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荻上チキの新世代リノベーション作戦会議 第9回

明日にはあなたも当事者に!? "関心鎖国"日本で始めるべき対話とは【後編】

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「観察者」と「当事者」 その垣根を越えて

荻上 正しい目的は、非暴力的で正しい手段でしかなし得ない、と。軍政に対して武装蜂起で対立することをよしとせず、あくまで包摂的な場を作ってその場の魅力を高めることによって、人々を自発的にインクルードしていくことを理想とする。それは、特に支配体制によって批判自体が許されない社会にあっては、戦略的にも正しい判断だといえます。

 もちろん、正しい目的のためには、時として逸脱した手段を利用するというプラグマティズムもまた、あって構わない。僕としては、両方の立場ともに支持できるんですが、あえて対立構造を作らない運動の構築を日本に喚起しようと思うとき、大野さん自身がお感じになっていることはなんですか?

大野 08年にわたし自身が発病して、あらためて気づいたことがあります。タイミングとしては、大学院に進学して助成金でタイに行くことが決まった中だったんですけど、向こうで立ち上がることもできなくなってしまって、日本に戻り闘病する羽目になったわけです。ここで自分の立ち位置が、難民を研究するアカデミックな専門領域の座から、医療や障害の問題の当事者の座へと一気に転化してしまったんですね。で、医療難民のような経験をして一番愕然としたのが、自分たちの問題に対して関心を持ってほしいと社会に対して思っている人自身が、実は同じくらいの苦しみを抱いてるはずの他の領域に関しては、まったく無関心であったりするということ。まさしく、私自身がそうであったわけです。だから、この断層を突き通すことが、もしかしたら自分なりの役割なのかな、とだんだん思うようになりました。そうなるまでが、本当に大変だったんですけど……。いかに大変だったかは、連載を読んでいただければ。

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