サイゾーpremium  > 特集  > エンタメ  > 山田邦子が感じた動画配信とテレビ出演の差

――収益に関してはどうですか?

山田 1カ月食っていけるほどもらえてはいません。すご~~く慎ましく生きていくのであれば、生活できる額面です(笑)。収益はさておき、マイペースで動画を更新しているとはいえ、やっぱりいろんな人に見てもらいたい気持ちはありますね。

――以前の取材では、常に粘着質なアンチが数人いると話されていましたが、現在のアンチとの接し方は?

山田 去っては現れて、という感じで常に3人くらいはいます。それに対して「歳なもので、どーもすみません」と返したりすると、「歳って認めるんだ? ハハハ」とか、ご新規のアンチの皆様にもしっかり対応させていただいています(笑)。ただ、対象が私だけでなく、誰にでもイヤなコメントを残す類のアンチもいらっしゃいますけどね。

――継続して改めて感じたメリットとデメリットはありますか?

山田 「次の動画も期待してます」という言葉をいただけただけでモチベーションにつながりますよね。コロナ禍で細々とではありますけど、舞台やイベントなどの告知をすれば足を運んでくださいますし。デメリットは……まあ、アンチコメントはあまり目にしたくないものですが、この文化のひとつとして割り切っている部分はあります。強いて挙げるのなら……やはり歳を感じたこと(笑)。

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――チャンネルを継続したフィードバックというのはありましたか?

山田 もともと私の生業はモノマネ漫談だったわけで、モノマネを主戦場としている後輩たちから「YouTube見てますよ」とメッセージをもらったりするんですね。それこそコロッケちゃんは同期だし、ノブ&フッキー、みはる、ホリ、私が司会をやってた番組の卒業生も多い。なので、彼らを束ねて同窓会のような特番をやりませんか? と、制作会社に提案したんです。こうしたアイデアが生まれるのも、YouTubeを続けているフィードバックだと感じています。

 あと、去年の5月からABEMAの番組でプロレス解説をやらせていただいているんですけど、とても楽しくて嬉しいです。前の事務所(太田プロダクション)でもずっとやりたかったことだけど、まったく実現しませんでした。それはなぜかって?

 太田プロはプロレスに関心がなかったから。太田の悪いところは、製作、営業ができないんですよね。もうね、がんばらないと。有吉(弘行)がコケたら全部コケちゃうよ、ホント。

――ABEMAはネットテレビですが、YouTubeも含めて、実際のリアルなテレビとの影響力の差は感じますか?

山田 なんだかんだでテレビはまだ強い。ただ、そろそろ逆転するでしょうね。視聴者の設定年齢をはじめ、テレビの仕掛け屋の考えが間違った方向を向いているのは明らかでしょう? テレビの視聴者は高齢者が多い。でも、渋茶で漬物を食べてる高齢者ではないんです。ジーンズを穿き、シャンパンを飲み、ロックンロールもジャズも好きな高齢者なんです。そろそろ広告代理店も、その間違った考えを是正しないと、ネットに置いていかれてしまいますよ。

還暦を迎えても衰えぬバイタリティ――山田邦子の“生き抜き続ける力”

――コンスタントに動画を配信するかたわら、今年の3月に著書『生き抜く力』(祥伝社新書)が発売されました。

山田 本当は出したくなかったんだけどね(笑)。ほら、生きている(芸能人の)方々のことも書くことになるから、迷惑をかけてしまうんじゃないかと。でも、いざ書き進めてみたら、亡くなった方も含め、お手紙のような気持ち、感謝の意を伝えられました。タイトルには「息(を)抜く力」という意味も持たせていて、コロナ禍で気が滅入ったり、報われなかったり、ガッカリするような出来事に見舞われている人たちが増えたと思うんです。なので、私の40年間の芸能生活、生きてきた60年を踏まえて、読んでもらえるみなさんに元気になってもらいたいなと。「ひとりぼっちだな」って感じる時代だけど、それは自分だけじゃないし、人生はあくまで自分が主役。落ち込むような出来事が起きたら、ぜひ読んでいただきたいですね。

――邦子さんのチャンネルで元気をもらう視聴者も増やしたいところですが、目指すは登録者数、何人を掲げますか?

山田 はるか先になるだろうけど、まずは100万人を目指します。そうしたら、みんなにごちそうできますから(笑)。バラエティ40年で培ってきた人脈をフル活用して、動画制作はもちろん、残りの人生も楽しみたいと思います。あと、いま映画の制作も進んでいるんですね。田中壱征監督という、とてもハートフルな映画を撮られる監督で、監督自ら脚本も書いてくださって。沖縄と東京がロケ地なんですけど、こんな時代なので宙ぶらりんではあったんですが、来年公開に向けて動いています。私は芸能事務所の社長役で出演しているんですけど、意地悪ではない良い役を演じているので、完成を楽しみにしていてください。

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山田邦子(やまだ・くにこ)
1960年、東京都生まれ。女性ピン芸人として『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』や『山田邦子のしあわせにしてよ』など初の冠番組を持ち、一世を風靡。現在は芸能活動を軸に、自身のYouTubeチャンネル「山田邦子 クニチャンネル」を開設し、歯に衣着せぬ発言で注目を集めている。今年2月に著書『生き抜く力』を上梓。

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Twitter〈@925_yamada
Instagram〈925yamada
Blog〈https://ameblo.jp/yamadakuniko/

YouTubeチャンネル「山田邦子 クニチャンネル」
https://www.youtube.com/channel/UCaYUegv1fnOwheSpgfiEJIg/videos


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