>   > 三流ジャニーズ【TOKIO】の軌跡
第2特集
今語るべきTOKIO【1】

クワを携え、自ら家も建てる…男汁ほとばしるアイドル 三流ジャニーズの奇跡「俺達のTOKIO」論

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<注意>この記事は2014年に制作された特集記事です。

――近年、急上昇しているTOKIOへの支持。「歌って踊る」そんな一般的な”アイドル”のイメージとは一線を画し、それまで決して男性アイドルを支持することのなかった層まで取り込むことに成功した稀有なグループだ。なぜ今、これほどまでに支持が高いのか? 音楽・テレビ番組・農業と彼らのたどってきた栄光と挫折の道を追いながら、なぜ国民の隅々にまで浸透し、 男性までもがTOKIOに熱くなるのか、その理由を探っていく。

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【栄光と挫折のTOKIO 20年史】↑画像をクリックすると拡大します。
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デビューから数年は、しっかりガチガチのアイドルとして歩みを進めていたTOKIO。長瀬のぴっちり短パンや、山口のムチムチベストは、今では伝説だ。

 ジャニーズで唯一、現役デビューしているバンドグループでありながら、バラエティの影響か「農業アイドル」「兼業アイドル」との異名も持つTOKIO。加えてデビュー20周年を迎えた今、音楽、ドラマ、バラエティ、朝の情報番組キャスターとあらゆる分野において彼らの活躍の場は広がり、ここにきてようやく”国民的マルチグループ”にふさわしい姿へと進化しつつあるように見受けられる。

「実のところ、現在のTOKIO人気を支えているのは従来のジャニーズのファン層にはいなかったような男性たちなんです。彼らは『ザ!鉄腕!DASH!!』(日テレ系)の放送中にネットで感想を書き込みあい、24時間テレビでゴールを切った城島(茂)リーダーに惜しみない賛辞を贈る。10〜40代の男連中が、メンバーを『アニキ』と慕い、熱烈な勢いで支持しているんですよ」(ジャニーズに詳しい記者)

 実際、ネット上で実施された「もしジャニーズのグループに加入できるなら?」というアンケートでもSMAPや嵐を抑え、TOKIOが20〜60代の男性の全年代で1位を獲得するという結果に。「ジャニーズなんてチャラチャラしていて嫌い」とそっぽを向いていた男性たちが「でもTOKIOは別」とばかりにどんどんハマっているのだ。そんな彼らの魅力とは、一体どんなところにあるのだろうか?

ジャニーズ唯一のバンドという呪い

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現場には、ジャージで現れるという松岡くん。『DASH』では、みずから手ぬぐいタオルを巻き、「俺といえばこれでしょ!」という発言も。

「アイドル、っていうだけで、こちらとしてはやっぱりちょっと構えるじゃないですか。でもTOKIOさんの場合は、本当にみんな裏表がなくて、テレビで見るまんま。松岡(昌宏)さんなんてふらっとジャージで来て、スタッフをいじりながら明るく現場を盛り上げてくれますからね。本当に”そのへんにいる気のいいあんちゃん”そのものなんです」

 そう話すのは、メンバーと現場でかかわったことのある制作会社スタッフ。実際、国分太一や山口達也を朝の番組のMCに起用したディレクター陣も、その理由について「人を心地よくさせるオーラがある」「共演者の面白さを引き出そうとしてくれるから」と口をそろえる。ほかのアイドルたちのように「オレが、オレが」としゃしゃり出る自己中心的な態度がなく、場の空気を明るく盛り上げながら周囲を引き立てる彼らの姿がスタッフや共演者からも愛され、仕事に結びついているということだろう。ただ、実はそんな彼らの姿勢の裏には、長く積み重ねざるを得なかった”不遇の時代”が影響している。

