> 萱野稔人の検索結果

萱野稔人 の検索結果

連載
哲学者・萱野稔人の「"超"哲学入門」第41回

【哲学入門】統計データをつかって社会の問題を把握したり解決しようとすることは権力にあたる。

―― 近年、統計学という学問がとても注目されています。ビジネス書には統計学を指南する本があふれていますし、大学でも統計学を教育課程のなかに組み込むところが少しずつですが増えています。少しまえに「ビッグデータ...

【哲学入門】統計データをつかって社会の問題を把握したり解決しようとすることは権力にあたる。
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第40回

【哲学入門】どんな性悪な人間であろうと、道徳に拘束されてしまい、自分の行為を正当化したがる。

―― 道徳についてしばしば「性善説か、性悪説か」ということが議論になります。人間の本性は善なのか悪なのか、という問題です。西洋の哲学の歴史においては、しかし「性善説」「性悪説」という概念はあまりでてきません...

【哲学入門】どんな性悪な人間であろうと、道徳に拘束されてしまい、自分の行為を正当化したがる。
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第39回

【哲学入門】権利だけで国家を理解しようとする契約論的な国家論の限界を打ち破ってくれることこそ、ヘーゲル国家論の現代的意義である。

―― これまで2回にわたって、ヘーゲルは国家をどう考えていたのか、ということを考察してきました。ただ、それによってヘーゲルの国家論に疑問をもった読者もいるかもしれません。

【哲学入門】権利だけで国家を理解しようとする契約論的な国家論の限界を打ち破ってくれることこそ、ヘーゲル国家論の現代的意義である。
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第38回

【哲学入門】「実体」とは、特定の「倫理的理念」を共有した人びとの共同体を意味し、それこそが国家を「意志」する。

―― 今回も前回から引きつづき、ヘーゲルは国家をどのようなものとして考えていたのか、ということを考察していきましょう。前回はまず、引用文のなかの「国家は倫理的理念の現実性である」という言葉に注目しました。今...

【哲学入門】「実体」とは、特定の「倫理的理念」を共有した人びとの共同体を意味し、それこそが国家を「意志」する。
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第37回

【哲学入門】社会的に共有された倫理的観念を国家は刑法をつうじた取り締まりによって実効的なものにしている。

―― これまで二回にわたって、ヘーゲル『法の哲学』にもとづきながら、国家を哲学的に考察するとはどういうことか、ということを考えてきました。今回はそれを受けて、ヘーゲルは国家をどのようにとらえていたのか、とい...

【哲学入門】社会的に共有された倫理的観念を国家は刑法をつうじた取り締まりによって実効的なものにしている。
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第36回

【哲学入門】「存在するところのものを概念において把握するのが、哲学の課題である」――ここにヘーゲルの哲学観が凝縮されている。

―― 前回から引きつづき、今回もヘーゲル『法の哲学』の一節について考察していきましょう。

【哲学入門】「存在するところのものを概念において把握するのが、哲学の課題である」――ここにヘーゲルの哲学観が凝縮されている。
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第35回

【哲学入門】ヘーゲルの論じている、「国家を哲学的に考察する」とはどういうことかを考える

―― ヘーゲルはドイツ観念論を代表する哲学者であり、カール・マルクスをはじめ、その後の哲学者や思想家に多大な影響をあたえた哲学者です。が、日本の現代思想の世界ではあまり人気がありません。

【哲学入門】ヘーゲルの論じている、「国家を哲学的に考察する」とはどういうことかを考える
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第34回

【哲学入門】〈他者〉とは、〈人間〉とは、特別な道徳を人間に求めてくる特別な存在である。

―― 前回から引きつづき、今回もエマニュエル・レヴィナスの他者論について考察しましょう。ふたたび上の引用文をみてください。引用文の終わりのほうでレヴィナスは「〈他者〉の超越」と述べています。これは、世界に存...

【哲学入門】〈他者〉とは、〈人間〉とは、特別な道徳を人間に求めてくる特別な存在である。
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第30回

【哲学入門】〈他者〉はなぜ〈他者〉なのか? 哲学の重要な問いについて考える

―― 現代の哲学において「他者」の問題はひじょうに重視されてきました。ここでいう「他者」とは自分と異なるすべての人のことです。その「自分と異なる」ということをいかに尊重しながら他者に向き合えるか、というのが...

