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「炎のアーティスト」キャンドル・ジュンがセレクト!”日本人の精神”を覚醒させるアツい本

2012年8月18日 10:00

――キャンドル・ジュン……謎めいたこの人物をめぐるさまざまな憶測は飛べど、本人がメディアに姿を見せることは少ない。しか~し!! 本誌はついにご本人にインタビューを敢行!さあ、皆の衆、まさにキャンドルの明かりのように「日本の今」を照らし出す、情熱的なジュン氏の言葉に耳を傾けたし!

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(写真/江森康之)

 東日本大震災。日本を一変させたこの出来事を機に、親交のあるアーティストと共に社団法人「LOVE FOR NIPPON」を設立し、復興支援活動に従事しているキャンドル・ジュン氏。これからの日本の道標となる本を紹介してもらいながら、彼を一連の活動へと向かわせる、熱い思いの源を探る。

──今朝(7月17日)、被災地から戻られたそうですが、今回はどちらに行かれたのですか?

キャンドル・ジュン(以下、ジュン)宮城県名取市です。仮設住宅でイベントをしてきました。

──キャンドルを灯すイベントですか?

ジュン  キャンドルは灯していません。バーベキューをしたり、ミュージシャンやプロレスラーを連れていったりという、現地の人たちとのコミュニケーションが主な活動です。

──「キャンドル・オデッセイ」では紛争地域を訪問されていますが、各国に関する本は読まれますか?

ジュン アメリカによるアフガニスタンへの攻撃に日本が賛同したことを現地・アフガンに謝りに行ったことがあります。その頃に『アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない 恥辱のあまり崩れ落ちたのだ』【1】を読みました。そこから学んだのは、思考停止に陥らないこと。多くの人は情報の引き出しはあるけれど、「じゃあ、どう思う?」と聞かれたら”自分との接点”で語れません。皆が誰かのせい、何かのせいにしているその瞬間が”悪”なんだと思うんです。

──では”平和”とはなんなのでしょう?

ジュン 世界平和とは、”自分の世界”だと考えます。まずは自分が触れられたり、身近な世界の平和を考えたいです。そこから東京、日本などとイメージできたらと思います。一般に言う世界平和って、秩序や規範が保たれている状態のこと。でも、平和ってもっと瞬間的なものだし、その一瞬に価値観の違う人間が何かを共有できた奇跡を感じることのほうが大切だと信じてます。今は他国のことは知らないと言いたいんです。だってうちの国のほうが大変なんだから。その思いが強いから、海外への旅も極端にしなくなりました。

──そういった平和に対する考えは、過去の読書体験に基づくところもありますか?

ジュン 中学生で本を読み始めたんですが、クリスチャンの家庭だったからかキリスト教をはじめ人の生き方にまつわる本が多かったんです。

──幼い頃から宗教が身近にあったわけですね。

ジュン キリスト教だけでなく、仏教なら『シッダールタ』【2】を読みました。キリストにせよ、ブッダにせよ、メジャーな宗教の開祖は特別な力を示すのではなく、「人はどうあるべきか」を示してきました。ただ、彼らは旅をしていたんです。そこに限界があったんじゃないかと思います。

──つまり、旅には限界があると?

ジュン 『ローリング・サンダー』【3】というシャーマン(超自然的な存在と交信する呪術者)の本にも書かれている通り、アメリカインディアンやアイヌといった民族が示しているのは生活の方法です。つまり、賢者たちは、旅ではなく、その土地で長く暮らすための知恵を教えているんです。山や海、太陽といった宇宙のすべてと、いかに共存していくかという知恵。それを守っていくことが、自分たちのリスクマネジメントとして大事なんだという教えです。そこに今後の日本のヒントが隠されている気がします。

──原始宗教はキリスト教や仏教とは大きく異なるのですね。

ジュン まず今この時、”母なる大地”が中心であることを認識しなければ始まらない。その後、太陽を意識し、東西南北を意識していくと自然と円になる。そこに集う人たちも必然的に車座になるから、すべての人の顔が見えてコミュニティが理解できるんです。

──ちなみに、ご夫婦で東北にいらっしゃったことは?

ジュン 何度かあります。彼女(女優・広末涼子さん)だってもっと支援活動がしたいはずです。彼女のほうが知名度もあるし、現地の人も喜ぶと思いますが、彼女は子どもたちのことを優先してくれるので回数が限られます。けれど、自分ひとりが被災地へ行くんじゃなくて、家族とともに行っているんだと思いたいし、そう思ってほしい。

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