>   >   > 世相が見える【性愛文学大賞2016】

――フェミニズムやジェンダー、セックスは文学のテーマとして、実にポピュラーだ。“性愛文学”とも呼ぶべきこれらの作品をあげていくことで、現代人の性に対するスタンスも見えてくるのではないだろうか? ここでは、これらのテーマに詳しいお三方が、最新の性愛文学作品について語り合った!

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サイゾー的性愛文学賞、選考委員のみなさま。男女のセックス観の違い、その書き分け方、そして名作に描かれる女性観への疑問など、和やかな笑顔からは想像できない、鋭い指摘が飛び交った。

──今回のテーマは「性愛小説」です。行為としてのセックスや、男女の性を題材とした小説の現在について、作品名などを挙げつつお話しいただければと思います。

海猫沢めろん(以下、めろん) お話をいただいて真っ先に思い浮かんだのが、新潮社がやっている「女による女のためのR-18文学賞」です。「女性が書く、性をテーマにした小説」がテーマの文学賞。

加藤千恵(以下、加藤) 「女性が性について書くことは珍しいことではなくなった」ことを理由に、結局そうしたテーマにこだわらない賞になっちゃったんですよね。

めろん でも一方で、同賞出身の窪美澄さんが「最近、セックスを書く作家が減っている」ともおっしゃっていて。

倉本さおり(以下、倉本) 性愛を書くのは難しいから、というのもあると思います。よっぽどお話がうまくないと、稚拙に映ってしまうという問題がある。

めろん 僕も文学賞の下読みで、作者の性体験記みたいなのを何本も読んだことがありますが、正直「ネットに落ちてそうだなー」という印象でした。何が問題かというと、その多くが、セックスから深いものを読み解こうという発想がないことです。窪さんは『ふがいない僕は空を見た』【1】で、出産という大きなテーマに踏み込んだりしていましたが、そういう発想には至らず、ただ単にセックスを書いて満足してしまっている作品も少なくない。

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