世界的な“むし”の権威が語る!――技術革新で変わる採取と新種の発見
2020年12月21日 11:00
2013年7月22日 11:00
──かつてはゴールデンで放映され、安定した視聴率を獲得していた歌番組。だが、それも現在では深夜枠に追いやられている。この不毛なジャンルはどこに向かうのだろうか?
歌番組の凋落が止まらない――。1970~80年代は、『ザ・ベストテン』(TBS)、『夜のヒットスタジオ』(フジ)、『紅白歌のベストテン』(後の『ザ・トップテン』・日テレ)などの番組が、ゴールデンタイムを席巻していたことを記憶している読者も多いだろう。視聴率も『ザ・ベストテン』が全盛期の80年代初頭で平均18%、最高視聴率は40%超えを記録。そのほかの番組も平均12~18%を叩きだしていた。
その後、冒頭に挙げた各番組は80年代後半に軒並み終了、一時、歌番組そのものが失速するものの、90年代に入るとバラエティ要素を強く持たせた『HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP』(フジ)や『うたばん』(TBS)が登場。平均視聴率は15%強を誇っていたが、現在では、それらも消滅。先日、『HEY!HEY!HEY!~』が特番で復活したが、現存している有名ドコロの歌番組は『ミュージックステーション』(テレ朝)や『MUSIC JAPAN』(NHK)が挙げられる。だが、現在の歌番組の多くは深夜帯で放映されており、また、レーベルとの密接なつながりで辛うじて放映されているのが現状だという。
「歌番組では視聴率が取れない時代になり、今はどの番組も視聴率が一桁台。人気アイドルや売れているバンドが登場しても、良くて8%程度にしかならない」(テレビ関係者)
さてここでは、こうした歌番組がなぜ凋落したのか、その裏面史と、歌番組の展望を見ていこう。
まずは、歌手を中心にマネジメントする芸能プロダクション、いわゆる”歌プロ”の幹部は、聴き手の変化について次のように解説する。
「80年代後半、CDが世に出回った頃から、音楽コンテンツがジャンルごとに細分化され始めたようです。演歌、歌謡曲は還暦を過ぎた人達が聴く音楽、30~40代はJ‐POP、それ以下はアイドル……という、それまでなんとなく分けられていた業界のジャンルという不文律が確立された。こうした流れが加速すると、歌番組にも視聴者ターゲットに合った歌手だけを出演させる番組構成が求められるのですが、それではマス(= 大衆)を相手にした視聴率は取りづらい。そこで生まれたのが、幅広い視聴者を持つバラエティ番組と歌番組の融合です」
こうした理由により、アイドルから演歌歌手までが登場する70~80年代の歌番組の視聴率が急降下し、『ベストテン』は89年に、『トップテン』は86年に、『ヒットスタジオ』は90年に打ち切られることになり、『HEY!HEY!HEY!~』などの新たな歌”バラエティ”番組が登場した格好だ。
さて、この「新ジャンル」の誕生は、90年代からすでに始まっていた視聴者の”テレビ離れ”を阻止するための施策だった。これまで本誌でも再三指摘してきたが、この時期からのテレビ番組は、お笑いブームに便乗し、バラエティ化へとシフトしていった。さりとて、本来ならば視聴率の取れない歌番組をモデルチェンジさせてまで存続させる必要はないはずだが、舞台裏では「歌番組を残さなければいけない理由が明確にあった」と『ベストテン』など、多くの歌番組制作を手がけた元・河出映像センター長で映像評論家の清水浩氏は語る。
「存続理由は2つあり、まずは局としての”こだわり”。当時はテレビとはニュース、スポーツ、歌、ドラマ、娯楽から成り立つものという慣習が残っており、歌番組の視聴率が悪くても打ち切りまでは誰も考えておらず、『どうすれば生き残ることができるのか?』と吟味していた時代です。もうひとつは”政治力”。当時の音楽業界は、歌手の興行ビジネスによる収益の比率が大きく、『輝く! 日本レコード大賞』(TBS)や『NHK紅白歌合戦』に出場することがステータス。これら年末の大舞台を踏ませるためにも、一般視聴者に歌手や歌の存在を認識させる必要があったのです。そのために業界に多大な影響力を持つ大手芸能プロは、番組制作にプレッシャーをかけてきました」
小泉今日子や郷ひろみといった当時の人気歌手を擁するバーニングプロダクションはテレビとの連携が強いことで有名だが、一方で、90年代はZARD、B'zらが所属するビーイングが台頭した時代。同プロ創業者である長戸大幸氏は「旧態依然としたプロモーションを嫌悪し、独自の世界観を確立し、テレビに頼らない売り出し方を探っていった」(前出・歌プロ幹部)という。マスコミへの露出を極端に控えたZARDのプロモーションは、業界ではいまだ語り草となっている。
そんな歌番組もバラエティの融合を掲げ、一時は持ち直したかに見えたが、2010年前後からは視聴率が下げ止まらず、折からの不況で広告費も減少、70年代の歌番組同様、視聴者とスポンサー離れにより打ち切りへと進んでいった。
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