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大物親分の暴露本『鎮魂』の余波か? 山口組7代目体制をめぐる不協和音

2013年10月25日 11:00

――先日、山口組の中核をなす弘道会において、トップの交代が明らかになった。かつて、警察庁長官から「弘道会の弱体化なくして山口組の弱体化はなく、山口組の弱体化なくして暴力団の弱体化はない」とまで言われた同組織の人事は、日本最大の暴力団に何をもたらすのだろうか? 元大物幹部による暴露本の余波や、山口組が抱える問題にメスを入れる――。

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山口組幹部の葬儀に参列する、司 忍6代目山口組組長、高山清司若頭ら。(写真/堺 恭三)

 9月下旬、ヤクザ界では、あるひとつの重大ニュースが流れた。それは日本最大の暴力団組織6代目山口組において、有力二次団体の筆頭格を占める2代目弘道会で代目継承が行われたというものだ。弘道会といえば、傘下団体の構成員と準構成員を合わせると3万5000人を超える日本最大の暴力団組織、6代目山口組・司 忍組長の出身母体であり、「山口組の最大勢力」(警察関係者)として当局からマークされている。

 そもそも山口組とは、組長はじめ、ナンバー2の若頭、舎弟、若中など、組員100人にも満たない組織である。だが、その組員は直系組長(直参)と呼ばれ、各々が二次団体、三次団体と複数の暴力団組織のトップとして君臨し、直参によっては、数千人の構成員を抱える組もある。つまるところ山口組直参に昇格した組長は、名実ともにトップ組織の一員となる。

 さて、正式発表こそされていないものの、新たな弘道会会長には、2代目体制で若頭を務めていた竹内照明氏が就任。そして、これまで2代目会長として組織を牽引してきた6代目山口組・高山清司若頭は総裁に就任するという。さらに、竹内会長の山口組直参への昇格も秒読み段階といわれている。

「一報を聞いた時は、正直耳を疑ったが、竹内さんが弘道会の3代目会長に就くことは前々から既定路線だった。高山若頭は現在一審で有罪判決を受けている状況で、控訴してもおそらく実刑を免れることはできないだろうから、将来、収監されて自身が舵取りをできず、弘道会が弱体化しないよう、基盤づくりに着手したのではないか」(東海地方の山口組組織幹部)

 2010年11月、建設業関係者に対する恐喝の容疑で逮捕された高山若頭だが、当時、司6代目は銃刀法違反により服役中。さらに、わずか2週間後には山口組ナンバー3の総本部長を当時、務めていた舎弟頭の入江禎・2代目宅見組組長まで逮捕、一時的ではあったがトップ3が不在という山口組創設以来の緊急事態を迎えたこともあった。

 高山若頭は、起訴された後の今年3月、京都地裁において恐喝罪で有罪となり懲役6年の判決を言い渡されている。その時点か、もしくは判決が出るずっと以前の逮捕された頃からか、あまり時間を置かずに竹内3代目体制を発足させるというプランを温めていたと思われる。そんな竹内会長に関しては、「ストイックだが、それは司6代目と高山若頭譲り。もちろん個人差はあるだろうけどヤクザとしての芯の部分が似ている。だから代替わりしたとしても、組織としての本質が変わらない。強豪ぞろいの山口組傘下組織の中でも、弘道会が別格と言われる要因はそこにある」(同)という。

 こうした組織改編の中、目下囁かれているのが山口組本家の代替わり、つまり司6代目の跡目として、7代目のイスにはどの親分が座るのかという話題だ。通常の組織ならば、トップ引退後はナンバー2のポジションにある若頭や理事長がその席に座る可能性が高いだろう。だが、そうスムーズには物事が運ばないのがヤクザの世界。現在の6代目体制で考えれば、高山若頭が7代目となるが、その線はないというのが大方の予想だ。それは先述したように高山若頭は近い将来、実刑判決が濃厚であるからということにほかならない。加えて司6代目が当代を退いた時点で、そのまま一緒に役職を外れるのではとの声も聞こえる。

「司6代目の不在中、高山若頭が全権を委任されていたときには、事あるごとに、功績を残した人材や、自身よりも渡世歴が長い親分衆でも構わず、バッサバッサとクビを切っていった。それだけに、高山若頭を親分に推す人はまずいないだろう。頭が切れる人だから、そのことは自分でもわかっているはず。トップが5年以上も懲役で不在なんて、並の組織だったら崩壊しているよ。でもそうならないために、あえて嫌われ役を買って出たという面もあったとは思う。だが、あまりにもドライというか情がなさすぎたというか、まさに恐怖政治そのものだった」(山口組関係者)

 山口組7代目人事については後述するとして、次からはここにきて何かと騒がしい6代目山口組の現状を見てみよう。

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