>   >   > 【海外音楽雑誌】の"裏シノギ"

日本の音楽雑誌が売れなくなって久しいが、「NME」「Rolling Stone」といった英米の雑誌は今どうなっているのか――。日本と同じく発行部数が年々減少し、ジリ貧状態にあるだけなのかと思えば、決してそうではない。ここでは、特にウェブやイベントなど紙媒体以外の“シノギ”に着目し、海外音楽誌ビジネスの現状をレポートしたい。

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左上より時計回りに「NME」(英)、「Rolling Stone」(米)、「Q」(英)、「The FADER」(米)、「The Source」(米)、「XXL」(米)

 2017年末、同年に創刊50周年を迎えたアメリカの音楽カルチャー誌「Rolling Stone」(以下、RS)が、経営難で身売りすることが発表された。また、15年には1952年創刊のイギリスの音楽雑誌「NME」が、売り上げ不振からフリーマガジンへと移行。ここ日本では「音楽雑誌が売れない」と言われて久しいが、海外の音楽雑誌も苦境に立たされているのか――。

 例えば日本の「rockin'on」の場合、最近の表紙はエミネムにU2、ノエル&リアム・ギャラガーといった面々。要は、表紙を飾る人物が90年代からほぼ更新されていないわけだが、音楽ライター・編集者の小熊俊哉氏はこう話す。

「雑誌もウェブも含めて多くの英米の音楽媒体が、17年の年間ベストで米ラッパーのケンドリック・ラマーを1位に挙げ、上位にアメリカの音楽家がたくさんランクインしていましたが、『NME』の場合はイギリス出身で今勢いのある人たちがトップ10に入っています。一方、古典的ロックのイメージが強い『RS』は、U2やポール・マッカートニーが表紙になったりしますが、17年の年間ベスト1位はケンドリックだし、近年の米音楽界を席巻するヒップホップ勢にも目配りしている。こうして『NME』も『RS』も今の音楽を伝えようとはしています」

 それでも音楽ファンの紙離れは深刻だ。であれば、紙以外で収益を上げる必要があり、そのひとつはウェブ上でのビジネス展開になる。アメリカでは「RS」と並ぶ有名音楽誌「SPIN」(85年創刊)が12年に、ヒップホップ雑誌「Vibe」(93年創刊)が14年に紙媒体としては休刊したが、いずれもウェブメディアに移行。LAに住む音楽ジャーナリストのハシム・バルーチャ氏はこう語る。

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