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連載
[連載]カナ夫&カナ子の「LA大麻栽培記」【3】

マリファナの“収穫量”を増やすテクと“天敵”の急襲

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 カナビス(マリファナ)を自宅で栽培している人たちと会話をすると、もっともよく出てくる言葉が“yields(収穫量)”。カナビスを育てているときに水のpH(水素イオン指数。液体の酸性・アルカリ性の程度を表す尺度のこと)を測ったり、サプリを与えたり、様々なケアをするのも、すべてバッズ(大麻の花芽)の収穫量を増やすためなんです。

 カナビスが数週間育ったときに、そんな収穫量を増やすために実行する最初のテクニックといえば“トッピング”。カナビスの生長を促進させるための方法のひとつで、カナビスの主軸となる枝の先端をカットすることにより、脇芽の生長を促します。この手法は、日本でももともと盆栽などで用いられ、“芽摘み”や“摘心”と呼ばれているようですね。

 カナビスは多くの植物と同じように、頂点芽優勢と呼ばれる性質があるんです。要するに、茎の一番頂点の芽を優先的に生長させ、それにより下の脇芽の生長を抑えようとします。そのため、茎の先端にある芽を取り除くことで、脇芽に成長ホルモンを集中させ、花芽が付く枝を増やし、カナビスのバッズの収穫量が増える、というわけです。トッピングを行わずにカナビスを自然に任せて栽培すると、主軸が一本だけ生長し、その一本の枝からしかバッズは収穫できません。でも、トッピングをすれば、切った主軸が枝分かれして脇芽が生長し、バッズを収穫できる枝が増える。また、脇芽に光と空気を当てることになるので、そこからバッズが発生しやすくなリます。ただし、カナビスに4つから5つの節(茎から葉が生えている箇所)ができてから行うのが理想的です。その前に行ってしまうと、回復力が遅くなり、生長が遅くなってしまうようなんですね。

 そんなトッピングというテクニックを初めて使用する私たちは、カナビスを切るのがなんだかもったいないと思っていましたが、前回ご紹介したハイドロポニックス店(水栽培の園芸屋)の店長アンディにも、収穫量を増やしたかったら絶対にカットしたほうがいいと念を押されました。私たちが育てているフリーダという名のカナビスは、すでに5つ以上の節ができてしまっているので、早めにトッピングをしたほうがいいとのことです。そこで、家に帰ってから、ついにトッピングすることを決意。主軸となっている茎の頂点にある芽を見つけ、その少し下の節に脇芽があることを確認すると、トップの芽を園芸用ハサミで大胆にカットしました。アンディいわく、このときに茎を少し残しておくことがポイントだそうです。

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バッズの収穫量を増やすために、カナビスの頂点にある目をハサミでカット。

 それから1週間くらいすると、カナビス全体の生長が格段に早くなりました。トッピングした芽の下にある枝が成長しているのもわかりますし、節や枝も太くなったんです。つまり、一本の主軸の枝だけではなく、植物全体に栄養とエネルギーが送られるようになったわけです。こうしてバッズの収穫量が増えていくのでしょう。

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芽をカットしたら、節や枝が太くなってきた。

 実は、トッピングにはもうひとつ目的があります。それが、カナビスの高さをコントロールすること。私たちが使っているテントは5フィート(1.5メートル)の高さがあり、その中に太陽の代わりとなるLEDのグロウライトを吊るすのですが、栄養成長期の間は、カナビスのてっぺんからライトまでの距離を大体24インチ(60センチ)ほどに保たなければなりません。それ以上近くなってしまうと、カナビスの葉っぱが日焼けし、変色してしまうんです。そしてバッズが発生する生殖成長期に入ると、さらにカナビスが伸び、その際にバッズが日焼けすると使い物にならないので、なるべくカナビスの背丈を短く保つ必要があります。しかし、この情報を知ったのがちょっと遅く……。トッピングをもっと早くしておけばよかったと後悔してしまいました。

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カナビスの頂点からライトまでの距離を保つためにも、トッピングは必要。