【哲学入門】〈他者〉はなぜ〈他者〉なのか? 哲学の重要な問いについて考える
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第32回

【哲学入門】例外状況になったとき、法に不可欠な「決定」というものが純粋なかたちであらわれる

―― 前回から引き続いて今回も、カール・シュミットの「例外状況」の思想について考えていきましょう。シュミットのいう「例外状況」とは、現代の私たちが「非常事態」だとか「緊急事態」などと呼んでいるものです。たと...

【哲学入門】例外状況になったとき、法に不可欠な「決定」というものが純粋なかたちであらわれる
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第31回

【哲学入門】「非常事態」において主権者はどう行動するのか――主権者と法の関係性

―― このところ「緊急事態」だとか「非常事態」といった言葉をしばしば聞くようになりました。たとえば2015年11月、フランスのパリでコンサートホールやサッカー場などを標的としたテロ事件が発生し、120人以上...

【哲学入門】「非常事態」において主権者はどう行動するのか――主権者と法の関係性
ニュース
萱野稔人著『哲学はなぜ役に立つのか?』公開記念

【哲学者・萱野稔人】Kindle版、Kindle Unlimited配信記念インタビュー&“活字と電子書籍の過剰供給”の哲学的解釈

―― Amazon.comによるKindle Unlimitedのサービスが開始された。哲学者・萱野稔人氏は、「月刊サイゾー」の連載において、『複製技術時代の芸術』(ヴァルター・ベンヤミン/晶文社)を引用し...

【哲学者・萱野稔人】Kindle版、Kindle Unlimited配信記念インタビュー&“活字と電子書籍の過剰供給”の哲学的解釈
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第30回

【哲学入門】英国がEU離脱を選択した背景には「主権は国民のもとにあるべきだ」という主張が根強くある

―― 今年6月におこなわれたイギリス国民投票の結果は世界を驚かせました。まさかイギリスが国民投票でEU離脱を選択するとは、多くの人は予想していなかったに違いありません。その結果について日本では、イギリス国民...

【哲学入門】英国がEU離脱を選択した背景には「主権は国民のもとにあるべきだ」という主張が根強くある
連載
学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第29回

【哲学入門】あらためて注目される分配の問題――限りある資源を誰に、どのように、分配するのが正しいのか

―― 分配の問題があらためて注目されています。たとえばヨーロッパ諸国では極右政党が勢力を増しています。なぜ人権を重んじるヨーロッパの国々で、移民排除を唱える極右政党が支持を拡大しているのでしょうか。それは、...

【哲学入門】あらためて注目される分配の問題――限りある資源を誰に、どのように、分配するのが正しいのか
連載
学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第28回

死刑には犯罪者に犯罪を思い止まらせる「きびしさ」が足りない――死刑制度を初めて否定した哲学者が提案する代案

―― これまで2回にわたって死刑の問題を考えてきました。1回目はチェーザレ・ベッカリーアの死刑廃止論をとりあげました。

死刑には犯罪者に犯罪を思い止まらせる「きびしさ」が足りない――死刑制度を初めて否定した哲学者が提案する代案
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第27回

正義論から死刑を肯定する――他人を殺した人間は正義を回復するためにはみずからの命でつぐなわなければならない

―― 前回はチェーザレ・ベッカリーアの死刑廃止論を検討しました。ベッカリーアは哲学の歴史のなかで、とりわけ近代以降の哲学の歴史のなかで、初めて正面から死刑に反対した思想家です。ベッカリーアの死刑廃止論がでた...

正義論から死刑を肯定する――他人を殺した人間は正義を回復するためにはみずからの命でつぐなわなければならない
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第26回

死刑反対論――人々が身の安全のために作った「近代国家」に相反する「死刑制度」は間違っているのか

―― 読者のみなさんは死刑制度に賛成でしょうか、反対でしょうか?

