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第3特集
"美人すぎる"キャスターたちがテレビに出まくる本当の理由【1】

テレビを殺した"美人キャスター"たちの罪と罰

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──本誌では、再三にわたり民放キー局の女子アナたちの"アイドル化"を憂いてきた。「彼女たちに報道のアンカーが務まるのか?」と。だが近年、局アナをも凌駕するほどの人気とアイドル性をもつアンカーウーマンが跋扈している。小林麻央、滝川クリステルら、フリーアナ&キャスターたちである──。

 現在、フリーアナ&キャスターを専門に扱うプロダクションは全国に数多くある。厳密な両者の違いは後述するとして、その中でも老舗といわれているのが、元NHKの名物アナで国内初のフリーアナである高橋圭三(故人)が1962年に起業した「圭三プロダクション」だ。もともとは自身の個人事務所という意味合いが強かったが、その後、フリーアナという仕事の確立と、同じように退社した局アナのマネジメント、さらに後進の指導のため、徐々に規模を拡大するようになった。同プロは今でもNHKに深いパイプを持ち、無料で参加できるアナウンススクール「圭三塾」は、さながらNHK女子アナの養成学校のような存在だという。同塾出身のフリーアナが語る。

「民放各局のアナウンススクールと大きく違うのは、学校自体をビジネスにしていないところ。教える内容は基本に忠実で、しゃべり手を育成するという点では、とても勉強になりました。有望な学生にはNHKの局員を紹介してもらえ、採用試験で少し有利になるって聞いたことがあります。私は、そこまでいきませんでしたけど......」

 その圭三プロに続いたのが、大橋巨泉や小倉智昭、宮川俊二らが所属するオーケープロダクション(69年設立)と、関口宏や根本美緒らが所属する三桂(76年設立)。前者は大橋巨泉、後者は関口宏の個人事務所だったが、次第に地方局のアナウンサーなどを集めるようになり、キャスター派遣事業へと乗り出していった。

「キャスター事業の黎明期は、テレビ番組への出演がメインではなく、結婚式やイベント司会が主な仕事でした。女性キャスターという職業自体、業界では軽く見られていましたからね」(キー局社員)

 そんな体質を大きく変えたのが、三桂から独立した久保地美晴氏が94年に設立したセント・フォース(以下、セント)の存在。同プロが飛躍したキッカケは、TBS系『サンデーモーニング』だった。当時を知る芸能プロ幹部が解説する。

「『サンデー』のプロデューサーが、女子大生キャスターを探していたんですよ。当時、情報番組には局アナが出演するのが常識だったんですが、ややマンネリ化していたんです。ちょうどその頃、セントは新興の事務所で女子大生や若い世代のアナウンサーを多数抱えていたので、売り込むことに成功した。そこからセントの飛躍が始まったんです」

"キレイな女子大生"が キャスターブームを牽引?

 セントの所属アナウンサーで、最初に注目を浴びたのが『ニュースステーション』(テレ朝系)のお天気お姉さんに94年に抜てきされた大石恵。「キレイな女子大生」という触れ込みで、サラリーマン世代を中心に一気に大ブレイクしたのだ。

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実力と権力がひと目でわかる? 大手キャスター事務所勢力図↑画像をクリックすると拡大します。

「テレビ業界の女子大生ブームが沈静化した後だったので、番組としては冒険だったと思いますよ。けど、彼女が世間に認知されたことで、"アナウンサーとしての女子大生"という肩書に大きな価値が生まれました。彼女の成功なくして、今のセントはなかったでしょう」(同)

 また、同時期に『めざましテレビ』(フジ)のお天気お姉さんとして出演していた同じくセント所属の角田華子の存在も大きかったという。

「お天気お姉さんのアイドル化に拍車をかけたという点と、フジとのコネクションを強固なものにしたという点で、セントの発展に非常に貢献したと思います。情報番組において、ニックネームで名前を呼ばれたお天気キャスターは、彼女が初ではないでしょうか。しかも彼女が視聴者に受け入れられたことで、『めざまし』のお天気枠はセントの独占状態になりました」(制作会社幹部)

 さらに、セントを語る上で忘れてはいけないのが、ミスキャンパスとの強いつながりである。女子大生専門のモデル事務所であるキャンパスパークと提携し、全国津々浦々のミスキャンパスを女子大生キャスターとして受け入れるようになったのだ。

「3年ほど前から、学生時代にセント所属だったキャスターが局アナとして何人も入社するようになったんです。TBSの出水麻衣アナ、テレ東の前田海嘉アナ、相内優香アナなどがその代表格ですね。こうしてさまざまな局に女子アナを輩出することにより、一層テレビ局との絆は深まっていきました」(同)

 そしてその絆は深まるところまで深まり、ついにはフジと共テレ、セントの3社で共同会社フォニックスを成立するまでに至った。

「もはやセントは、キャスター版のバーニングプロですよ。テレビ局と結託することで業界を牛耳るようになり、ついには番組キャスティングにまで口を出すようになってきたと聞きます。ただ、その傲慢さもいつまで続くか......。結局、人気があるのは小林麻央や皆藤愛子といった所属アナのごく一部ですからね。キャスター事務所なんて大言していますが、実質的にキャスターと呼べる人は、200人近く所属するアナウンサーの中で、中田有紀と杉崎美香の2人しかいないのが現状なんです」(フジ関係者)

キャスターとアナウンサーその明確な違いとは?