「94年、『ダテに待たせた、ワケじゃない』をキャッチコピーに華々しくデビューした……かのように見えたTOKIOでしたが、その3年前にデビューしていたSMAPや、後輩のV6、KinKi Kidsらに挟まれて、その影はかなり薄かったです。長瀬くん以外のメンバーにはいまいち華がないし、CDの売り上げもライブの集客数も伸びないことから、ジャニーズ内では完全な『失敗グループ』と見なされてましたよ」(ジャニーズに詳しい記者)

 ただ、彼らに関して事務所も最初から力を注いでいなかったわけではない。歌って踊れる「ミュージカル」好きの印象が強いジャニー喜多川社長だが、実は「バンド」好きでもある。振り返ればTOKIOがデビューしたのは、80年代のアイドルシーンを一世風靡した男闘呼組が突如解散した直後のこと。世界に通じるグループになるよう想いを込めた「TOKIO」の名は、もともとジャニー氏が男闘呼組につけるために用意していたものだった。悲願の名を冠したTOKIOはジャニー氏にとってそれなりに思い入れも深いグループだったはずなのだが、そこで与えられた”バンド”という縛りが、彼らを苦しめる要素となってしまう。

「当時はまだ、ジャニーズ事務所内にレコード会社がない時代。SMAPがビクターでTOKIOはソニー、V6はエイベックス……というように各社へ所属タレントが振り分けられていたわけですが、なかでも一番売り出しがうまかったのがビクター。かたや一番宣伝がうまいと思われていたのがソニーだったのですが、TOKIOの場合、バンドブームが終わってからのバンドデビューですからね。どう扱っていいのか……というムードも社内にはあったようです」(音楽業界関係者)

 ルックス、楽曲ともにいかにも”ロック”だった男闘呼組とは異なり、デビュー曲、衣装ともにアイドルなのかバンドなのか境界線もあやふやだったTOKIO。ボーカルとして中央に立つ長瀬智也にぴちぴちの短パンを履かせたり、メンバー全員に半裸でスケスケメッシュの衣装を着せたり、ロックといいつつアニメの主題歌を連続して歌わせたり……と、随所にソニー側の苦悩が見て取れる。もちろん、そんな「一歩ズレてる感」や「中途半端さ」こそがジャニーズ事務所の最大の特徴であり、そんな彼らを盲目的に応援するのがJr.時代からアイドルたちを支え、育ててきた古参のファンである、はずなのだが……。

「TOKIOの場合は、スタートからケチがついてしまったんです。というのも、デビュー直前まで、TOKIOのセンターを務めていたのは小島啓くんというメンバー。なのにその座を乗っ取るかたちで長瀬くんが加入してデビューしちゃったもんだから、小島ファンからのバッシングはすさまじかったですね」(ジャニーズに詳しい記者)

 それまでも、デビュー以前には、時折タンバリン担当(!)としてサポートメンバーを務めていた長瀬だったが、あくまでもファンの間では「おまけ」扱い。デビューツアーでもヤジを飛ばされ、モノを投げられ……と、かなり強いバッシングを受け、さすがの長瀬も「自分は、もういない方がいいのでは」と落ち込んだという。しかし、そんな中でも「お前にしかないものがあるんだから、お前はお前でがんばれ」という山口からの励ましの声に支えられ、その時期を乗り切った……という感動のエピソードも後に語られているのだが、そんなイイ話も人気に直結することはなく、デビュー曲「LOVE YOU ONLY」こそ、ご祝儀扱いで52万枚を売り上げたものの、オリコン最高位は3位。その後も長くヒット曲に恵まれることのないまま、01年の「メッセージ/ひとりぼっちのハブラシ」で悲願の1位を獲得するまで低空飛行が続いた。

 ただ一方で、グループとしての人気が伸び悩んだがゆえに、その活動だけにとらわれることなく「早くからドラマやバラエティの分野でバラ売りされていたのが、彼らの底力になった」と分析する関係者の声もある。