死刑反対論――人々が身の安全のために作った「近代国家」に相反する「死刑制度」は間違っているのか
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第25回

奴隷道徳である「ルサンチマン」が「創造的」になると"道徳"を創りだし、社会を支配する

―― 読者のなかには「ルサンチマン」という言葉をきいたことのある人も少なくないでしょう。おもに“負け組”の人が“勝ち組”の人に対してもつ「反感」や「非難」「ねたみ」の感情をさす言葉です。

奴隷道徳である「ルサンチマン」が「創造的」になると
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第24回

政治に携わる際に必要な倫理とは何か。「心情倫理」と「責任倫理」について考える

―― 正しい動機から行動したからといって、それが正しい結果をもたらすわけではない――。これが政治の難しいところですね。

政治に携わる際に必要な倫理とは何か。「心情倫理」と「責任倫理」について考える
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第23回

「……とは何か」という哲学的な問いは、ものをそのように存在させている原因を考えることである

―― 私たちはしばしば「……とは何か」と考えることがありますよね。たとえば熱烈な恋愛を経て結婚したにもかかわらず結局離婚することになった人は「結婚とは何か」と考えるかもしれません。

「……とは何か」という哲学的な問いは、ものをそのように存在させている原因を考えることである
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第22回

法の名のもとで強制力を発揮する国家は資本主義にとってなくてはならないものである

―― 前回から引き続き、今回もドゥルーズとガタリの議論を援用しながら国家と資本主義の関係について考えていきましょう。

法の名のもとで強制力を発揮する国家は資本主義にとってなくてはならないものである
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第21回

資本主義の発達によって国家はなくならず、新しい役割を担うようになる

―― 今回は資本主義と国家の関係について考えましょう。

資本主義の発達によって国家はなくならず、新しい役割を担うようになる
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第20回

近代国家ができる前には人類は平和な生活をしていた、という考えは誤りである

―― 近代国家や資本主義ができるまえ、人間はもともと平和的で牧歌的な暮らしをしていた、と考える人は少なくありません。近代国家や資本主義ができたからこそ、人間は大規模な戦争をするようになったのだし、物欲を肥大...

近代国家ができる前には人類は平和な生活をしていた、という考えは誤りである
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第19回

国家は合法的な暴力そのものを独占しているのではなく、法的判断を独占している

―― 前回は、どのような理由で合法な暴力と違法な暴力が区別されるのか、という問題を考えてきました。

国家は合法的な暴力そのものを独占しているのではなく、法的判断を独占している
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第18回

なぜ死刑という「暴力」は合法なのか?合法的な暴力と不合法な暴力の違いについて考える

―― かつて日本最大のヤクザ組織である山口組と、そこから分裂した一和会のあいだで、大規模な抗争が繰り広げられたことがありました。1980年代半ばから後半にかけてのことです。当時、その抗争は「山一戦争」と呼ば...

なぜ死刑という「暴力」は合法なのか?合法的な暴力と不合法な暴力の違いについて考える
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第17回

いくら口で立派なことをいっていても行為がともなっていなければダメである

―― みなさんのまわりにもいませんか? 口ではエラそうなことをいうけれど、実際の行動がまったくともなっていない人が。

いくら口で立派なことをいっていても行為がともなっていなければダメである
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第16回

「規律・訓練」という権力の目標は、能動的にものごとを生産してくれる人間をつくることである

―― 前回は暴力(物理的強制力)を背景とした権力の特徴について考えてきました。一言で権力といっても、そこにはいろいろなタイプのものがあります。これが前回の大きなポイントでした。

「規律・訓練」という権力の目標は、能動的にものごとを生産してくれる人間をつくることである
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第15回

「権力」とは何か? 「相手を従わせる可能性」について考える

―― 権力とは私たちにとってとても馴染みのあるものですね。「あの人は権力者だ」とか「マスコミは権力を監視すべき」といったように、私たちはよく「権力」という言葉をつかいます。ただ、権力とは何か、と改めて問われ...

「権力」とは何か? 「相手を従わせる可能性」について考える
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第14回

防衛のための暴力を民主的に用いることは暴力をめぐる理論を刷新するか?

―― 今回とりあげる『マルチチュード』は、イタリアの哲学者アントニオ・ネグリとアメリカの哲学者マイケル・ハートによって2 0 0 4年(日本語訳は05年)にだされた本です。「マルチチュード」とは「群衆」を意...

防衛のための暴力を民主的に用いることは暴力をめぐる理論を刷新するか?
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第13回

人類の歴史とは人類が自由を獲得していく過程である

―― 人類の歴史はどこまでさかのぼることができるでしょうか。たとえば人類が農耕を始め、それにともない定住生活に入っていったのはだいたい1万年前のことです。それから現代までのあいだ、人類は文明を発達させ、歴史...

