サイゾーpremium  > 連載  > 林賢一の「ライク・ア・トーキングストーン」  > 林賢一の「ライク・ア・トーキングストーン」/【水道橋博士】が見せたトークの星座
連載
林賢一の「ライク・ア・トーキングストーン」【34】

全くの偶然を結びつけることで物語が生まれる――【水道橋博士】が見せたトークの星座

+お気に入りに追加

――元放送作家で、現在は脚本家として心機一転活動する林賢一が、生のトーク現場に裸一貫突入! 事務所の大看板・古舘伊知郎を始めとした先達たちが繰り広げるトークライブをレポートする。

『水道橋博士 岡宗秀吾 MIDNIGHT TALKSHOW』

1803_P133_image1_230.jpg

人物:水道橋博士と岡宗秀吾
日時場所:2018年1月31日 @代官山 蔦屋書店

芸人・水道橋博士とテレビディレクター・岡宗秀吾が、奇しくも同日、同じ出版社、同じ値段で書籍を出版。その記念に行われた深夜のトークイベントに潜入。


 同じ日に、同じ出版社から、同じ値段で、同業者の書籍が発売される。これはただの偶然だろうか? 水道橋博士はこう言った。

「この本は双子です」。

 水道橋博士『藝人春秋2 上 ハカセより愛をこめて』『藝人春秋2 下 死ぬのは奴らだ』の上下巻と、テレビディレクター岡宗秀吾の初単著『煩悩ウォーク』の話だ。どちらも去年11月30日に文藝春秋から発売され、税込みで1728円という値段までもまったく同じ。これはただの偶然だろうか? と繰り返さざるを得ないのは、この「偶然」というキーワードが、2人による出版記念トークイベントの裏テーマになっていたからだ。だがその「偶然」に辿り着くまで、道草を食うのが彼らの流儀であるかのように、華麗な雑談からイベントはスタートした。

 MIDNIGHT TALKSHOWと名づけられたこの日のトークイベントは、開始時間が22時と遅めで、良い意味でゆる~い空気が充満しており、雑談には最適の空間だった。例えば「貴乃花は最近、松村邦洋のモノマネに自分を寄せている」という雑談。ヒトはモノマネされると、そのモノマネに寄せられてしまうというのだ。津川雅彦は、松村による自分のモノマネを最初に見た時は「全然似ていない」と思ったらしいが、最近では「津川雅彦をモノマネする松村邦洋」を模倣するようになっている、と指摘。確かにそうかもしれない。そうなってくると、もはやオリジナルがどちらなのか判断がつかなくなってくる。そもそも、ヒトは誰かの真似をしなくては生きられない。赤ちゃんは生まれてから、周囲を模倣することによって成長していく。これはただの雑談なので、ヒトが何かを真似してしまう、という根源的なトピックを突き詰めることはせずに、さらっと笑いにする水道橋博士はなんだかクールだった。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2019年5月号

「情弱ビジネス」のカラクリ

「情弱ビジネス」のカラクリ

佐山彩香が挑む10年目の"新境地"

佐山彩香が挑む10年目の
    • 【佐山彩香】デビュー10周年グラビア

インタビュー

連載

    • 【都丸紗也華】キラキラ系が苦手なんです。
    • 【岸明日香】唐揚げの音で孤独を癒す
    • 【ラウンドガール】男を"オトす"必殺グラビア
    • いつか【ゴマキ】と朝帰りッ
    • 研究者が予言する【ロボット】の平等な未来
    • 高須基仁/追悼【内田裕也】
    • 【東京】に輸入される祭り文化
    • 【シリコンバレー】が中国ベンチャーをパクる日
    • 【ボブ・マーリー】米国人音楽市場の今
    • 町山智浩/【魂のゆくえ】腐敗した教会と牧師の闘争
    • 【経済統計】の不正と偽装で見えた日本経済
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子の「ドラッグ・フェミニズム」
    • 笹 公人「念力事報」/さよなら平成、ありがとう平成
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ博物館」
    • 稲田豊史/男が期待するヒロイン像にはハマらない『キャプテン・マーベル』
    • 【白塗り店主】の変なバー
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 元チューバ奏者の【チェコ人】が本場のピルスナーで勝負
    • 伊藤文學/【薔薇族】華々しき"摘発史"
    • 幽霊、過去を裁いて復讐する者たち。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』