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第1特集
警察は「芸能界の裏面」をどう見ている?

「1日署長」選びも一苦労 超多忙な芸能班の仕事とは?

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MEMO芸能班
警視庁内の暴力団対策部署内にあるチーム。芸能人の、裏社会との交友関係や違法行為などを調べている。

 警視庁内組織犯罪対策第四課は、主に広域暴力団対策を任務としているが、ここには俗に"芸能班"と呼ばれる捜査チームがある。この夏、芸能界を激震させた押尾学と酒井法子の覚せい剤事件以降、この芸能班に同庁所轄の警察署から問い合わせが殺到したという。

「問い合わせの内容というのは、『○○というタレントを、今度1日署長で使いたいんだけど、大丈夫か?』というもの。要は、起用した直後にでも、暴力団との交際や薬物使用の噂が出てきたら、シャレになりませんからね。そのためのリサーチでした」と語るのは、芸能班に近い警視庁関係者。

 芸能班がどれくらいの人数で構成されているのかなど、詳しいことは公にされていないが、彼らは頻繁に芸能プロ関係者や芸能記者と会い、情報交換をしながら、どの芸能プロやタレントが、どの暴力団と付き合っているかなどといった情報を把握しているという。本特集のP53でも報告している通り、芸能界と暴力団との関係は、いまだ「公然の秘密」として継続している。だが、交際をしているだけでは、何の罪にも問われない。芸能プロから暴力団関係組織に裏金が流れたり、両者の間で薬物の売買がなされたりしていないかなど、違法行為が行われていないかを総合的にチェックしているようだ。

「暴力団絡みの案件で、芸能プロや芸能人が摘発されることは実際にはほとんどありません。仮に芸能界から資金が流れていたとしても、フロント企業を仲介させたり、別の名目で取引したり、表向きは実態が伴う形にするなど、その手口は巧妙です。それでも、芸能班というものをつくり、当局が目を光らせているという状況があるだけで、少しは黒い交際の拡大を防ぐための抑止力にはなっているでしょう」(前出・警視庁関係者)

 そんな芸能班が、色めき立った事件が2001年に起きている。大手芸能プロ・バーニングプロダクション事務所への銃撃事件だ。同年5月と10月の2回にわたり、同事務所へ何者かにより銃弾が撃ち込まれた事件だが、犯人はいまだ特定されていない。

 バーニングの社長には、かねてから裏社会との付き合いが噂されていた。前年には、「サンデー毎日」が芸能界のタブーとされていた、バーニングの実態に迫った記事を複数回掲載。そこでは、同プロと闇社会のフィクサー・許永中とのつながりや、同プロによる不動産取引に暴力団関係者がかかわっていたことなどが指摘されていた。銃撃事件が起こったのは、そんな社会的関心も高まっていた矢先だった。

「バーニングを中心とした芸能界と裏社会の関係を洗い出せると思ったのですが、実際にはあまり踏み込んだ捜査ができなかった。というのは、銃撃を受けた被害者であるはずのバーニングの態度が、この事件の解決を望んでいないようなものだったんです。被害届も出さず、捜査にも非協力的。常識的に考えたら、ほじくられたくない事実があると思えるものでした」(前出の警視庁関係者)

 警察をもってしても、なかなかしっぽをつかませない芸能界と暴力団との黒い交際の実態。2年前には警視庁北沢署の巡査長の私物のパソコンから、暴力団関連の捜査資料が流出するという騒ぎがあった。そこには、暴力団とつながりがある人物として、複数の芸能プロ関係者やタレントの名前が列挙されていた。

「ファイルが漏れたことは大失態だが、あれで芸能界と暴力団との接点が公然のものとなった。それでも、テレビ局などは、あそこに名のあった芸能プロのタレントを使い続ける。当局の取り締まりも重要だが、彼らを受け入れる業界や社会も、黒い交際に対して厳しい目を向けてほしい」(前出・警視庁関係者)

 警察頼みでは、芸能界の浄化は当面見込めないのかもしれない。
(編集部)


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