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「ファンキー・ホモ・サピエンス」【59】

【ジャネール・モネイ】アンドロイドから人間に変身、XXXパワーを謳う大作の登場

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『Dirty Computer』

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ジャネール・モネイ(販売元:ワーナーミュージック)

ファレル・ウィリアムスはともかく、ブライアン・ウィルソン(元祖ビーチ・ボーイズ)やスティーヴィー・ワンダーの登場に驚く。ダンジョン・ファミリーからはスリーピー・ブラウンがバックボーカルで参加。サンダーキャットのベースもいい。明記はないが、アルバム全体にプリンスが関わったそうだ。とにかく、最高傑作。


 映画評論家と名乗る人々のイグノランスが、とても嫌いだ。いつだったか、ヒップホップ骨肉愛憎ドロドロ系ドラマ『Empire 成功の代償』主演陣の来日取材のときに、「サウンドトラックは出てるんですか?」と質問する評論家を見た。おいおい、サントラはビルボード・アルバム・チャートで初登場1位だよ。こういうやつが、この国には多すぎるのだ。

 そんな日本では、彼女は「ああ、映画『ドリーム』の主人公のひとりね」と言われるのだろう。あるいは『ムーンライト』に出てきた、善良なドラッグディーラーの情婦役、か。

 実際には、プリンスにとって「最後の弟子」的な存在であり、Pファンクの精神的後継者でもあり。スティーヴィー・ワンダーも認める才能であるというのに。

 そんな彼女の名は、ジャネール・モネイ。

 前作は13年の傑作コンセプト・アルバム『The Electric Lady』。その間に15年のレーベル・コンピ『Wondaland Presents: The Eephus』を挟むとはいえ、ソロ作としては5年もの長いインターバルを経てのリリースとなった。それは、16年後半に相次いで封切られた件の映画2作『ムーンライト』と『ドリーム』の撮影で時間が取られたせいもあるだろう。

 そんな久しぶりの新作は、ジャネールの作品としては特殊なものになっている。というのも、過去3作で展開してきたアンドロイド「シンディ・メイウェザー」というオルターエゴは封印されているのだ。

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