人類の歴史とは人類が自由を獲得していく過程である
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第12回

「世界国家を樹立すれば戦争はなくなる」という認識の過ち

―― 戦争を根絶し、永遠平和をどのようにつくりだすか。18世紀ドイツの哲学者、イマヌエル・カントは『永遠平和のために』のなかでこの問いに正面からとりくみました。

「世界国家を樹立すれば戦争はなくなる」という認識の過ち
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第11回

「全体意志」か「一般意志」か……道徳主義者が政治に向かないワケ

―― 私たちの多くは民主主義こそ望ましい政治のあり方だと考えています。民主主義とは、人民の意志にもとづいて統治がおこなわれる政治のあり方のことですよね。では、人民の意志はどのように抽出されるべきでしょうか。...

「全体意志」か「一般意志」か……道徳主義者が政治に向かないワケ
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第10回

リベラリズムの原理の可能性よりも、その限界について

―― 自由、とは私たちの社会におけるもっとも基本的な原理の一つです。「リベラリズム」(自由主義、自由の原理)という言葉をあえてつかうことはないかもしれませんが、たとえば東京一極集中を避けるために東京での居住...

リベラリズムの原理の可能性よりも、その限界について
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第9回

ユダヤ人政治哲学者が見たナチス・ドイツの巨悪の正体

――  ハンナ・アーレントはドイツで生まれたユダヤ人の政治哲学者です。はじめハイデッガーのもとで哲学を学び、その後、ナチスの迫害から逃れてアメリカに亡命しました。昨年、彼女を題材にした映画が日本でも公開され...

ユダヤ人政治哲学者が見たナチス・ドイツの巨悪の正体
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第8回

法と権利は国家がうまれると同時に発生するものである

――  前々回、前回と、これまで2回にわたって所有権はどのように成立するのかという問題を考えてきました。ホッブズとロックはともに、国家はどのようになりたつのかを社会契約論で説明しながらも、所有権の成立につい...

法と権利は国家がうまれると同時に発生するものである
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第7回

人々は国家が成立する以前から所有権を固有なものとしてもっている

――  ジョン・ロックは17世紀イギリスの哲学者で、彼の政治思想はアメリカ独立宣言にも大きな影響を与えたことで知られています。  前回紹介したホッブズと同じように、ロックも国家のなりたちを社会契約の概念に...

人々は国家が成立する以前から所有権を固有なものとしてもっている
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第6回

世界は「強者が無理やり支配関係を打ち立てる」という支配関係で成り立っている

――  ホッブズは近代的な社会契約論の父といわれています。近代国家のなりたちを「社会契約」という概念をつかって初めて体系的・理論的に説明したのがホッブズだということですね。高校の教科書などでも社会契約論は説...

世界は「強者が無理やり支配関係を打ち立てる」という支配関係で成り立っている
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第5回

政治というものは"友"と"敵"という区別のうえになりたっている

――  カール・シュミットは20世紀初頭から後半まで活躍し、多くの業績を残したドイツの法哲学者です。第二次世界大戦ではナチズムに協力したために日本ではとても評判が悪いのですが、法や政治の基礎について本質的か...

政治というものは
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第4回

ナショナリズムを正しく理解しないリベラルが足をすくわれ続ける理由

――  近年、日本ではナショナリズムが高揚しているといわれています。事実、在日外国人を非難する排外主義的なデモも日常的におこなわれるようになりました。今回はそんなナショナリズムの高揚をまえに、そもそもナショ...

ナショナリズムを正しく理解しないリベラルが足をすくわれ続ける理由
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第3回

『方法序説』「われ思うゆえにわれあり」よりも重要なデカルトの哲学

――  デカルトの名前をみなさんご存知ですよね。そう、「われ思うゆえにわれあり」という有名な言葉を残した哲学者です。 この言葉は彼の『方法序説』という本のなかで述べられました。哲学史では、そのデカルトの『方...

