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河合幹雄の法痴国家ニッポン【67】

【元スパイ襲撃さる】スパイによる本当の諜報活動と日本社会による“包摂的”防諜効果

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法と犯罪と司法から、我が国のウラ側が見えてくる!! 治安悪化の嘘を喝破する希代の法社会学者が語る、警察・検察行政のウラにひそむ真の"意図"──。

元スパイ襲撃さる

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2018年3月、イギリスでロシアの元情報部員とその娘が襲撃され、重体となる事件が発生。使用された神経剤が旧ソ連で開発されたものだったことから、メイ英首相はロシアの関与の可能性がきわめて高いと発表、制裁措置として外交官23人を国外追放した。ロシア政府は関与を否定しているが、欧米を中心に外交官追放の動きが広がっている。


 世界各地でしばしば露見し、ときに国際紛争の火種ともなる、各国の情報機関によるスパイ活動。2018年3月には、ロシアの元情報部員とその娘が、亡命先のイギリスで神経剤による襲撃を受けて重体となったニュースが世界を駆けめぐりました。同様の事件は世界中で発生している。17年2月、北朝鮮の金正恩労働党委員長の異母兄・金正男が、マレーシアの空港で殺害された事件などは、記憶に新しいところです。

 そうした中、こと日本国内に関していえば、各国のスパイ活動を現実的な脅威ととらえている国民はほとんどいないでしょう。18年2月、国際政治学者の三浦瑠麗による「北朝鮮のスリーパーセル(潜伏工作員)が大阪に潜伏している」といったテレビ番組での発言が猛批判を浴びたことからも、そのことを強く感じます。基本的にわが国では、海外で暗殺事件などが発生しても、映画の中のできごとであるかのようにしか受け止められない。しかし実際はどうなのか。日本における各国情報機関の活動実態と、対するわが国の情報収集・安全保障システムの存在、今回はそのあたりについて考えたいと思います。

 大国の情報機関による活動は、しばしば世界の趨勢すら左右してきました。アメリカの中央情報局(CIA)は、古くは1954年にグアテマラでクーデターを起こして社会主義政権を転覆させ、最近では2011年、アルカーイダの指導者オサマ・ビンラディンの殺害に深く関与したとされます。一方ロシアの情報機関、すなわち旧ソ連におけるソ連国家保安委員会(KGB)や現在のロシア連邦保安庁(FSB)も、CIAと一、二を争う組織として派手なスパイ活動を展開してきました。

 当然そうした情報活動は、わが国の歴史にも影響を及ぼしてきたと考えられます。その実例としてよく取りざたされるのが、49年に発生した下山事件・松川事件・三鷹事件、いわゆる「国鉄三大ミステリー事件」です。真相が闇に包まれているこれら3件について、多くの関係者や専門家が、CIAあるいはKGB前身組織の関与があったと指摘しています。

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