世界的な“むし”の権威が語る!――技術革新で変わる採取と新種の発見
2020年12月21日 11:00
2011年6月17日 08:00
ホラー作家としての顔のほかに、自らの恋愛や男性遍歴を赤裸々に描く『チャイ・コイ』『私小説』といった著作を持つ岩井志麻子と、"平成の私小説家"として純文学ファンから長く支持を集め、ついに芥川賞を獲得した西村賢太。自らの経験をまるで包み隠さず書く2人にも、書けないことはあるのか!? タブーなど存在しなさそうな、私小説のタブーに迫る!
(写真/江森康之)
父が起こした性犯罪を契機に15歳で家を飛び出し、日雇い仕事で暮らしながら大家に追い出されるまで家賃は一切払わない......そんな壮絶な生活を私小説にして書き続ける作家、西村賢太。一方の岩井志麻子は、実質デビュー作にして代表作である『ぼっけえ、きょうてえ』(角川書店)など、ホラー作家としての顔が有名だが、それと並行して、自身の恋愛と性愛を赤裸々に描いた私小説群も多数発表している。2人はなぜ、自身の姿をまるで包み隠さず作品にしてしまうのか? そんな2人であっても書けない"プライベート"は存在するのだろうか? その執筆のウラ側に迫る!
──私小説を数多く書かれるお2人には、身の回りに起きたことはどんなことでも書いてしまうイメージがありますが、自分の中でのタブーといいますか、作品には書けないようなエピソードもやっぱりあるのでしょうか?
西村 僕はまだ全然書けていないですよ。本当に言いたいことや、自分が痛いところには手を付けられていません。例えば、一緒に住んでいた女性との最後とか。僕が悪いんだけど、かなり手ひどい裏切られ方をされて、まだ客観視できない。だからその前段階のことを何度も書き続けているんです。事件を起こした父親についても同じで、ちょっと触れるくらいの卑怯なやり方しかできませんね。
岩井 それはいつか書けるようになる?
西村 父親については多分、彼が死ねば書けるんです。絶対迷惑かからないから。作中でも何度か触れていますが、7年間服役して出所したのが昭和60年頃。それからもう26年もたってるんですよ。それを今さら書くのは申し訳ない気がして、手控えちゃうんです。今はどこに住んでいるかも知りませんし。
──迷惑をかけてしまうのが不安、ということですか?
西村 哀れみなのかな。平穏なまま死なせてあげたいという。
岩井 ほかのご家族や親戚の方とも、連絡は取っていないんですか?
西村 一切ないんです。
岩井 そうなんですか。芥川賞作家になってテレビにも出てますし、気付いてはいらっしゃるんでしょうけどねぇ。
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