>   >   > 河合幹雄の法痴国家ニッポン【66】/【#MeToo】問題に見る権力構造
連載
河合幹雄の法痴国家ニッポン【66】

【『#MeToo』世界に拡散】“男女平等先進国”アメリカの幻影と「#MeToo」問題に見る「権力構造」

+お気に入りに追加

法と犯罪と司法から、我が国のウラ側が見えてくる!! 治安悪化の嘘を喝破する希代の法社会学者が語る、警察・検察行政のウラにひそむ真の"意図"──。

『#MeToo』世界に拡散

1804_P104-105_img002_250.jpg

2017年10月、ハリウッドの大物プロデューサーによる複数の女優へのセクハラ・性暴力疑惑を「ニューヨーク・タイムズ」などが報じたのを発端として、米女優アリッサ・ミラノの呼びかけで始まった「#MeToo」運動。SNSによる世界的な性暴力告発ムーブメントへと発展する一方で、仏女優カトリーヌ・ドヌーヴらによる運動に対する批判が物議を醸した。


 グウィネス・パルトロウやアンジェリーナ・ジョリーら複数のハリウッド女優が、米大物映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインによる性的被害をメディアで告白したことに端を発する、ツイッター上の「#MeToo」運動。そこで赤裸々に語られる被害の内容が、性的な言葉を投げかけられたり軽く体を触られたりといったいわゆるセクハラの範疇に留まらず、強姦や強制わいせつなど、より重大な性暴力を多く含むものであったことから、「#MeToo」はアメリカで一気に社会問題化しました。その勢いは世界に波及し、セクハラ・性暴力告発の一大ムーブメントとなっています。

 その流れの中で日本でも、例えば人気ブロガーの「はあちゅう」氏が、前職の電通で上司から受けたセクハラについて実名を挙げて証言するなど、運動はある程度の広がりを見せはしました。とはいえネットやメディアでは、「#MeToo」に対する批判や冷めた意見も散見され、ダイヤモンド・オンラインは「『セクハラ告発』運動が日本では海外に比べ広がらない理由」(2018年1月19日付)なる記事で盛り上がりに欠ける現状を分析。メディア全体としても、「やはり日本は性や男女平等の問題に対する意識が低く、アメリカに遅れを取っている」といった論調の報道が目立ちます。しかし、本当にそうなのでしょうか? そもそも、「#MeToo」運動の文脈で語られている“セクハラ”“性暴力”の本質とはなんなのでしょうか? 今回はそのあたりについて考えてみたいと思います。

 1970年代初頭に世界を席巻した女性解放運動ウーマン・リブの発祥地であるアメリカ。おそらく同国に対して日本人の多くが、政治・経済・文化に男女平等の理念が浸透し、現実としても性差別や性暴力から女性が守られているという意味で、日本よりはるかに進んだ社会というイメージを抱いているのではないでしょうか。

 しかし私は、「#MeToo」における性暴力を論じる際に俎上に載せられがちな男女問題、とりわけ女性差別問題について、アメリカの国民意識や取り組みが日本より進んでいる、などと単純にはいえないと考えている。というのも、この事実をご存じでしょうか? 実はアメリカ合衆国憲法には、男女平等に関する条項が存在しないのです。日本であれば憲法第24条で明記され、先進国なら憲法の基本理念としてあって当たり前の男女平等条項が、です。ましてやアメリカは、まさしくその平等と自由を旗印として西側の盟主となったわけなのに、ですよ?

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミア

2018年7月号

タブーな本150冊

タブーな本150冊
    • 【出版業界】やっぱり死す!?業界裏話
    • 【EXILE】が熱く語る自己啓発本の世界
    • 【AI本】が説く人類の幸福論
    • 【サッカーとカネ】を暴く書籍群
    • 【鈴木ふみ奈】Hカップが本まみれ
    • 【人気声優】の新書が増えたナゼ
    • 【現役声優】話題の新書を辛口批評
    • 【韓国】の近代化を知るための1冊
    • 【脱北者】たちの告白本の中身
    • 【アメリカ人種差別】の今をえぐる本
    • 【LGBT】と日本近代文学(秘)史
    • 【アメリカ】文学とLGBT
    • ヤバい【SF小説】の耽美な世界
    • エキサイティングな【米国】の書評
    • 【ミチコ・カクタニ】のアートな書評
    • 【校閲者】が語る言葉狩り

SKE48・惣田紗莉渚 封印入浴グラビア

SKE48・惣田紗莉渚 封印入浴グラビア
    • 【惣田紗莉渚】の未公開セクシーショット

インタビュー

連載

    • 【RaMu】週5でラーメン行っちゃうんです。
    • 【池田美優】浜崎あゆみの歌が響く
    • 【森田ワカナ】吉木りさに憧れる童顔巨乳
    • 多額の強化費の先を見た飛込選手
    • 文春砲を食らった?【七瀬】ふたたび
    • 通信の理想と現実の狭間で揺れる中立性
    • 高須基仁の「全摘」
    • 【曽我部恵一】がFUCK YOU音頭を作る
    • 哲学者・萱野稔人の「"超"哲学入門」
    • 【ジャネール・モネイ】アンドロイドから人間へ
    • 【広島脱走事件】開放刑務所の奇跡的大成功
    • 【サヴァン症候群】なる局所的能力
    • 町山智浩/『ウインド・リバー』先住民保留地とアメリカの闇
    • 【タバコ規制】を妨げる利権たち
    • 小原真史の「写真時評」
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ研究所」
    • 【恋は雨上がりのように】日本男性のロリコン趣向
    • エロティック画像でメイクマネー
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 元米軍兵が【ビール】を使って町おこし
    • 幽霊、大人にならない老人の軽小説。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』