったのが、阿波根昌鴻である。17歳でキリスト教徒となった阿波根は、1925年からキューバ、その後ペルーに移民、34年に沖縄へ戻った後、伊江島の真謝地区に移住したが、45年4月16日の米軍による伊江島上陸によって、安住の地を追われることとなる。日本軍守備隊と米軍との激しい戦闘の後、阿波根は生き残った住民らと共に捕虜となり、沖縄各地を転々とした後、47年の末になってようやく真謝に戻ることができたという。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミア

2018年5月号

ウェブ(禁)新論

ウェブ(禁)新論

マンガで学ぶ「(裏)社会学」

マンガで学ぶ「(裏)社会学」
    • 【実際のヤクザ】に聞いた下半身事情
    • 【ヲタめし】ハロプロヲタのライブ後

華村あすか、19歳のプライベートセクシー

華村あすか、19歳のプライベートセクシー
    • 【華村あすか】クダモノとカラミます。

インタビュー

連載

    • 【アンジェラ芽衣】けっこう根暗なんです。
    • 【宮下かな子】森田童子にゾクゾク
    • 【冨手麻妙】映画界に愛された女優の身体
    • 密かに好成績を残した剣の貴公子
    • 【由美子】の夢は夜ひらく
    • 行政法研究者が語る日本の行方
    • 高須基仁の「全摘」
    • 【品川ヒロシ】が夜通し語る映画愛
    • 継続危機と対峙する【秋田の伝統祭】
    • 哲学者・萱野稔人の「"超"哲学入門」
    • 【XXX Tentacion】SNS厄介者たちの続く伝説
    • 【元スパイ襲撃被害】スパイによる本当の諜報活動
    • ナチスの【優生学】が投げかけるもの
    • 町山智浩の「映画でわかるアメリカがわかる」/『サバービコン』
    • 実話を元に描かれた【映画でわかる】社会の病巣
    • 小原真史の「写真時評」
    • 「念力事報」/森友ふたたび
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ研究所」
    • 女はなぜ皆【星野源】を欲するのか?
    • 俺と伝説のラッパーたちとの交遊録
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 幽霊、文化系連合赤軍な雑誌の終焉。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』