 では、キャスターとアナウンサーの違いはなんなのか。法政大学社会学部教授で、多くの女子アナを輩出してきた自主マスコミ講座を主催する法政大学の稲増龍夫教授に聞いた。

「大まかに言ってアナウンサーというのはスポーツから報道、バラエティまでオールジャンルを担当する職業。一方のキャスターは、報道番組に特化し、安藤優子さんや田丸美寿々さんのように、経験と知識があって自分の言葉で出来事を説明できるアナウンサーを指すのではないでしょうか。しかし、海外のアンカーマンとは若干、性質が違うように思います。彼らは政治的に自分のスタンスを持っていますし、ジャーナリストとしての役割を多く求められる。けど、日本の場合は、久米宏さんもおっしゃっていましたが、ジャーナリストではないんですよ。とにかく番組をうまく仕切れるかどうかも評価の一部になっているんです」

 また、東京工科大学メディア学部の碓井広義教授もこう話す。

「よく朝夕の情報番組で、スポーツ新聞を読み上げるコーナーがありますよね。あれはキャスターのやるべき仕事ではないと思っています。というのも、自分で検証もせずに他人のフンドシで仕事をしているワケですから。冬場であっても国会議事堂の前に立って何かを取材するとか、議員会館で誰かに話を聞くとか、追っかけているとか、事件の現場で聞き込みをしたりとか、そういう経験を積んだ上での言葉じゃないから、重みがないんですよ」

 こうした中、これまで多くのフリーアナ&キャスターが誕生してきたが、全員が成功できたワケではない。明暗を分けるポイントは一体どこにあるのか。稲増氏が話を続ける。

「テレビ局を辞めてフリーになるメリットは、自分のやりたいことができ、ワガママを通せること。ただ、そこには大きなリスクがあって、頼るのは自分の実力しかなくなるわけです。ある程度、人気を獲得した女子アナだったら、自分ひとりでやっていけると思うのも仕方がないのですが、それが本当の実力と人気だったのか、ちゃんと見極める必要があるんです。退社を決断するときに自分の実力を過信していると、フリーになった後に辛酸をなめる可能性が高い。女優になりたいと言って退社した元日テレの魚住りえさんが、その典型といえるかもしれませんね」

 とはいえ、文字通りフリー(自由)を夢見て退社する局アナが後を絶たないのも事実。このテレビ不況のさなか、今後はどのような状況が彼女たちを待ち受けているのか。

「フリーアナとしての活動は幅広くあると思いますよ。これからテレビ局は、イベント事業に積極的に乗り出すでしょうから、司会者やリポーターとして重宝がられるはず。特にフジは、ブライダル事業に本腰を入れ始めていますからね。とりあえずフォニックスでフリーアナを囲い込んでおいて、安いギャラで結婚式の司会などをさせる。局アナには頼めないような小さい仕事がドンドン回ってくるはず。大ブレイクはしないまでも、生活する分には困らないでしょう」(碓井氏)

 TBS・小林麻耶アナのように見切りをつけ、キャスター事務所を目指す女子アナは増加していくに違いない。

 さて、本特集ではフリーアナとキャスターは、例外を除き「キャスター」という呼称を使うが、次項から、近い将来メインストリームに躍り出るだろう女性キャスターに焦点を当て、彼女たちのパーソナリティから置かれている環境まで多角的に分析していきたい。

(取材・文/岩友江理)
(絵/金子ナンペイ)

キー局が戦々恐々とする次にフリー宣言するアナ

 TBSの看板アナである小林麻耶がフリーに転向し、彼女の次に続くフリー予備軍は誰なのか、という話が業界で囁かれている。「高島彩が最有力候補」と話すのは、フジ関係者。

「高島は、実力・人気ともにピークを迎えている状態。彼女がフリー転向を決意すれば、芸能事務所も含め、手を挙げるプロダクションは10社以上になるでしょう。硬軟使い分けられる番組進行能力は、歴代女子アナの中でもピカイチ。ゆず・北川悠仁との結婚が囁かれていますが、辞めるタイミングを見つけるとしたら、『めざましテレビ』(フジ)キャスターである大塚範一の降板時でしょう。彼女も愛着ある番組だけに、筋を通すならそこしかない」

 彼女のほかにも、後輩の中野美奈子、テレ東の大橋未歩が、定年説の囁かれるアラサーになるが......。

「本来、大橋は今年3月で退社するといわれていたんです。けど、夫であるヤクルト・城石憲之選手が昨季でクビになるという噂があったため、安定を取って思いとどまったみたいですね。どちらにせよ、年末か来年4月に退社する可能性は高い」(放送作家)

 一方の中野は、局の上層部に退社を引き留められたという話だ。前出の関係者が語る。

「昨夏からずっと悩んでいたんです。年末にはフォニックス所属の話も進んでいたみたいですが、陰りが見えたとはいえ、彼女の人気と知名度は抜群。今すぐに手放すのは惜しいと考えた上層部が、『とくダネ!』キャスター抜てきを条件に残留させたようです」

 さまざまな思惑があるようだが、人気アナ全員が独立したからといって、必ず成功するとは限らないのだが......。


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