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佐々木俊尚の「ITインサイド・レポート」 第32回

尖閣ビデオとウィキリークスが突きつけた メディアの真価への問い

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──「sengoku38」を名乗る人物によってユーチューブに動画がアップされ、一夜にして日本中が大騒ぎになった「尖閣ビデオ」問題。結局、漏洩を行った海上保安官は逮捕見送りとなったが、この事件が最も深い爪痕を残したのは、ジャーナリズムの領域だった!?

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各国政府で、ウィキリークスへの敵視が始まっている。だが一度動き出した潮流は止められない。人の口に戸は立てられず、とはこのことか?

「尖閣ビデオ」の漏洩問題はメディアとネットの関係を考える上で、さまざまな問題を提起している。ネットの論壇では「そもそもあのビデオを国家機密とするのには問題があったのではないか」「最初から公開しなかった政府が悪い」「国民の知る権利に沿っていえば、海保職員を責めるべきではない」といった意見が多い。しかしマスメディアのとらえ方はどちらかというと、ビデオを漏洩させた海上保安官に批判的で、例えば毎日新聞は社説で「統治能力の欠如を憂う」「責任の所在を明らかにしなければならない」とぶち上げている。また朝日新聞も「これまでの捜査で驚かされたのは海上保安庁の情報管理のお粗末さだ」「データを扱う体制と意識の見直しはもちろん、管理業務にかかわる者の責任も厳しく問われよう」と非難している。

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