サイゾーpremium  > 特集  > アダルト  > 日本人にとって「巨乳」とは何か?【1】/日本人【巨乳】受容の70年史

【拡大画像はグラビアギャラリーでご覧いただけます。】

アダルトメディア研究家の安田理央氏がこのたび、『巨乳の誕生』(太田出版)を上梓。同書では、江戸時代の日本人は乳房に性的魅力を感じなかったと書いてあるという。そこで、天下のオスカープロモーションが誇るFカップ美巨乳タレント・大澤玲美ちゃんと一緒に、日本人の「巨乳受容史」について考えてみました!

1801_001_035_520.jpg
(写真/TOSHI HIRAKAWA)

 歴史的に見れば、日本人が「大きなおっぱい」の魅力に気づいたのは最近のことである。それどころか江戸時代までの日本人は、乳房に性的魅力すら感じていなかったのだ。それは春画などを見れば明らかなのだが、呆れるほど精密に性器が描かれているのに比べて、乳房はあまり描かれない。ほとんどが着衣のままであり、たまに胸元がはだけて乳房が見えていたとしても、乳首は雑な線で描かれているだけだ。

 これはかつての日本人が、性器以外に男女の性差を感じなかったところから来ている。日本の男性は女性の裸を見ても興奮しなかったのだ。当時の銭湯が混浴だった理由はそこにある。裸を見ても興奮するわけではないので、なんの問題もなかったのだ。男女の性差は、服を着ることや仕草などで初めて生まれる。日本人のコスプレフェチは、こうした時代から続いているともいえるだろう。

 一方、西洋では精神と肉体は結びついたものであり、美を裸体に求めたギリシア文化や、性欲を罪と考えたキリスト教文化など、裸体は宗教や思想とも深く結びついている。だからこそ西洋では裸体を描いた絵画や彫像が数多くつくられているのだが、日本にはほとんどない。

1801_002_163_520.jpg
(写真/TOSHI HIRAKAWA)

 開国と共に日本へやってきた西洋人は、日本の混浴文化に衝撃を受け、野蛮だと非難した。日本政府はあわてて裸体禁止令を発令し、混浴や公共の場で裸になることを禁じた。取り締まりは厳しく、日本人の意識を大きく変える。そして、わずか二十数年後には、裸婦を描いた黒田清輝の西洋画の下半身部分を布で覆って展示するという事件まで起こった。

 ここで注目したいのは、隠されたのは下半身のみで、乳房は露出されたままだったという事実だ。つまり猥褻なのは下半身であり、乳房は猥褻ではないと判断されたわけである。ここに、日本人古来の性意識が露呈している。それは、猥褻とそうでないものの境界線を局部の陰毛に求めていた1980年代までの基準にも見て取れるし、21世紀を迎えた現在でもその境界線は、局部の露出度にある。乳房軽視のエロス感は、日本人を長いこと縛りつけているのだ。

 しかし戦後を迎え、日本人も豊かな乳房の魅力に気づかされることとなる。欧米の文化が一気に流れ込み、きらびやかなハリウッドの世界と魅惑的なスターたちに日本人は幻惑された。そして、肉感的な女体の魅力を知ったのである。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...
この記事を購入※この記事だけを読みたい場合、noteから購入できます。

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2019年5月号

「情弱ビジネス」のカラクリ

「情弱ビジネス」のカラクリ

佐山彩香が挑む10年目の"新境地"

佐山彩香が挑む10年目の
    • 【佐山彩香】デビュー10周年グラビア

インタビュー

連載

    • 【都丸紗也華】キラキラ系が苦手なんです。
    • 【岸明日香】唐揚げの音で孤独を癒す
    • 【ラウンドガール】男を"オトす"必殺グラビア
    • いつか【ゴマキ】と朝帰りッ
    • 研究者が予言する【ロボット】の平等な未来
    • 高須基仁/追悼【内田裕也】
    • 【東京】に輸入される祭り文化
    • 【シリコンバレー】が中国ベンチャーをパクる日
    • 【ボブ・マーリー】米国人音楽市場の今
    • 町山智浩/【魂のゆくえ】腐敗した教会と牧師の闘争
    • 【経済統計】の不正と偽装で見えた日本経済
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子の「ドラッグ・フェミニズム」
    • 笹 公人「念力事報」/さよなら平成、ありがとう平成
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ博物館」
    • 稲田豊史/男が期待するヒロイン像にはハマらない『キャプテン・マーベル』
    • 【白塗り店主】の変なバー
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 元チューバ奏者の【チェコ人】が本場のピルスナーで勝負
    • 伊藤文學/【薔薇族】華々しき"摘発史"
    • 幽霊、過去を裁いて復讐する者たち。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』