「山口と国分は、デビュー前のJr.時代に、いまやタブードラマといわれる『同窓会』(※同性愛を題材にした伝説のドラマ)に出演して『あの可愛い子は誰?』と注目を集めていました。そのあともドラマの分野では松岡が時代劇や特徴のある役どころをこなし、長瀬が独自の存在感で、記録には残らないまでも記憶に残るドラマを次々と生み出しています。国分も俳優としてのイメージは弱いですが、実は主演映画で主演男優賞を受賞するなど高い演技力を持ってますし、潜在能力が培われたグループなんです」(映画関係者)

 ヒット曲には恵まれないながらも、こうしたメンバーの個々の活躍がグループとしての力を牽引する一方で、TOKIOのグループとしての魅力を最大限に引き出したのが、同じく20周年を迎えた冠バラエティ『ザ! 鉄腕! DASH!!』だ。台本のない中、メンバーがリレーで列車と競争したり、ソーラーカーで日本一周を目指したりと、型破りな体当たり企画をこなし、「DASH村」から現在の「DASH島」に続く、ゼロからものを作り出すことへの喜びと感動は視聴者に好感をもたらした。最近では重機を操って水路建設のためのトロッコ線路敷設にも成功し、これまで以上に「なんでも作れるアイドル」という認識が高まる中で、アウトドア好きの男性を沸かせているが、彼らの魅力はそうしたサバイバル能力だけではない。放送500回を超えたいまも大の男がバカバカしい企画に本気で向き合う姿に、年配男性は自分自身を投影して楽しみ、若者は「こんな男になりたい」と憧れを抱いているのだ。

週刊誌にも負けず熱愛を自ら告白!

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山口くんが、半年間無免許運転だった事実を覚えてる読者はいるだろうか?  更新忘れとはいえ、それなりの事件でも、なんとなく流し気味になり、その後も力いっぱい活躍している姿は、頼もしいかぎり。

 またそんな彼らの人間性は、アイドルにはタブーといわれがちな恋愛シーンにおいても発揮されている。すでに結婚し、二児をもうけている山口はもちろん、ほかのメンバーにも共通しているのは交際の事実をほとんど隠さないところ。01年にaikoとの交際を自ら発表した国分は、09年にも元テレビ局スタッフとの仲を女性誌へのインタビューに答える形で告白。また同じく09年に一般女性との交際をすっぱ抜かれた松岡も、直撃質問に対し「5年前から同棲している」と堂々と認めている。さらに、最もオープンなのが「天然」キャラで知られる長瀬。当時人気絶頂だった浜崎あゆみとの熱愛がスクープされた際にも堂々と手をつないでマスコミ陣の前に現れ、翌日には交際を認めるファックスを発表。続く相武紗季との交際時にも、周囲に隠すことなく振る舞う姿に好感が集まった。が、堂々としすぎて、こんなヤンチャな噂も……。

「長瀬と若手人気女優が偶然、同じマンションだったらしいんです。ホールで何度か遭遇して『あ、これヤレるかも』って、長瀬から部屋に誘って関係を持ったらしいんですよ。しばらくセフレ状態が続いたそうで、まぁそんな話はありがちなんだけど、いかにも長瀬らしいのが『●●とヤッちゃいましたよ〜』って局のスタッフに自慢しちゃったところ。仮にもアイドルのくせにうれしそうに触れ回っちゃうところが、等身大の男って感じがして可愛いんですよね」(週刊誌編集者)

 当初から意図していたわけではないだろうが、本人たちはもちろん事務所も一貫して「表面だけの女性人気に頼らない」TOKIOの姿勢が、ここにも表れている。

 そんな彼らの「人柄のよさ」が、浸透したきっかけのひとつが、今年の『24時間テレビ37 愛は地球を救う』(日テレ)だ。

「日本中が応援したくなる人。40代の代表として、元気と勇気を与えてくれるのでは」との理由からチャリティーマラソンのランナーに選出された城島。そんな周囲の期待にもこたえ、ゴール直後の8時50分に41・9%の瞬間最高視聴率を記録するなど、好感度の高さを証明した。

「ゴール直前で駆けつけたメンバーにリーダーが『5人でゴールしよう』と呼びかけたけれど、4人は最後までステージに立たなかった。そこで行ってしまうと、自分たちが番組を乗っ取るみたいになってイヤだからってね。そういう気遣いができるのが、彼らなんですよ」(芸能関係者)

