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河合幹雄の法痴国家ニッポン【68】

【森友文書改ざんさる】公文書改ざんにおける“罪状”と法務省が抱えた“積年の恨み”

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法と犯罪と司法から、我が国のウラ側が見えてくる!! 治安悪化の嘘を喝破する希代の法社会学者が語る、警察・検察行政のウラにひそむ真の"意図"──。

森友文書改ざんさる

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2018年3月2日、朝日新聞は、財務省が森友問題の発覚後、決裁文書を書き換えた疑いがあると報道。同9日、当時理財局長だった佐川宣寿国税庁長官が依願退官、同27日には国会で同氏への証人喚問が行われた。その後、財務省が森友学園に対してゴミ撤去に関する口裏合わせを求めていたことが発覚するなど、疑惑が拡大している。


 2017年2月の発覚以来、幾度となく立ち消え寸前の局面を迎えながらも、くすぶり続けた森友学園問題。しかし18年3月、財務省理財局による公文書改ざんに関する朝日新聞のスクープによって、一気に潮目が変わりました。行政の責任の所在と信頼を担保するものであるはずの公文書が、あろうことかその作成者たる官僚自身の手で改ざんされていたという事実。それは、文書主義に立脚しているわが国の民主主義を根幹から揺るがすものとして、社会に衝撃を与えました。ことここに至り、今や国民とメディアの関心は一点に集中しているように見えます。誰が、いつ、どんな罪状で刑事責任を問われるのか、と。

 当然ながら、その罪名として取りざたされているのは、やはり公文書偽造罪や虚偽公文書作成罪、公用文書等毀棄罪など、公文書に関連するものが大半です。しかし、今回のケースで実際に行われたことをつぶさに検証してみると、実はそうした公文書関連の罪名で刑事罰に問うのは案外難しい。検察が起訴に踏み切れるかどうかは微妙なところなのです。

 ただ、それなら結局ひとりの逮捕者も出ず、事件はうやむやにされてしまうのかといえば、おそらくそうはならない。事件は18年4月頭、刑法のプロなら誰でも、「ああ、これで完全に“アウト”になった」と結論づけるであろう新たな展開を見せたからです。事件の最近の経過を振り返りつつ、この問題の行き着く先などについて考察したいと思います。

 思い起こせば18年3月2日、朝日新聞朝刊が文書書き換え疑惑を報じた当初、その信憑性に疑義を呈していた識者は少なくありませんでした。例えば、前大阪市長の橋下徹はツイッターで、「書き換えがなかったのなら朝日新聞は早急に誤報を認めるべき。最初の謝罪が肝心」とまで述べていました。また、自民党の和田政宗参院議員はブログで、「まさかとは思いますが、全く別の決裁文書の調書を比較し、文言が変わっていたり削除されたと指摘したということはないでしょうか?」と疑うかのような発言をしています。

 ところが同10日、財務省が改ざんを事実と認める方針を固めたと報じられると、識者らは一斉に方針転換。これはなかなかの見ものでした。橋下は「今回は朝日新聞は大金星だな」と評価を一転させ、和田も「財務省が文書を『書き換えた』可能性と『書き換えていない』可能性は、私は半分半分だと朝日の報道当初から見ています」と苦しい弁明を余儀なくされました。

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