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『西国分寺哀の「大丈夫?マイ・フレンド」』【30】

もはや「ちゃん」ではなく「先輩」――【安室奈美恵】を愛してマスカット

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『安室奈美恵』

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9月20日、自身のHPで来年9月16日に引退することを発表した歌手の安室奈美恵。引退に向けて「MAXとの共演あるか?」という声も上がっているが、個人的には『ポンキッキーズ(フジテレビ系)時代に鈴木蘭々とやっていたシスターラビッツの復活を望んでいる。


 歌手・安室奈美恵の引退発表に日本中が揺れた。ファンの人もそうでない人も、一時代を駆け抜けた歌姫の引退を、惜しみ、悲しみ、そしてこれまで勇気づけられてきたことに感謝するなど、さまざまな思いが交錯している。そんな中、私が安室ちゃんの引退について感じるのは「悲しみ」でも「感謝」でもなく、ただ「恥ずかしい」という気持ちである。

 安室ちゃんなどと気安く呼んでいたから気づかなかったが、彼女は私の1コ下。今さらながら「1歳しか違わないのか……」という事実に愕然としている。

 例えば、羽生結弦とか大谷翔平ぐらい年が離れていると「いや~天才ってのはスゴいね~」などと大人ぶった態度で負けを認めながらも、どこか別次元のこととしてとらえてしまいがちだ。だが、これが同年代となってくると「俺は今まで何をやっていたんだろう……」と焦るというか、急に「こんな自分が恥ずかしい」という気持ちになってくる。もっと早く気づけよという話ではあるが、若い頃は「メジャーなものは避ける」というサブカルクソ気質だった私は、安室ちゃんが売れてくるとMAXのほうに興味がいってしまい、安室ちゃんのことは「そこそこ年下の女の子」という印象で止まっていたというのが正直なところだ。

 ただまあ、気づいていたところで20年以上前からその差は歴然なわけで、安室ちゃんが19歳の頃、すでに「SWEET 19 BLUES」で人気は絶頂。私の19歳の頃といえば、現役での大学受験に失敗し、事態を重く見た両親がなぜか、縁もゆかりもない土地に私を送り込み、ひとり浪人生活を送っていた時期だ。「もうすぐ大人ぶらずに 子どもの武器も使える いちばん旬なとき」を棒に振っていたのである。

 さらに安室ちゃんは20歳で結婚・妊娠を発表したが、私は20歳で一浪の末なんとか滑り込んだ三流大学に通うため上京。無論チェリーボーイであった。なんなら結婚に至っては、41歳いまだ独身。なんとか挽回しようと、気立ての良いバツイチ子持ちの女性を探す日々である。

 そして今回、安室ちゃんは40歳で「すべてをやりきった」として引退を表明。一方、私など引退どころか「まだ始まってもいねえよ」というか、なんなら「始まる前に人生終わっちゃうよ」といった体たらく。焦りもひとしおだ。

 ただ正直、引退の第一報が出た時には、ネガティブな推測をしてしまったのは事実だ。「芸能界が嫌になったのかな」とか「疲れちゃったのかな」とか「辞めて沖縄で民宿とか開業しちゃうのかな、『自然の声に耳を傾ける生活を』とか言いながら」といった「引退」というよりも「逃げ」みたいなイメージだ。

 だが、それも『安室奈美恵「告白」』(NHK)を見て一蹴された。番組内でこれまでの軌跡、そして引退について語る彼女には、一切の後悔・恨みといった感情はなく、あるのはただ愚直にストイックにアーティスト人生を全うした清々しい表情であった。

 もうね、ここまで圧倒的だと、もはや「ちゃん」づけはダメですよ。「先輩」。そう、1コ下だけども、「安室先輩」ですよ。「引退するのはいいけど、老後のこととか考えてる?資産運用とか。今だと仮想通貨がアツいらしいよ」などと、いらぬ心配をしていた自分に反吐が出る。

 まあ、一つだけ気になることといえば、引退後の動向だ。これに関しては番組内でも「やってみたいってものがあったら、そこに情熱を注いでみる」と言うにとどめていた。

 そこで思い出したことがある。20年ほど前、安室先輩が「これから売れる」というタイミングの時、日テレ系の深夜枠の番組で彼女の特集が放映された。その中でMAX(当時はスーパー・モンキーズ)とのトークコーナーがあり、メンバーの未来を予想するというお題で、NANAが「奈美恵は離婚して、そっくりな子どもを連れてそう」と発言したのだ。その時は笑い話で済んだものの、よもや数年後に現実になろうとは……。当時、今のようなネット社会であったなら確実に「NANA、安室の離婚を予言していた」というニュースが飛び交っていたであろう。今となっては誰も覚えていないエピソードである。ここはひとつ、引退発表を機に、再びNANAに安室先輩の今後を予言してもらうというのはどうだろう。ただ、安室先輩の今後というより、「MAX今後どうするんだ?」 ということのほうが気になってしまいそうではあるが。

西国分寺哀(にしこくぶんじ・あい)
MAXはREINA推しだった41歳独身男性。くだんの日テレ系の番組は、調べたが詳細はわからず。でも俺、確かに見たんだ。見たんだよ!


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