 ともあれ、トッピングをした後、枝が長く成長し始めたので、“ロー・ストレス・トレーニング(LST)”を行うことにしました。このテクニックは、枝を指先で曲げたり、園芸用の針金を使ったりして矯正することで、カナビスの背丈をコントロールし、すべての枝に満遍なく光を当てて、バッズが発生する箇所を増やそうというものです。これも日本の盆栽で昔から使われているようですが、LSTを行わないと、カナビスの中央に光が行き渡りづらく、枝が垂直に伸びるので、グローライトに近づきすぎてしまいます。そこで、すべての枝が大体同じ背丈になるように、長くなりすぎた枝を選び、そこに針金をくくり付けて優しく曲げながら、枝に付けた針金の反対側をプランターの脇にクリップで取り付けます。このとき、枝を傷つけないために、ソフトタイプの針金を使うことが重要。こうして枝を曲げて矯正すれば、枝全体に光が当たるので、枝の先端だけではなく全体にバッズが発生しやすくなるようです。

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このような針金を用いたLSTを行うことで、枝全体に光が当たる。

 このLSTを行った直後、針金を取り外しても枝は曲がったままですが、1日たつとまた光に向かって成長していくのがわかります。ただ、まだカナビスが若く、枝が曲げやすいときにLSTを行うほうが、枝を損傷したり折ったりする可能性が低いですね。また、枝に針金をくくり付ける際は、主軸の近くだと硬いので、なるべく柔軟性のある箇所を選んだほうがベター。そして、バッズを成長させるための生殖成長期に入ると、カナビスの背丈が倍になることもあるので、その期間中もLSTは持続しなければなりません。

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LSTを行う場合、針金を付けるのは柔らかい枝が望ましい。

 この時期、葉っぱを観察していて、白い斑点が付いた葉っぱがいくつかあることに気づきました。加えて、いくつかの葉っぱには、カタツムリが通ったかのような銀色っぽい跡もあったのです。

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葉っぱに白い斑点や銀色の跡が見られるが……。

 最初はなんともないと思って放っておいたのですが、アンディに写真を見せたところ、「これは“thrips”だ! すぐに駆除したほうがいい」と言われました。“thrips”とは、吸汁性の極小害虫であるアザミウマのこと。カナビスの天敵で、葉に穴を開け、そこから養分を吸い出し、銀色の跡を残していくそうです。どうやって家の中にこんな怖い害虫が入り込んだのかは見当もつきませんが、アンディに天然物由来の「Monterey Garden Insect Spray」という殺虫剤を勧められました。これに含まれるスピノサドと呼ばれる土壌細菌は、アザミウマをはじめ毛虫、蚊、ハダニ、アリ、ミバエといった害虫を駆除するのに効果的である一方、人間、動物、環境にとっては低負荷とのこと。そんな殺虫剤を水と一緒にスプレーボトルに入れて、カナビスの葉っぱの外側と内側、茎などに満遍なく噴射してみました。すると、1週間ほどで虫の問題は解決しましたね。

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購入した殺虫剤「Monterey Garden Insect Spray」とスプレーボトル。

 しかし、心配になったのは白い斑点以外にもありました。ところどころ葉脈間が黄色くなっていることにも気づいたのです。

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今度は葉脈間が黄色くなったが……。

 再びアンディに相談したところ、「おそらくマグネシウムが不足している」とアドバイスされました。そして、彼の勧めでマグネシウム欠乏症に効果的な「Botonaicare Cal-Mag Plus」という液体サプリを19.50ドルで購入。カナビスに水をあげる際、カルシウム、マグネシウム、鉄分を含むこの液体を5ミリリットルほど混ぜたところ、2週間ほどで問題は解決しました。なお、このサプリは花芽形成の時期に入っても与え続けるとよいそうです。

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液体サプリ「Botonaicare Cal-Mag Plus」を使うと、葉脈間の黄色は消えた。

 かようにトラブルにも見舞われましたが、この後、ついにグロウライトの明暗スケジュールを12時間の光、12時間の闇に切り替え、生殖成長期を促すことになります。ちゃんとバッズが発生するのか、心配でもあり、楽しみでもありますね。

カナ夫&カナ子(かなお&かなこ)
東京出身、ロサンジェルス在住のフリーライターとカメラマン夫妻。音楽、アート、エンタテインメントの世界に長年関わってきたのに、これまで大麻は一度も吸ったことがなかった珍しい2人。ストレス、腰痛などを改善するべく、40代からカナビス(大麻)を健康目的で使用するようになる。カナビスの苗を知人からもらったことをきっかけに、現在栽培中。


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