『方法序説』「われ思うゆえにわれあり」よりも重要なデカルトの哲学
連載
哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第2回

『国家論』人間は必然的に諸感情に従属する。

――  スピノザは『国家論』のなかで、国家は必然的に生まれてしまうものだと述べています。「およそ人間というものは、野蛮人たると文明人たるとを問わず、いたるところで相互に結合し、何らかの国家状態を形成する」

『国家論』人間は必然的に諸感情に従属する。
連載
萱野稔人の"超"現代哲学講座 第40回

覇権国アメリカの低迷と新秩序誕生

――  アメリカの地位低下がここにきて加速化しているのではないか。そんなことを思わせるできごとが相次いでいます。アメリカは戦後の世界における覇権国です。強大な軍事力と経済力によって世界経済の「総元締め」とな...

覇権国アメリカの低迷と新秩序誕生
連載
萱野稔人の"超"現代哲学講座 第39回

竹島が持つ領土問題以上の意味

――  日本は島国だといわれますが、それでも周辺諸国との国境はいまだに画定されていません。領土問題は日本にとって古くて新しい問題です。「古い」というのは、北方領土や竹島の領有権をめぐる問題は戦後ずっと続いて...

竹島が持つ領土問題以上の意味
連載
萱野稔人の"超"現代哲学講座 第38回

連鎖する食糧危機への展望と盲信

――  虫を食べる、というと、多くの日本人は気持ち悪がるかもしれません。ところがいま世界では「昆虫食」がきわめて将来性のあるものとして注目されています。 今年5月、国連の食糧農業機関(FAO)は「食べられる...

連鎖する食糧危機への展望と盲信
連載
萱野稔人の"超"現代哲学講座 第37回

監視社会とプライバシーの再定義

――  人から監視されるというのは誰だっていやなものですね。私的な生活や通信まで覗きみられればプライバシーの問題にもかかわります。そのプライバシーの問題を深く考えさせる出来事が少しまえにありました。アメリカ...

監視社会とプライバシーの再定義
連載
萱野稔人の"超"現代哲学講座 第36回

橋下市長慰安婦発言の普遍的正義

――  旧日本軍の従軍「慰安婦」制度をめぐる橋下徹大阪市長の発言は国内外で大きな波紋を呼びました。じつはその橋下市長の一連の発言は、正義というものを考えるうえで大きな示唆をあたえてくれています。日本外交の今...

橋下市長慰安婦発言の普遍的正義
連載
萱野稔人の"超"現代哲学講座 第35回

国民投票は国民の総意を反映できていない!? 憲法改正でゆらぐ憲法の価値

――  憲法改正をめぐる論議がふたたび活発化しています。安倍晋三首相が、憲法96条の改正を7月の参院選の争点にしたいと表明したからです。この96条改正については自民党だけでなく、みんなの党や日本維新の会も賛...

国民投票は国民の総意を反映できていない!? 憲法改正でゆらぐ憲法の価値
連載
萱野稔人の"超"現代哲学講座 第34回

注目を集めるビッグデータ 喧伝される「統計学の勝利」の原点たるフーコー

―― ここのところビッグデータという言葉をよく聞くようになりました。ビッグデータとは文字通り「巨大なデータ」のことで、これまでのデータベース管理システムでは記録や解析が難しかったため見過ごされてきた巨大なデ...

注目を集めるビッグデータ 喧伝される「統計学の勝利」の原点たるフーコー
連載
萱野稔人の"超"現代哲学講座 第33回

TPPの是非は経済効果だけでは決められない 国家に対して農業が果たす役割

―― TPPをめぐる議論が激しくなってきました。3月15日に安倍首相がTPPの交渉に参加することを正式に表明したからです。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)とは、太平洋をかこむ国々が輸入品にかかる関税など...

TPPの是非は経済効果だけでは決められない 国家に対して農業が果たす役割
連載
萱野稔人の"超"現代哲学講座 第32回

サイバー犯罪対策の遅れは日本の危機? 拡大する政治的空間の変遷と今後

―― 4人が誤認逮捕されたパソコン遠隔操作事件では、今年2月になってようやく「真犯人」が逮捕されました。2012年6月にはじめて横浜市のサイトに小学校襲撃予告が書き込まれてから、約半年後です。

サイバー犯罪対策の遅れは日本の危機? 拡大する政治的空間の変遷と今後
サイゾープレミアム

2024年5月号

NEWS SOURCE

サイゾーパブリシティ