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更科修一郎の「批評なんてやめときな?」【33】

地盤沈下の出版業界、ウェブへの移行に試行錯誤――幽霊、それでもマンガは楽しき商売。

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――ゼロ年代とジェノサイズの後に残ったのは、不愉快な荒野だった?生きながら葬られた〈元〉批評家が、墓の下から現代文化と批評界隈を覗き込む〈時代観察記〉

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浮浪雲が終わっても、いい歳のおっさんが生まれる前から連載しているマンガがまだいくつもあるのはなかなか怖い。

 前回もマンガの話をしたような気がするが、今回はマンガ特集だった。そして、現場の人間と話すたびに苦笑いしているのは、景気回復の恩恵が出版業界の地盤沈下に追いついていないからだが、利益率の高さで屋台骨を支えていたマンガですら売り上げが減っているのだから当然だ。早い段階で電子書籍へ軸足を移した出版社は下げ止まりつつあるが、むしろ大手のほうが身動きが取りづらいのか、試行錯誤が続いている。

 マンガ雑誌は筆者が編集者となった90年代からずっと赤字で、単行本売り上げで補填しつつ刊行してきたが、それすらも厳しくなっている。とりあえず印刷コストを省略するためにウェブへ移行しているが、紙のように書店営業頼みとはいかないので、サイトやアプリへアクセスしてもらう手段で苦労している。というか、各社のシステム形式がまちまち過ぎて情報を一括化できず、それぞれが五月雨式にプレスリリースを流していくしかないのが現状だ。本屋大賞の成功からシステム化された、「マンガ読み」と呼ばれるマニアや書店員たちがお寒い流行をでっち上げる論壇もどきも、ウェブ上で拡散していくマンガ表現の細分化に追いつけず、批評の効力自体が局地的になっている。これに関しては、マニア上がりの書店員などが院外団と化し、出版社の編集方針に口を出すという問題も生じていたから、悪いことでもなく、数撃ちゃ当たる的な多様性は生まれている。批評がないと即物的な流行を追うだけになりかねないのでは、という心配もあったが、マンガの場合は批評もマニア好みのフェティッシュな描写にもっともらしい理屈を与えるばかりで、あってもなくても同じだった。

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