世界的な“むし”の権威が語る!――技術革新で変わる採取と新種の発見
2020年12月21日 11:00
2010年3月 2日 18:00
──ユニクロ、オムロン、ワタミ、モンテローザ......今をときめく大企業が続々と参入を続けている農業ビジネス。その裏にあるのはエコブーム? それとも食料自給率の低下? その理由と成功の可否を徹底分析!
"農業ブーム"の言葉がメディアを飛び交う昨今、大企業の農業参入が相次いでいる。昨年9月、イオンは全額出資子会社「イオンアグリ創造」を設立し、茨城県牛久市でキャベツ、小松菜などの栽培を始めた。そしてセブン&アイはそれよりも早い2008年8月に農業生産法人「セブンファーム富里」を設立。千葉県内の店舗で出た残渣を肥料として活用し、直営農場でニンジン、大根を作っている。
そのほかにも、食品メーカーではカゴメが99年から全国的に大規模なトマト農場を展開し、ドールは03年よりブロッコリーを生産して国産野菜ブランド「I LOVE」を確立。外食では01年に農場運営を開始したワタミが直営農場で有機野菜を、モスフードは共同経営する農業生産法人で07年からトマトを栽培している。さらにまったくの異業種である製鉄大手のJFEが99年から植物工場でレタスを、89年に植物工場を設立したセコムもハーブを生産し、JR東海は昨年からトウモロコシの栽培に着手した。
こうした企業参入の背景には、法律改正による規制緩和がある。農地法が制定されたのは、農業従事者のほとんどが家族経営だった52年のこと。当時は、法人が農地を所有したり耕作する事態を想定していなかったため、株式会社形態の企業による農地の所有が認められなかった。しかし近年、農業生産者の高齢化や後継者不足といった理由が重なり、耕作放棄地の増加が一気に問題化。これを受けて05年9月に改正農業経営基盤強化促進法が施行され、株式会社やNPO法人が、会社形態のまま、市町村の定めた区域で農地を借りられるようになったのだ。農林水産省の統計によれば、09年9月現在、農地を借りて農業に参入した企業は414法人(198市町村)。この1年だけでも94法人が増加と、史上最も高い伸びを示している。
農業専門誌「農業経営者」(農業技術通信社)副編集長の浅川芳裕氏によれば、参入企業の特徴は、大きく4パターン【次記事参照】に分かれるという。
「世間で騒がれているほど、参入企業の数は多くありません。また流通・小売業者が『自社生産の野菜を作って消費者に安く提供する』とうたっても、規模が大きくないので、生産量はたかが知れています。だから、コストダウンが目的ではなく、大部分は農業にかかわることでイメージアップを狙う企業と言っていいでしょうね。多くの一般農家は冷ややかに見ていますよ」
実際、参入した企業はほとんどといっていいほど儲かっていない。農水省が参入企業に対して行ったアンケート結果(06年)を見ると、売り上げ100万円未満の企業が実に6割。「業績が黒字」と回答したのは、全体のたった7%にすぎなかった。
実際、過去をひもとけば、華々しく企業が農業参入して失敗した歴史がある。その代表例がオムロンとユニクロだ。97年、オムロンは22億円を投資して7ヘクタールのガラス温室を北海道に建設。自社の技術を利用して糖度の高いトマト生産を手がけたが、黒字化のめどが立たず02年に撤退した。その年、入れ替わるように参戦したのがユニクロで、流通の合理化を掲げ、水と肥料を減らす「永田農法」を取り入れた高級野菜の販売を開始。糸井重里がブランド「SKIP」をプロデュースするものの、販売不振が続き、04年には早々と撤退している。
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