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精神異学~忘れられた治療法~【最終回】

【最終回】サヴァン症候群なる“局所的”能力――「天才には発達障害が多い」のか?

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[語句解説]サヴァン症候群

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「ダウン症候群」の発見でも知られるイギリスの小児科医ジョン・ラングドン・ダウンが提唱した概念で、発達障害や知的障害を伴ってみられる、きわめて局所的ではあるが、驚異的な能力を持つ状態を指す。芸術作品化された有名な例としては、アメリカの映画『レインマン』や、日本のテレビドラマ『裸の大将放浪記』などがある。


 著名な科学者や哲学者など天才型の人には、アスペルガー症候群などの自閉症スペクトラム障害(以下、ASD)が多いなどといったことが、しばしば論じられます。実際、相対性理論の創始者であるアインシュタインや哲学者のヴィトゲンシュタインは、ASDの特徴を持っていたとされています。しかし、実際のところはどうなのでしょう。創造的な能力と発達障害とは、本当に関連しているのでしょうか。

 ASDなどの発達障害に伴う特異な症状としてよく知られているのは、「サヴァン症候群」でしょう。サヴァン症候群の多くは発達障害、特に知的障害に伴ってみられ、特殊な計算能力や記憶力などを持っています。この突出した、時には天才的な能力を、「才能の小島(Island of Talent, Island of Genius)」などと呼んだりもします。

 サヴァン症候群に関する最初の報告は、1783年の、ドイツ人の作家カール・フィリップ・モリッツによるものです。モリッツは、10歳程度の知能であるにもかかわらず驚異的な記憶力と計算能力を示した英国人ジェデディア・バクストンについての論文を、『学徒ならびに非学徒のための実験心理学』誌に発表しました。

 その後、1789年には米国の医師であるベンジャミン・ラッシュが、際立った記憶力を持つ黒人トマス・フラーのケースについて報告しています。フラーには知的障害がみられましたが、「70歳と17日12時間の年齢の男性は何秒生きてきたか」という問いに対して、うるう年も含めた正解を瞬時のうちに答えることができたといいます。

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