>   >   > 【ハイロー特集その3】岩田剛典に畏怖と敬意を!ハイローの未来を占う気鋭のライター対談(後編)
第1特集
琥珀さん、今年もやるぞ…!サイゾーpremiumハイロー祭【3】

「コブラ=岩田剛典どうする問題」勃発!『HiGH&LOW』新作映画で浮かび上がった課題と期待

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対談前編はコチラ

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すでに『FINAL MISSION』も最高の予感(『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』特報映像より)

――「LDHウォッチャー」を自称するサイゾーpremiumでは、去年に引き続き『HiGH&LOW』に殴られてしまったライター2人による対談を決行。前編では、ヤンキーマンガとEXILE史学に詳しいライターの藤谷千明さんと、アクション映画に明るい加藤よしきさんによるハイロー愛が炸裂したが、後編では『HiGH&LOW』に現時点で残された課題について熱く語っていく。「岩田剛典を“ガンちゃん”とは呼べない」問題や、「ハイローは何ジャンルか?」議論、さらには北野武の名言も飛び出る後半戦もご笑覧あれ。(なお、今回も同席している編集は重度のLDHオタです)
※本編には『HiGH&LOW THE MOVIE2 / END OF SKY』のネタバレが含まれますのでご了承ください。

【課題と期待①】アントニオ猪木に憧れるコブラへの不安

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「INOKI BOM-BA-YE」

編集部 脚本家・平沼紀久さんのインタビュー(「キネ旬ネクスト」Vol.14/キネマ旬報社)を読むと、ザム2、3で一つの世代を終わらせることを考えているようですね。「永遠に続くものではない」「世界観は継続する中で、個々のキャストは次のステップへ進んでいくほうが自然」「SWORD第一世代の物語は、このタイミングで撮ってしまうべきかなと」「いうなれば“青春の終わり”の物語でもある」と語っています。

藤谷 でも、今のSWORDの中で世代が入れ替わるということなら、まだ下の世代は育ってないでしょう。ザム2のアクションのメインも、琥珀さん&九十九さん+雨宮兄弟VS源治って、ほとんどEXILE第二〜三世代だし。だから、ザム3では下の世代を育てる見せ場を期待してます。

加藤 ザム2は、やっぱり中盤のカーチェイスがすごすぎて、ラストのタイマンが若干霞んで見えてしまいました。さっき言った通り、ジェシーVSコブラはすごかったんだけど、それでもまだ足りなかった。だから3に期待しているのは、誰かしらとガンちゃんさんのバトルをクライマックスに持ってきて、「これがコブラのベストバトルだ!」というのをひとつ入れてほしいです。それができたら、「コブラはやりきった、もう卒業してもおかしくない」と思えるんじゃないかな。

藤谷 LDHは「継承」の物語が大好きなので、世代交代して引き継がれていくのは考えうる流れではあるんですけどね。

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2011年に開催されたEXILE TRIBEのライブも「継承」(「EXILE TRIBE 二代目 J Soul Brothers VS 三代目 J Soul Brothers Live Tour 2011 ~継承~」DVD)

加藤 ただ僕は、その「継承」という言葉を考えた時に、コブラの憧れの人がアントニオ猪木なのがすごく不安なんですよ。アントニオ猪木が圧倒的なカリスマで、優れたプロレスラーであることは間違いありません。ただ、組織の継承という一点においては、本当にダメな人で。猪木のことはみんな好きだし、僕も大好きですけど、「業界を背負って立つ」みたいな責任感というところとは無縁の人なんです。棚橋弘至選手が新日本プロレスを復活させようとして最初にやったのは、道場にある猪木のパネルを外すことだった。猪木はそれくらい継承が下手なわけです。それにコブラが憧れているとなると……。

藤谷 そもそも「継承」とはいうけれど、一体何を継承しているのか?

編集部 LDHのメンバーたちはよく「EXILEイズム」という言葉を使いますね。

加藤 まさに「猪木イズム」じゃないですか!

藤谷 山王連合会の分裂騒動も、ごく一般市民の感覚からすると正直、「ちょっとコブラのほうが理想論すぎやしないか?」と思うんですよ。でもLDHの思想としては、コブラのほうが正しいんだと思う。つまり、どれだけ苦しい思いをしたとしても、九龍の力に屈するわけにはいかない。映画『たたら侍』でも、入り込んできた商人の言うなりになって、目先の利益に飛びついたら村がめちゃくちゃにされてしまう。HIROさんの“大いなる力”への不信感を感じます。

加藤 冒頭で昨年の適当な発言を謝罪したばっかりですけど、やはりZOO時代に覚えた芸能界への不信感が……

編集部 ザム公開後に「週刊文春」で三代目 J Soul Brothersのレコード大賞1億円買収騒動が報じられましたが、あれも芸能界の裏事情を感じさせられました。そのあたりをとっても、やはり昨年の対談で指摘したように「九龍=旧態依然の芸能界」という隠喩が多少込められているのかもしれません。それにLDHが前蹴りを入れた、と。

藤谷 それでいてDTC側のような、巨大な権力に屈せざるをえない人たちの事情をちゃんと汲んでいるのも、やっぱり一度ZOO時代に敗北の味を知ったHIROさんならではですよね。弱い人の気持ちへの目配せがある

加藤 落とし所を考えているかは別として、本来なら封殺されかねない意見をちゃんと入れ込むというチャレンジはすごいです。それがお話としての面白さになっているのも面白いですよね。

藤谷 ザム3はどうなってしまうんだろう? という期待が上昇しますよね。

加藤 これで誰もが納得する終わり方を迎えられたら、たいへんな傑作になると思います。

藤谷 歴史に残りますよ。現状でもすでに残る作品になっていると思いますが。

【課題と期待②】ガンちゃんさんが一つ上の男になるには?