 メインパーソナリティである関ジャニ∞や、101キロを完走した城島に花を持たせるためにスタジオの陰でひっそりと、しかし本気でリーダーのゴールをたたえていた4人。そんな男気あふれる行動は、演出でできるものではない。これこそが、不遇の時代を経て彼らが20年間積み重ねてきた”男”としての歴史の結晶であり、”絆の強さ”の表れなのだ。

 幸か不幸か、ほかのアイドルのように女性人気を獲得できないという結果の中で、その人間力を武器に男性や年配の一般層から支持を得るという「新たなアイドル像」を構築したTOKIO。これは、アイドルを量産しすぎて売り出し方に苦慮している事務所にとっても、新たな道筋を照らしているといえる。

 本特集では、なぜTOKIOがこうまで人気になったのか、ミュージシャンや、テレビ関係者、アイドル研究者の言から、その理由を探っていく。年を重ねるごとに輝きを増し続ける彼らの開拓レジェンドは、永遠に語り継がれることだろう。

・<TOKIO論2>「ビートルズ的なパワーポップだ!」曽我部恵一が語るTOKIOという”バンドマン”が発信する、音楽の真価

・<TOKIO論3>日曜ゴールデンタイムで視聴率NO・1 『鉄腕!DASH!!』がTOKIOを作った!? その躍進を分析!

(文/平松優子・竹辻倫子)

■子どもみたいな特技がいっぱい
TOKIOメンバー紹介!

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城島 茂(43)[ギター担当]
1970年生、奈良県出身。リーダー。親しみやすいキャラで愛されているが、裏腹に「夜な夜な異なる美女を伴ってバーに出入り」と噂されるなど私生活ではナゾも多い。高所恐怖症、カナヅチ、運動オンチとヘタレ要素が揃っているのに、なぜか支持を集める。車両系建設機械運転者・車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習、移動式クレーン運転免許保有。

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山口達也(42)[ベース担当]
1972年生、埼玉県出身。同年代のメンバーからも頼られる兄貴肌。デビュー後に自衛隊にスカウトされたことがある肉体派で、趣味はサーフィン、アウトドア。プロレス愛好家で酔うと後輩にブレーンバスターをかけるクセがある。太りやすい体質のため幾度となくダイエットとリバウンドを繰り返す。大型二輪免許、潜水士、一級小型船舶操縦士の免許保有。既婚者で2児の父。

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国分太一(40)[キーボード担当]
1974年生、東京都出身。本人にこれといった特徴はないが、どこにいってもクッション役になれる多面性を持ち合わせており「男性が好きなジャニーズランキング」で1位に選ばれるなど好感度は高い。初主演映画で主演男優賞を受賞するなど、実は演技派であるという評価も。酔うと絡み癖があるが憎めないキャラとか。趣味はオモチャ集め、フットサル、野球など。

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■松岡昌宏(37)[ドラム担当]
1977年生、北海道出身。TOKIO内では特攻野郎のイメージだが、実は気遣いができて優しく、寂しがりやのロマンチスト。裏表がなく、「気さくなあんちゃん」で面倒見がいい一方、大物芸能人にもかわいがられており、俳優・津川雅彦を「オジキ」と呼ぶなど交流が深い。若い頃から昭和歌謡や時代劇のマニア。料理の腕はプロ級で調理師免許も保有。趣味はお弁当づくり。紫をこよなく愛する男。

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■長瀬智也(35)[ボーカル担当]
1978年生、神奈川県出身。グループの末っ子として可愛がられている。見た目通り男くさくて豪快だが、半面、平和主義者で優しい。あっけらかんとおかしな発言をしたり台本を信じられないような言葉で読み間違えるため「天然」「おバカ」といわれることも。趣味はバイクと車でホッドロッドのカスタムショーに出没したり、バイクレースに出場するほど。ヴィンテージジーンズを収集。ダム愛好家でもある。


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