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来年も主演映画が2本も控えている日本一忙しいEXILEことガンちゃんさん。(岩田剛典フォトエッセイ「AZZURRO」)

編集部 ただ、いつまでもHIROさんだけに頼って作り続けたら、いずれ限界が来るんじゃないでしょうか。CLAMPによる「g-sword」プロジェクト【1】が走っているように、HIROさんイズムから一歩出た外の世界のアイディアを持った人が入ると、また新しいものが観られそうな気がします。

藤谷 実際、前作から続投の平沼紀久さんと渡辺啓さん以外に、ザム2でも福田晶平さん、上條大輔さんという脚本家の方も新規に入ってますしね。身内だけに偏らないバランス感覚というか。

加藤 そういう意味では、LDHとしてはHIROさんの継承者をいま探しているところなのかもしれませんね。そしてそれがガンちゃんさんなのかもしれない。

編集部 加藤さん、なんでずっと「ガンちゃんさん」って呼んでるんですか?

加藤 畏怖と敬意ですよ。あの人を「ちゃん付け」では呼べないです。池上遼一が描く「成り上がっていく人」という感じがする。底知れないものを感じてます。

藤谷 『サンクチュアリ』【2】ですね!

編集部 LDHオタとしても、ガンちゃんさん=コブラをもっといじることが必要なのかも、と思います。メディアでハイローが語られる時って、どうしても琥珀さんやHIROさんの話がメインになりがちですが、あの前蹴りがあったからにはコブラについてもっと語るべきですよ。

藤谷 パフォーマーがボーカルに匹敵する人気を持つというのは、「日本のダンス&ボーカルグループ」としての悲願、つまりそれはHIROさんの悲願でもあるに違いないんです(断定)。それを叶えたのがガンちゃんさんだった。だから今後ハイローが続いていったときに、昨年の対談でもヨタを飛ばしましたが、最終的に山王商店街を再建して新しいビルを建て、そこにすべてを手に入れたけれど同時にすべてを失ったコブラが立っている、という可能性もなきにしもあらずです。ガンちゃんさんの今後の行動に、ハイローの展開がかかってくるところもあるかもしれない。ご本人も、本当はもっといかついファッションをしたいけど、今の需要や人気を考えて抑えているというような話をメディアでしていて、クレバーさと自我の薄さを感じます。そこが吉と出るか……、あるいは。

加藤 3でコブラの成長とそれに絡むアクションがあれば、もっと映画として面白くなるだろうし、ガンちゃんさんの世間的なイメージもひとつ上のレベルにいけるんじゃないでしょうか。さらに、ファンの方たちがもっとコブラをいじっていけば、キャラがうまいこと伸びていくと思います。

藤谷 九十九さんも、あれだけファンから「丈夫」「死なない」といじられたのが、明らかにザム2で反映されていましたもんね。

加藤 コブラちゃんは今「かっこいい」に寄りすぎているので、もっと愛嬌があってもいいと思います。酔っ払うと猪木の話で絡んでくるとかカップケーキが好きとか、せっかくドラマシリーズでのいろいろな設定がありますし。ただ、そういう点で、ザム3の予告は度肝を抜かれましたね。いつもクールで強いコブラが、ボロボロに打ちのめされているっていう。期待しかないです。

コブラの行く末やいかに…!(「 HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION」特報映像
)

【課題と期待③】ハイローのジャンル名は「勇気」

加藤 昨年の対談のときには、「ハイロー=ヤンキー版『エヴァンゲリオン』」という説が出てましたが、ザム2で、ハイローは『エヴァ』から『ガンダム』になったな、と思ったんです。『エヴァ』は最終的にロボットアニメであることも放棄して、衝動の赴くままの作品になっていた。一方『ガンダム』は、富野由悠季監督のやりたいことはありつつ、ロボットアニメであるという部分はしっかり守りました。ザム2は、ザムや『THE RED RAIN』の反応を観て「アクション映画として受け入れられてるから、それで一本筋を通そう」という方向性が定まっていたと思う。だからアクションが増えて、セリフが減っている。そこを守ることで、前作にあった「なんだかわからないけど何か叫びたい!」みたいな初期衝動めいたものは薄れた。でもその分、世界観に広がりができて観やすくなっています。その中に、ほどよく自分たちのやりたいことや好きなものを入れている。結果、すごくいいバランスの映画になっていた。いろんな部分が相変わらずガバガバではあるんですが。

編集部 確かに、映画全体にザムよりも洗練された感じがありながら、「守りに入った」とか「日和った」という印象は受けなかったです。

加藤 ガンダムっぽい感じで世界観が広がって行ってもいいかもしれないですね。世界中のSWORD地区から各国代表のSWORD地区が出てきて戦うとか……。


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